持続可能な観光とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 持続可能な観光の意味・解説 

サステイナブルツーリズム

(持続可能な観光 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/26 03:59 UTC 版)

観光.

サステイナブルツーリズム: Sustainable tourism)とは、「持続可能な観光」という意味で、マスツーリズムの結果生じがちな、環境や文化の悪化、過度な商業化を避けつつ、観光地本来の姿を求めていこうとする考えおよびその実践。オールタナティブツーリズムの後に提唱された概念。

概要

サステイナブル・ツーリズムは海外ですでに確立されている。導入に至るには、自然保護区に指定されるような場所を保全し持続させるため、観光客・観光事業者・周辺住民がそれぞれの役割を果たすことが必須条件となる。そのためには観光客数の上限や移動手段や宿泊施設などの制約が求められ、それによって導入前より旅行費用は高くならざるを得ない。

そして、サステイナブル・ツーリズムによる収益は、人間の手によって荒らされた環境や文化の修復・回帰を図るための資金となり、周辺住民(貧困者層など)の雇用確保にも繋がる。

サステイナブルはしいて言えば、今後のあり方をスローガン的に示している。その考えはツーリズムだけでなく、エコ的な行動と言う意味で、人間の生活のあらゆる面に関係している。

一方、オールタナティブツーリズムは、それ自体で何か新しい形を示しているわけではない。マスツーリズムへのアンチテーゼとしてアイデアが示されたりするなど、具体的な(マスツーリズムに替わる)「新しさ」を表現する多様な選択肢の一つとして提唱された、エコツーリズム、エスニックツーリズムなどのスペシャル・インタレスト・ツーリズム (SIT) の集合体としてとらえることもできる。つまりオールタナティブツーリズムとは、帰納的概念といえよう。それらが結果として、マスツーリズムに変わるべきものになりうるという意味で、「結果としてのオルタナティブ」であるといえる。

サステイナブル・ツーリズムを実際に運営するのは民間の旅行会社主体で、中には環境への配慮に欠け持続可能性が伴わないツアーもあるが[1]、それを国際的に取り締まる指針がないのが実状となっている。特に世界遺産を訪ねるヘリテージツーリズムにおいては本来の目的である厳正保護の原則が冒されつつあり、ユネスコでは「世界遺産と持続可能な観光プログラム」という指標を開示し[2]、「持続可能な観光に関するアルマトイ宣言」を採択[3]。さらに世界遺産を観光資源として利用する際に「サステイナブルツーリズムの誓約」を旅行会社に求めている[4]

また、2015年9月の国連総会で採択された持続可能な開発のための2030アジェンダでの持続可能な開発目標 (SDGs) をうけ、国連世界観光機関 (UNWTO) が「観光と持続可能な開発目標」という指針をまとめている[5]

2017年(平成29年)は国連の「持続可能な観光の国際年 (International Year of Sustainable Tourism for Development)」で[6]国際生物多様性の日においてもサステイナブル・ツーリズムの普及が図られる[7]

脚注

関連項目


持続可能な観光

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 02:16 UTC 版)

石見銀山」の記事における「持続可能な観光」の解説

上記2節の取り組みを受け、遺産価値英語版)を維持するため観光客受け入れる側がNPO法人立ち上げ観光在り方模索し単なる物見遊山ではなく観光客にも一役買ってもらうような観光、すなわちサステイナブルツーリズムとして、世界遺産エリア内山林侵食し景観害する竹(竹は植林史の対象外)の伐採参加してもらうなどの試みが行われている。また、大森町界隈では史跡探訪ではなく自然観察軸足を置き、農家民宿泊まりスローフード味わい地産地消するグリーンツーリズム試行されている。 他方銀山柵内までの行程徒歩限られ清水谷から先、龍源寺間歩までは舗装されていない道もある(史跡指定景観環境への配慮往時風情醸成する)ため、障害者のためのバリアフリー化求められるが、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律でも遺跡対象外であり、アクセシビリティ実現課題となっている。

※この「持続可能な観光」の解説は、「石見銀山」の解説の一部です。
「持続可能な観光」を含む「石見銀山」の記事については、「石見銀山」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「持続可能な観光」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「持続可能な観光」の関連用語

持続可能な観光のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



持続可能な観光のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのサステイナブルツーリズム (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの石見銀山 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS