桃太郎シリーズ全6作
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「冒険ゲームブックシリーズ」の記事における「桃太郎シリーズ全6作」の解説
ハドソンの『桃太郎伝説』・『桃太郎電鉄』シリーズをゲームブック化したものである。原作の世界観と同じく全編ギャグやダジャレが満載でエンターテイメント性が強いシリーズである。挿絵は全作を通じて漫画家の日高トモキチが担当。 桃太郎伝説 愛と勇気のオニ退治 (1987年 大出光貴、竹田明 / スタジオ・ハード) シリーズ1作目。ストーリーは概ねファミコン版を踏襲している。桃から生まれた桃太郎が3匹のお供を従えつつ、鬼ヶ島のえんま大王を懲らしめに旅立つ。途中立ち寄るのは金太郎の村、浦島の村など、他の昔話のキャラクターも登場する。RPGが原作だが、刀や胴を買い換えてパワーアップすることがなく、お金はもっぱら宿屋か茶店できびだんごを買うぐらいしか使い道がない。選択肢によってはループも可能でパラグラフの組み方も甘い。寝太郎を起こすのに必要なアイテムが、ファミコン版では「氷室のけずりひ」というアイテムだったが、本作品では「かつおのけずりぶし」になっている。 桃太郎電鉄 めざせ!大社長 (1988年 大出光貴、橋爪啓 / スタジオ・ハード) シリーズ2作目。前作から500年後の現在で、同じく桃から生まれた小学生桃太郎が日本一の大会社「桃太郎電鉄」の次期社長の座をかけてライバル、桃太郎ブラックXと日本全国を巡ってお買い物バトル繰り広げるというストーリー。 資産管理は途中の決算期に「物件1つにつき○○○万円もらえる」という程度に留まり(本社のピンチ、コンサート、スリの銀次登場など、原作をモチーフにしたイベントはいくつか存在)、むしろ物件の買い物よりも各地で立ちふさがる「ウニドン魔王」とか「もみじまんじゅう男」「うどん怪人サヌキング」などといった変態ご当地怪人との戦闘の方がメインとなっている。ただし、持っていないと途中で手詰まりになる物件もある。 桃太郎電光石火 00モモ危機一髪 (1989年 橋爪啓、大出光貴 / スタジオ・ハード) コードネーム「00モモ」を持つ現代の桃太郎は秘密諜報局のスパイとなっていた。ある日突如東京湾に全長500mもあろうかという巨大な桃、モモリスがドンブラコと流れ着き「笑撃波」なる怪音波を発して周囲の人々をくだらないダジャレ地獄に陥れ始めた。このままでは東京の、いや日本の危機。そこでモモリスの謎を解明し、秘密裏にこれを処理する命を受けたのは「桃のことなら桃太郎がなんとかするだろう」という上層部の安直な意向で選ばれた00モモだった。 ゲームの原作を持たない完全オリジナルストーリー。情報集めから人探し、マイクロフィルムに追跡・暗号・拷問そして脱出と、往年のスパイ物さながらの活躍が展開される。@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}タイトルの電光石火は「伝説」「電鉄」と来たから次も「デン」で始まる言葉を、との考えから付けられた。[要出典]お馴染みの変態怪人はもちろん、理不尽でいい加減な指令ばかりの長官「ミスッタM」、敵か味方か謎の美少女スパイ「スモモ」、スパイ7つ道具やピーチカーの製作者「BO-Q(ボキュー)」、“何か”を半分だけ盗む(所持金の半分はもちろん、アイテムの半分や情報の半分、時には乗客のハートの半分までも盗む)流しのスパイ「00GIN-J(銀次)」、唐草模様マスクのお邪魔スパイ「ばっどマンとビロロンマスク」など個性的な脇役も多く登場。書かれる擬音も「ウッチュウ、レロレロ、ツー(濃厚なキスの音)」「ドロロンバイのプーン(モモが腐る音)」「ボキュー(アザラシの鳴き声)」と独特の世界が繰り広げられる。 桃太郎伝説スペシャル 雪の女王に挑戦! (1990年 大出光貴 / スタジオ・ハード) 西洋の様々なおとぎ話をミックスした番外編。いつものおばあさんが桃を拾おうとした川から現れたのは「お前が落としたのはこの金の桃か。それとも普通の桃か」と迫るヘンな神様。強欲なおばあさんは金の桃を持ち帰り(普通の桃を選んだ場合は「桃太郎伝説に続く」となってそこでEND)、選ばれなかった普通の桃は川から海へ、やがて鬼ヶ島へと流れ着き、桃太郎はなんとエンマ大王に育てられる。やがて成長した桃太郎は、おばあさんが拾った金の桃から生まれたライバル、金・桃太郎や、日本の西洋化を企む雪の女王率いる西洋おとぎ話軍団を相手に、歴史を元に戻すための旅に出る。作中で桃太郎は『ガリバー旅行記』『赤ずきん』『白雪姫』『ジャックと豆の木』などなど、西洋の様々なおとぎ話に巻き込まれる。また桃太郎は所持している刀よりもプロレス技の方を多く用いる。 なお、この作品(およびそれ以前の作品の増刷分)のカバーイラストは原作のキャラクターデザインを手掛けた土居孝幸が手掛けている。 桃太郎活劇 エンマ大王の逆襲 (1990年 大出光貴 / スタジオ・ハード) アクションゲーム『桃太郎活劇』のゲームブック化。桃太郎がイヌサルキジと鬼ヶ島へ鬼退治に行くストーリーに変わりはないが、RPGである原作の『桃太郎伝説』と比較して、ジャンプしたり敵の攻撃を避けたりといった、原作がアクションゲームならではの描写が随所に見られる。原作からの変更点として、攻撃Pを上げる刀やダメージを軽減する胴を買って強化できる、ヒロインは鬼族の美少女である美鬼、などが挙げられる(ただし後者はエンマ大王は否定している)。原作の謳い文句「誰でも簡単にクリアできます」に倣ってか、物語序盤には無限ループによっていくらでもお金を稼ぐことも可能。 桃太郎伝説II 地獄王現る! (1990年 大出光貴 / スタジオ・ハード) 今回はわりとシリアス。『桃太郎伝説』から3年後。新たな敵、エンマ大王よりも恐ろしい鬼族の王である地獄王が地上の制圧に乗り出した。平和に暮らしていた桃太郎は再び鬼退治の旅に出る。昔話をモチーフにした村々を回り、イヌサルキジや金太郎、浦島太郎、地獄王の娘である夜叉姫を仲間に加えながら進む。『桃太郎活劇』でもあった武器防具のシステムが追加され、高価な武器をいつ購入するのかを考える戦略性もプラスされた。余剰パラグラフで次回作のアイデアを募集するが、今作がシリーズ最終作となった。
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