BPR
「BPR」とは、業務改革のことを意味する表現である。
「BPR」とは・BPRの意味
「BPR」とは、Business Process Re-engineeringの頭文字を取った略語で、業務改革と言う意味を持つ言葉である。業務改善はもともとある業務をベースに見直しや変革などが行われる策だが、BPRは業務改革のため業務の抜本的な改革が求められ、業務全体の変化を促すもので、少子高齢化やITの発展に伴い働き方改革が注目される中、2016年には総務省からも政府内におけるBPRの重要性や推進についての発表がされている。人員不足や長時間労働などにも対応する策として多くの企業が導入していて、変化していく働き方や働く世代に順応していくために様々な抜本策としてBPRが取り入れられている。BPRは1990年の始めに、アメリカの大学教授が提唱したもので、1993年には経営コンサルタントとの共著を刊行して世間に知られるようになった。その後、日本でも刊行され、バブル崩壊後で経営が成り立たなくなった企業が続出した日本においては、企業の立て直しの方途として注目を集めたが、結果的にはリストラが強く推奨されることとなり業務改革が成功したとは言えない成果となってしまった。だが、時を経て人口の減少や変化した社会環境などによってBPRは再び注目されるようになり、各企業はこぞってBPRによる手法を用いることとなった。
やり方は、目標や目的を定めて課題を捻出し、その課題に対してどのような対応や改革を行うかを議論、様々な現場からの意見をまとめて業務手順を構築していく。そして、実際の業務に取り入れた結果をあらゆる角度から見定め、新たな課題や改善点などを拾い上げ再び業務改革に繋げる、これが一定の流れである。その結果、生産率の向上や作業の効率化が実現し、顧客や従業員の満足度も上がるというメリットを得られる。しかし、一定の時間や労力、コストなどがかかる上、経営側と従業員との摩擦が起こる可能性があるためBPRを取り入れるには慎重な姿勢が大切となる。例えばBPRコンサルタントの導入や、従業員の意見も取り入れて経営側だけで判断をしないなど、スムーズにBPRを進めることができる環境を整えることも求められる。
なお、BPRはDXと似ているがBPRは業務の過程に着目して変革を起こすことに対して、DXはITなどのデジタルの力でビジネスモデルを変革することであり、どちらかと言うと業務改革ではなく業務改善から導き出す新たなビジネスモデルの創出と捉えることができる。他にも似ている言葉としてbpoが挙げられるが、bpoは、Business Process Outsourcingの略で、専門性を持つ企業に自社の業務プロセスを継続的に委託することである。bpoは、主力の業務以外を任せることができるため、集中したい業務に全力を注げるというメリットが生じるものだ。
BPRの事例としては、あるスポーツ新聞社ではインターネットが普及したタイミングで、そもそもの業務であった新聞で方法を発信する事からウェブメディアへと事業を展開し、スポーツニュースを始めとした情報をスピーディーに伝えることに注力した。その結果、質の良い正しい情報は顧客からの評判も良く満足度の高い情報源を発信する企業として成功を収めている。また、BPRは企業向けの手法という印象が強いが、自治体などでも取り入れられることがあり、ある県では科学的な視点で行政の質を上げることを目的にBPRを導入、5000を超える事業から人コストの削減や事業活動の計画、見直しなどの管理を行った結果、大幅な予算の削減に成功している。
自治体では高齢化や少子化、地域の繋がりの薄さなどの問題点が多く、維持していくために様々な手法が取られているが、BPRの導入によって業務の無駄をなくすことや、デジタル技術の活用などで携わる人の業務負担の減少や業務効率の向上などに繋がり、快適な自治体活動ができるようになった事例も少なくない。
ビー‐ピー‐アール【BPR】
読み方:びーぴーあーる
BPR
【英】:Business Process Re-engineering
リエンジニアリングは、1980年代のアメリカ産業界における「行き過ぎだ分業」への反省から言われ始めた言葉で、組織再編を含む事業・業務改革を指す。
BPRは企業のビジネスプロセスを再構築する改革手法であり、次のように整理できる。
(1) 目的 顧客満足・競争優位を実現すること。
(2) 改革の目標 顧客満足・競争優位を生み出すための、品質・コスト・スピードを劇的に改善する。
(3) 改革の対象 改革対象を、顧客満足を生み出す一連のビジネスプロセスとして捉える。したがって、調達・開発・製造・販売・物流・サービスといった従来の機能別の分業を前提とせず、抜本的なプロセスの構造を見直す。
(4) 改革アプローチ 機能分担および組織構造の改革、業務プロセスの改革、人材の改革の3つの視点からアプローチすることが重要である。
また、改革を実現するために最適なITの活用を盛り込むことが不可欠である。
BPR ビジネスプロセス・リエンジニアリング
マーケティング視点におけるBPRにおいては、顧客との接点を集約しダイレクトなコミュニケーション実現を目指します。
改革へのアプローチは2つ。
顧客視点による業務プロセスの見直しと差別化視点による業務プロセスの見直しです。顧客視点によるプロセス改革フロー
・既存プロセス毎の情報の整理
・顧客との密接度による既存プロセスの分類
・顧客接点の集中化とコアプロセスの整備
・コアプロセスを中心としたプロセス全体の再構築
・情報共有システムの整備差別化視点によるプロセス改革フロー
・既存プロセスを付加価値重要度により分類
・自社のコアプロセスの抽出
・コアプロセス以外の取捨選択
・アウトソーシングによるスリム化の検討この2つの改革フローを同時に実行してゆくことが重要で、経営、マーケティング、情報システムに至る広い視野での統合的な改革が必要となります。
BPR
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/21 06:26 UTC 版)
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- BPRグローバルGTシリーズ- 1997年から2009年まで開催されていたFIA GT選手権(エフアイエー ジーティーせんしゅけん、FIA GT Championship)の前身となるプライベーター参加の耐久レース。BPR GTグローバルシリーズとして1994年から1996年まで開催されていた。プロトタイプレーシングカー#1990年代参照。
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