茶州州官
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「彩雲国物語の登場人物」の記事における「茶州州官」の解説
浪 燕青(ろう えんせい) 声:伊藤健太郎 / 藤原啓治 元茶州州牧。上治1年で25歳。17歳から26歳まで9年間、これまでにないほど良く茶州を治めるが、実は国試はおろか準試すら受けずして州牧となった例外的な存在。性格は大雑把。優しいが厳しい。いつもは無精髭を生やした怪しい容貌の人物だが、剃れば好青年。目は黒い。左頬に十字傷があり、長い方は殺刃賊の晁蓋に、短い方は静蘭によって付けられた。静蘭の殺刃賊時代を知る人物で、彼からは乱暴な態度を取られている一方、頼りにされている。 茶州の商家、浪家の三男。父に季札、兄に伯夷、叔斉、姉に娥皇、女英、生まれたばかりの弟が1人居た。全部で7人兄弟の為、もう1人姉妹が居ると思しい。5歳の時、自宅に押し入った殺刃賊に両親と兄弟姉妹を惨殺された。武術の腕は静蘭よりも上で、棍を武器にしているが、彼が最も得意とするのは素手での格闘。剣は全くの下手だと言っているが、本当は剣で人を斬ることだけに長けており、剣を握ると手加減できない自分を制御するため。昔は「小棍王」と呼ばれていた。 鴛洵の反逆の後、彼の遺志を叶えるため単身で貴陽に上り、秀麗と出会う。戸部の人手不足が悪化した際は、施政官に臨時に任命された。本来の用事は、茶家に先手を打って、州牧の佩玉と印璽を劉輝に返却することだった。1ヶ月ほど州府を空けていた為、茶家の手回しで州牧を解任される。茶州に帰った後、準試を受けて下から2番目で及第する。劉輝へ現況報告をしに貴陽を再訪し、州尹(州牧補佐)に任命される。 茶州の邪仙教事件後、秀麗に人生を賭けてもいいと思い、国試を受けるために勉強中。州尹は辞して、秀麗を助ける必要のため制試を受ける事を口実に貴陽に来ている。その後、皇毅から御史台入りを薦められ一度断るも、結局蘇芳が御史に昇格したため空白となっていた秀麗の御史裏行の後釜を命じられる。密かに女性としての秀麗を好いており、悠舜と蘇芳にだけは気付かれている。師匠である南老師の借金を肩代わりさせられている。名の由来は浪子燕青。兄弟の中で唯一、親ではなく兄姉達が名前を決めた為、庶民的な由来。 杜 影月(と えいげつ) 声:浪川大輔 / 幼少:洞内愛 長い前髪、垂れ気味の目を持つ、黒州出身の少年。上治1年で11歳。13歳の時、史上最年少の状元となり、秀麗と共に茶州州牧に任命される。奇病事件での行動から茶州州尹に降格させられた。後任州牧の櫂瑜の元で研鑽を積んでいる。努力家でのんびり屋だが、意外に頑固。酒を飲むと陽月というもう1人の人格が現れるが、陽月が出る度に影月の寿命は磨り減っていく。秀麗に拾われる前に玖琅に助けられ、その恩として秀麗の情報を流していた。 4歳の時、王位争いの煽りを食って官吏に食糧を徴収され、一家で餓死寸前に陥る。兄が両親に末子である自分を殺せば口減らしと食糧調達で一石二鳥と入れ知恵をし、父に鉈で殺されかける。瀕死のところ華眞に拾われ看病を受けるも一度死亡するが、たまたま居合わせた陽月によって生かされる。そのまま西華村で成長するが、10歳の時、西華村は奇病で全滅する。 邪仙教の事件の時に再び死ぬが、このときも陽月に助けられた。その時陽月が眠りについたため、今後は酒を飲んでも陽月は出てこない。本当の名前は月(げつ)。