ヴォルンドの歌とは? わかりやすく解説

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ヴェルンドの歌

(ヴォルンドの歌 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/17 03:23 UTC 版)

ヴェルンドと2人の兄弟が白鳥乙女の水浴を見ている。イェニー・ニュストレム画、1893年。
覗き見る3人の鍛冶の若者。後に彼らは3人のヴァルキュリャの乙女と結婚する。フリードリヒ・ハイネ英語版画、1882年。

ヴェルンドの歌」(Völundarkviða より正確には Vǫlundarkviða[1] は、古エッダの神話的な詩のひとつである。

あらすじ

この詩は職人のヴェルンドの物語と関連しており、詩の中で彼は「妖精(アールヴ)の王子(vísi álfa)」あるいは「妖精のリーダー(álfa ljóði)」と呼ばれる。ヴェルンドはまた、フィンの王の3人の息子のひとりであると言及される。彼の妻ヘルヴォル・アルヴィトはヴァルキュリャで、9年後夫を捨て去り、その後ヴェルンドは、彼の黄金に目が眩んだニャーラル(スウェーデン)の小王ニーズス英語版に捕らえられる。ヴェルンドは膝の腱を切られ、島にある王のための品を制作する工房へ入れられる。最終的にヴェルンドは逃げる方法を見つけ、ニーズスの息子を殺し、娘を妊娠させ、笑いながら飛び去る。

「ヴェルンドの歌」は、生き生きした描写を呼び起こすことに真価を認められる。

In the night went men,
in studded corslets,
their shields glistened
in the waning moon.
「ヴェルンドの歌」第6スタンザ、ソープ訳。
鋲打たれた甲冑の
男どもは夜を行く
欠けゆく月に
彼らの盾が輝いた
中央にヴェルンド、左にニーズスの娘、そしてニーズスの死んだ息子たちがヴェルンドの右側に配されている。ヴェルンドはタカの羽根で飛び去る姿のようにも見える。(アードレの絵画石碑英語版

ヴェルンドの神話は、ゲルマン族のひとびとの間に広く知られていたようである。この物語は『シズレクのサガヴェーレントの話)』とも関連しており、古英語詩「デオールの嘆き英語版」の中でも言及されている。また、7世紀のアングロ・サクソン族のフランクスの小箱英語版のパネルの1つと、ゴトランド島にある8世紀のアードレの絵画石碑英語版VIIIに描かれている。

この詩は王の写本の神話詩の中に完全に保存されているほか、散文による序詞がAM 748 I 4to断片にも見られる。

脚注

  1. ^ 「ヴェルンドの歌」の英語化にはVölundarkvitha, Völundarkvidha, Völundarkvida, Volundarkvitha, Volundarkvidha, Volundarkvida などがある。

出典

翻訳元

翻訳

  • V.G.ネッケル他編 『エッダ 古代北欧歌謡集』谷口幸男訳、新潮社、1973年、p.93-98。

「ヴェルンドの歌」の完訳を収録。

外部リンク

英訳

古ノルド語版


ヴォルンドの歌

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/11 07:03 UTC 版)

ワルキューレ」の記事における「ヴォルンドの歌」の解説

『ヴォルンドの歌』の導入部散文は、スラグフィズ、エギル、ヴォルンドの兄弟がウールヴダリル(の谷)と呼ばれる地に建てた家に住まう話を語るものであるある朝早く兄弟はウールヴスヤール(の湖)の畔で糸を繰る3人の女出会う。彼らはヴァルキュリャで、「かたわらには白鳥の羽衣がおいてあ」った。うち2人はフロドヴェール王の娘で、名はフラズグズ・スヴァンフヴィート(白鳥の白)とヘルヴォル・アルヴィト(おそらく「全知」の意)といった。もう一人は、ヴァランドのキャール王の娘で、名をオルルーン(おそらく「ビールエール)のルーン」の意)といった。エギルがオルルーンを、スラグフィズがフラズグズを、ヴォルンドがヘルヴォル連れ帰り7つの冬の間一緒に暮らしたが、女たちある日戦場へ飛び去って戻ってくることはなかった。エギル雪靴を履いてオルルーンを探し行き、スラグフィズもフラズグズを探し出たが、ヴォルンドはウールヴダリルに留まった。

※この「ヴォルンドの歌」の解説は、「ワルキューレ」の解説の一部です。
「ヴォルンドの歌」を含む「ワルキューレ」の記事については、「ワルキューレ」の概要を参照ください。

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