王の同定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/22 16:05 UTC 版)
創世記第14章1節は、次のように4人の王の名を挙げている。「シナルの王アムラペル、エラサルの王アリオク、エラムの王ケダラオメルおよびゴイムの王テダルの世に、...」 この記述は、伝統的に4人の別々の王たちに言及したものと解釈されている. アムラペルについて、『カトリック百科事典』や『ジューイッシュ・エンサイクロペディア』の執筆者など、一部の著者たちは、有名なハンムラビの名を崩したものとしている。またこの名は、エシュヌンナのイバル=ピ=エル2世(英語版)と結び付けられることもある。 アリオクについては、エラサルをラルサが崩れたものと見て、ラルサの王と考えられている。また「URU KI」は、「この場所」を意味するものと考えられている。 エラム語やアッカド語(アッシリア・バビロニア語)で書かれた文字記録の発見によって、ケダラオメルはエラム語の「Kudur-Lagamar」すなわち「ラガマルの僕」の意味であり、アッシュールバニパルに言及されているエラムの神ラガマルに言及した名だと考えられるようになった。しかし、個人の名としての「Kudur-Lagamar」への言及は発見されておらず、かつてこの名を記したものとされた記録は、字の形が似た別の名であったことが判明している テダルは、ヒッタイト 新王国の初代の王トゥドハリヤ1世、ないしは、古王国以前の王トゥドハリヤへの言及としての「Tudhaliya」が崩れたもの、ないしは翻字したものと考えられてきた。前者であれば、「諸部族の王」というのは、アムル(英語版)やミタンニなどヒッタイト系の王国を同盟者としてもっていたことを指し、後者であれば、ゴイムは、「彼ら、これらの人々」の意であって、「al」すなわち「彼らの力」 は、王国ではなく諸部族といった意味になる。したがって「td goyim」すなわち「これらの人々が一つの国家を作り、勢力を伸張させた」ことになる。
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