オッドルーンの嘆き
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/13 00:14 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動『オッドルーンの嘆き』(古ノルド語: Oddrúnargrátr)は、古エッダに含まれる古ノルド語詩の一つである。
ニーベルング伝説の一つで、恋人グンテル王を殺されたオッドルーンの対話詩。オッドルーンはフン族の王アトリ(アッティラ)の妹。
内容
- 1-12節 ヘイズレクの娘ボルグニーの難産をオッドルーンが呪文を唱えて救った。
- 13-34節 オッドルーンはブルクンド族の王グンテルと恋人の仲になったが、兄アトリは結婚を許さず、かえってグンテルを蛇の牢に入れて殺した。
他の伝承との関係
- オッドルーンの名は古エッダで他に、「シグルズルの短詩」と「ニヴルング族の殺戮」に1か所ずつ名が見える。
「シグルズルの短詩」ではブリュンヒルドの台詞として「あなた(グンテル)は妹のオッドルーンを妻に所望されるでしょうが、アトリが許しません。あなた方はこっそりと逢瀬を楽しむようになる。彼女はあなたを愛すでしょう。」(谷口幸男訳)
「ニヴルング族の殺戮」では、「グンナル(グンテル)はアトリの妹オッドルーンの手を求めていたが、えられなかった。」(谷口幸男訳)
- 「ヴォルスンガ・サガ」の32章には「シグルズルの短詩」と同様のブリュンヒルドの台詞がみられる。
外部リンク
- Oddrunargratr翻訳・ヘンリー・A.ベローズによる解説
- ベンジャミン・ソープによるオドルンの嘆きの翻訳
- William MorrisおよびEirikr MagnussonによるOddrúnargrátrの翻訳
- OddrúnargrátrSophus Buggeの原稿テキスト
- 正規化されたスペルのテキストのOddrúnarkviðaGuðniJónsson版
オッドルーンの嘆き
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/02 22:49 UTC 版)
『オッドルーンの嘆き』は、アトリの妹であるオッドルーンがグンナルへの愛を語る筋書きとなっている。ブリュンヒルドが死んだ後、オッドルーンへのグンナルの求婚をアトリがはねつける。それでも二人は恋仲となり、共寝をするが、ある日ついに露見してしまう。怒ったアトリはグンナルとホグニを殺す。オッドルーンは蛇の穴からグンナルを逃がそうとするが、たどり着いたときには彼はすでに死んでいた。アトリとオッドルーンの母が蛇に化けて彼を噛んだためであった。 オッドルーンは、詩人が「異なる視点からニーベルング族の没落を描く」ために後世に追加された役柄だと考えられている。また、グンナルとアトリの敵対関係についても、アトリが財宝を欲しがったことだけでなく、オッドルーンとグンナルが恋仲になることが理由として機能している。
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