撃墜までの経過とは? わかりやすく解説

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撃墜までの経過

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/02 06:22 UTC 版)

大韓航空機撃墜事件」の記事における「撃墜までの経過」の解説

時刻東京/ソウル時間 (UTC+9)。 1983年8月31日 13:05 - KAL007便がジョン・F・ケネディ国際空港出発この際慣性航法装置 (INS) 3基のうちの1基に不具合報告された。 20:30 - 燃料補給のためにアンカレッジ国際空港到着燃料補給する間に乗務員交替し、千炳寅機長副操縦士航空機関士の3人が新たに運航乗務員としてソウルまでの乗務に当たることとなったまた、社員割引ニューヨークから搭乗してきた他の航空会社社員降機した。なお、機内就寝していた一部乗客除き乗客多く空港ターミナルビル内の待合室移動した21:20 - アンカレッジ国際空港出発予定。しかし、追い風のためソウル金浦国際空港開港 (6:00) 前に到着することが分かり出発見合わせた21:50 - ニューヨークからの乗客と、アンカレッジからの乗客カナダからの乗り継ぎ客を含む)を乗せて予定より30遅らせてアンカレッジ国際空港出発した追ってロサンゼルスソウル行きのKAL015便(ボーイング747-200)も出発した22:00 - KAL007便が離陸22:02 - ウェイポイントベセル」へ向かうため方位角245度へ機首を向ける。以降機首245度のまま(※方位角90・180・270360(=0)度は順に東・南・西・北)。 22:27 - カイルン山電波局付近通過しレーダー圏外へ入る [この時、既に予定航路 (J501) を北へ11キロメートル逸脱していたことが後に判明した管制官からの警告無かった]。 22:49 - アンカレッジ管制官に「ベセル通過報告実際ベセルより22キロメートル北の位置であったアメリカ空軍レーダーサイトキングサーモン」の圏内であったが、これは管制持っていなかった事もあり、KAL007便への警告はしなかった。この後、最も北寄りでソビエト社会主義共和国連邦領に近い北太平洋航空路であるR20(ロメオ20)に向かうはずだった。 9月1日 00:51 - ソ連防空レーダーが、カムチャツカ半島北東飛行する航跡をとらえる。ソ連側アメリカ軍機と判断した01:30 - 007便、ソ連領空侵犯ソ連軍機は迎撃試みるも接触できずに帰投02:28 - 007便、カムチャツカ半島通過ソ連レーダーから消えた02:36 - 007便、樺太接近しソ連軍警戒態勢に入る。 02:54 - この時点から007便のボイスレコーダー録音が残る。操縦士らは雑談興じていた。 03:05 - 007便、後続便(同航路を2分遅れで飛行するKAL015便)と通信しお互い風向風速がまったく異なっていることに気付く。しかし、操縦士らはフライトプラン見て誤差範囲内だと判断しロメオ20航路逸脱には気付かなかった。 03:08 - ソ連軍機(Su-15TM迎撃戦闘機)が007便を視認。暗いため機種判別はできていない航法灯衝突防止灯点灯していることを報告03:20 - 新東京国際空港現・成国際空港)内にあった東京航空交通管制部東京国対空通信局が、007便に35000フィートへの高度変更許可(燃料節約のための高度上昇)。 03:21 - ソ連軍機(MiG-23P迎撃戦闘機)、警告射撃。しかし、曳光弾搭載されておらず、徹甲弾光跡伴わず弾丸航跡見えない)のみ発射007便も気付かず03:23 - 007便、高度上昇し35000フィート到達。これに伴う速度低下で、ソ連軍機は007便の真横まで追いついてしまうが、当時技術では旅客機軍用機接近感知するのは困難で、“Traffic!(他機接近!)” の警告音は鳴らず、007便は気づくことができなかった。 03:23 - 攻撃命令発令03:25 - ゲンナジー・オシポーヴィチ (Геннадий Осипович, Gennady Osipovich) 中佐操縦するSu-15TMミサイル発射通常の手順従い赤外線誘導式とレーダー誘導式の計2発。30秒後 (03:26:02)、007便の尾翼後方50メートル赤外線誘導式が爆発した結果方向舵制御ケーブル周辺4つ油圧系統のうち第1から第3系統損傷ICAO最終報告書による推測)し、機体に約1.75平方フィートの穴が開いて急減圧が発生機体一時上昇して38250フィートまで到達したが、手動自動かは不明だ自動操縦解除され (03:26:46)、エンジン出力下げて、ギアダウン(車輪降ろし)をすると、降下し始めた操縦は困難となる(なお、第4油圧系統と、両主翼及び4つエンジン無事だった)。ボイスレコーダーの記録によると、着弾するかなり前から、ほとんどの乗客起きていて、機内食とっていたようである。 それとともに機内大きな衝撃轟音鳴り響いたICAO推定では、乗客墜落まで全員意識保ったまま生存していたとされており、その恐怖苦痛は大変大きいと思われる機長減圧知覚して酸素マスク装着する03:26 - 機長東京コントロール管制官に「急減圧の発生」と「高度1万フィート降下する」旨交信したものの、雑音により途中で交信途絶した。これ以降、セルコールによる呼び出し含めてコールする応答せず、機長らはなおも操縦試みた思われるが、音声記録されていない03:27:20、35000フィート戻った時点では飛行となっていた)。客席からの悲鳴2度わたって記録される一方ボイスレコーダー音質次第悪化していった。 03:27 - 着弾から1分44秒後 (03:27:46)、ブラックボックス記録途絶えた着弾衝撃外気侵入による断線のためと思われる)。ボイスレコーダー最後音声は、緊急降下知らせ自動アナウンスだった。その後007便は操縦不能に陥り、左へ旋回し上昇下降しながら落下し続ける。 03:38 - ソ連及び北海道稚内市航空自衛隊稚内分屯基地レーダーサイト北部航空警戒管制団18警戒群)から007便の機影消えたソ連レーダー記録公開され機体残骸遺体の状況などから、007便は機首下げたまま激突もしくは空中分解し墜落した推測されている(乗員乗客は、鈍的外傷のため全員即死した推定される)。近く操業していた日本イカ釣り漁船第五十八千鳥丸」の乗組員は、海馬島モネロン島)の北18.5海里沖で飛行機爆音海上での爆発目撃し航空機燃料用いられるケロシン匂いがしたと証言した

※この「撃墜までの経過」の解説は、「大韓航空機撃墜事件」の解説の一部です。
「撃墜までの経過」を含む「大韓航空機撃墜事件」の記事については、「大韓航空機撃墜事件」の概要を参照ください。

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