影月は「陽月の影で生きる」という意味で、陽月がつけた名前。 碧珀明からは小動物と呼ばれる。藍龍蓮の「心の友・其の二」。香鈴とは相思相愛だが、香鈴が意地っ張りでなかなか自分に笑いかけてくれないことをひそかに気にしている。 蝗害の後、櫂瑜の許可を得て茶州の医師団を率い、自ら飛び出した。それを「夢見」で知っていた秀麗は、目覚めるなり助けに来た燕青と静蘭に合流させ、旺季が作った隠れ村の焼き討ちを防がせた。地方官を続けていたが、上治31年秋、中央へ呼び戻される。陽月(ようげつ) 声:浪川大輔 影月とは正反対の性格で、目尻の吊り上がった猫目を持つ。喧嘩に強く、酒好き。気まぐれの割におせっかい。影月を3度助ける。香鈴には影月の秘密を喋る。実は彩八仙の1人、白夜。この世で2番目に嫌いなものは縹家、3番目に嫌いなものは人間。邪仙教事件の後、影月を生かすため、深い眠りについている。アニメでは龍連から「心の友其の2.5」と呼ばれている。 櫂 瑜(かい ゆ) 声:秋元羊介 現茶州州牧。前黒州州牧で、年老いてなお一線にいる名官吏。影月の国試においての後見。年は80を超え、朝廷三師より年上で現役最高齢。華眞の医学書を秀麗に渡す。羽 羽と友人。戩華の時代から華眞や紅邵可とも交流があり黒狼の正体を知る人物。名誉官位を辞退し続けている。 老いた現在も年寄り臭さが無く優雅であり、未だに若い女性達を本気でよろめかせてしまう伝説的色男。撫でつけられた銀髪、涼やかに切れ上がった目元、かすれて艶のある声の持ち主。捕虜となり拷問を受けた際、決してそれに屈しなかったばかりか、身なりに気を配っていた。あげく助けに来た鬼姫に「相変わらずあなたはお美しい」と虫の息で告げた過去を持つ。恋愛ごとに疎い秀麗ですら彼と初めて会ったときにはときめかせられていた。それでいて男達にも分け隔てなく優しく、紳士で、老若男女の尊敬を集めている。 『白銀』の頃に劉輝を訪ね、側近達が紅藍両家を優先していることを気にかける。『青嵐』にて制試の名目で燕青を貴陽に出す。『紫闇』にて劉輝と旺季の一騎討ちの後、茶州軍とともに先陣を切って駆けつける。影月には「血圧が上がるから絶対に来るな」と言われていたが無視した。上治6年の夏には死去している。 鄭 悠舜 詳細は鄭 悠舜の項目を参照。州牧就任までの騒動の頃、由准(ゆ じゅん)という官吏として、秀麗と影月の前に姿を現す。悠舜の命令で州府から金華郡府に派遣されたことにしていた。 茗 才(めい さい) 国試にも合格している茶州官。秀麗や影月は彼を慕い、頼りにしていたが、他の人には恐れられている謎の人物。州牧着任式の前に秀麗に萩の花を贈った。秀麗が貴陽に帰る時に引きこもっていた。実は監察御史で、茶州の監察にきていたのだが、燕青や悠舜にこき使われていた。そのため、燕青は制試のため、という名目で貴陽に来た時、葵皇毅に挨拶兼お礼兼謝罪をしにいく。朝賀には大体悠舜か茗才が出ていた。 丙太守(へいたいしゅ) 声:星野充昭 虎林郡の太守。冷静さを買われて太守になった。初老の皺を刻み始め、綺麗な髭を生やした風貌をしている。秀麗達の州牧着任式の際には、「置物」の扮装をして荷に紛れて琥璉入りした。紅秀麗と杜影月には魯尚書に似た印象を与えた。邪仙教事件の際には疫病治療のために太守の居城を提供した。その後は朱鸞に国試の勉強を教えたり、資金集めをしている。毎日青汁を飲んでいる。
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