王の写本
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王の写本[1](おうのしゃほん、アイスランド語:Konungsbók[2]、ラテン語:Codex Regius, 王書、王室写本、欽定写本、レギウス写本とも。)は、『詩のエッダ』(Sæmundar-Eddu[2])が記録されているアイスランド語の写本(コデックスも参照)である。写本番号は「GKS 2365 4to」[3]など[4]。
- ^ 菅原訳、ノルダル『巫女の予言 エッダ詩校訂本』p.9,43,115 などの表記。
- ^ a b c 『巫女の予言 エッダ詩校訂本』、9頁。
- ^ 「GKS」は「Gamle Kongelige Samling」[1](デンマーク語)の略で「王立図書館旧コレクション」を意味する。「4to」は「四つ折り版」であることを表す。
- ^ 他に、たとえばエリアス・ヴェセーン(菅原邦城訳)『北欧の言語 新版』(東海大学出版会、1988年、ISBN 978-4486002536)では「Cod. Reg. g. s. 2365」となっている。「コペンハーゲン王立図書館 (Cod. Reg.) 所蔵の旧コレクション (g. s.) 2365番」という意味とのこと。
- ^ a b c 『エッダ 古代北欧歌謡集』285頁。
王の写本
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 03:32 UTC 版)
現存する最古の古エッダの写本は、1643年にアイスランドのスカールホルトで司教ブリュニョールヴル・スヴェインスソン (Brynjólfur Sveinsson) によって発見されたものである。この写本は1662年に彼により時のデンマーク王に贈られ、コペンハーゲンのデンマーク王立図書館 (Danish Royal Library) に所蔵されたため、「王の写本」と呼ばれている。写本は1971年にアイスランドへ返還された。 この王の写本には、スノッリの『エッダ』に引用という形で残されていた詩や、北欧神話を物語る詩が数多く含まれており、スノッリが自身の『エッダ』を著す際にその元とした本であろうと考えられ、「古エッダ」と呼ばれるようになった。しかし現在では、実際に成立したのは『エッダ』より遅く、1270年頃に編纂されたものではないかと考えられている。 古エッダは、ブリュニョールヴルがこれを12世紀の僧セームンドル・シグフースソン (Sæmundr fróði) (博識なセームンドル)の作だと考えていたことに倣い、また「スノッリのエッダ」に対応して、「セームンドルのエッダ」と呼ばれていたこともあった。しかし、このセームンドルが「古エッダ」の作者であるという説は、現在では否定されている。 スウェーデンの学者グスタヴ・リンドブラド (Gustav Lindblad) は、この王の写本収録のエッダ詩が実は注意深く配列されているものであることを指摘し、また各詩の導入部に置かれている散文は王の写本の編者が詩の内容に注意を払っていたことを示唆し、収録されている詩群は1200年頃から集められ始められたのではないかという仮説を唱えた。
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