返還運動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/15 15:12 UTC 版)
「アウルトニ・マグヌッソン写本コレクション」の記事における「返還運動」の解説
アイスランドは、1944年のデンマークからの憲法上の分離以前からすでに、これら写本群の返還を求め始めていた。激しい議論ののち、デンマーク議会は1965年5月に、アウルトニ・マグヌッソン写本コレクションに含まれる文書群のうち「アイスランドの文化財」(デンマーク語: islandsk kultureje)――大まかに言って、アイスランド人によって編纂または翻訳され、その内容の全てあるいは大部分がアイスランドに関連しているもの、と定義される――とみなされうるものは、アイスランド大学の付属機関として新設されたアイスランド写本研究所(現在のアウルトニ・マグヌッソン研究所(英語版)、アイスランド語: Stofnun Árna Magnússonar)に返還すると決議した。その決議はさらに、デンマーク側がその所有権を放棄する写本と同じカテゴリーに属している写本の、デンマーク王立図書館(デンマーク語: Det kongelige Bibliotek)からの返還についても規定しており、王立図書館に在った(そして当該条約の条項下では返還対象となる「アイスランドの文化財」とみなされなかったであろう)2冊の写本、「王の写本」と「フラート島本」の、アイスランドへの返還に関する特別条項も含んでいた。 まず、これら「王の写本」と「フラート島本」の2冊が、1971年の条約批准後ただちに開かれた式典の中で、アイスランド側に引き渡された。1973年6月に最初の写本群がコペンハーゲンからレイキャビクへ向けて送り出され、残りは1997年6月までに順次引き渡された。 総計で1666冊にのぼる写本と、アイスランドの認状や副本のすべては、アイスランドに返還され、その総数は、王立図書館から移譲された141冊も加え、アウルトニ・マグヌッソン写本コレクションの半分よりやや多いほどとなっている。コペンハーゲンに残った写本の約半分はアイスランド語で書かれているが、その主な関心事は直接アイスランドに関係するものではない。たとえばノルウェーやデンマークの王の歴史、宗教文書、ラテン語や他の言語からの翻訳などである。
※この「返還運動」の解説は、「アウルトニ・マグヌッソン写本コレクション」の解説の一部です。
「返還運動」を含む「アウルトニ・マグヌッソン写本コレクション」の記事については、「アウルトニ・マグヌッソン写本コレクション」の概要を参照ください。
- 返還運動のページへのリンク