弁護人の主張による判断とは? わかりやすく解説

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弁護人の主張による判断

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/01 23:09 UTC 版)

内村健一」の記事における「弁護人の主張による判断」の解説

弁護人は、第一相研は1967年昭和42年3月以来会員相互扶助目的とする団体としての実体備えていたものであっていわゆる権利能力のない社団であり、前記各会の事業権利能力のない社団としての第一相研がこれを行なったのであるから、事業による入会金権利能力のない社団としての第一相研に帰属したものであり、従って、健一個人所得ではない旨主張する。 よって、検討するに、権利能力なき社団といいうるためには、団体としての組織備え多数決の原則が行なわれ、構成員変更かかわらず団体存続し、その組織において代表の方法総会運営財産の管理団体としての主要な点が確定していることを要する(最判昭和39年10月15日民集18巻8号1,671頁以下)ところ、前掲証拠によれば本件犯行時における第一相研の実情次のとおりであった認められる(一) 第一相研においては社員資格得喪機関構成資産管理等社団に関する重要な事項定めた定款制定されていなかった。この点について、弁護人は、1970年昭和45年12月上旬作成された「第一相互経済研究所主旨」と冒頭記載され書面同月中旬作成された「中小企業相互経済協力会入会のおすゝめ」と題する会員勧誘パンフレット、あるいは、1971年昭和46年1月上旬作成印刷された「天下一家の会」と題する冊子中「天下一家の会組織活動第一相互経済研究所主旨」と冒頭記載され書面に各記載されている主旨綱領実質的に定款といえる主張するが、主旨綱領は、1970年昭和45年12月第一相研に入所した真崎武彦において、第一相研の内部実情直接見聞するに及び、その実態は健一説明とは余りにも隔りのあるもので、各会の会員代表が第一相研の運営財産運用基本的決定等に全く関与していないばかりか、その関与機会すら与えられておらず、健一個人事業そのもので、到底社団形態持ったものとはいえず、会員専ら利殖目的のみで各会に加入しているに過ぎず会員健一説明するところの「救け合い精神」が全く普及していないことなどその実情を認識する至り将来第一相研を社団化し第一相研は合議体によって運営されるべきものである考え今後実践目標として、真崎同月天下一家の会小論」と題する書面起案したものであるが、同書面中の第一相互経済研究所主旨綱領が、健一から将来目標としての主旨綱領とする趣旨採用されその結果印刷頒布されたものに過ぎないのであり、しかも主旨綱領極めて抽象的であり、構成員資格得喪に関する明確な定め総会構成運営理事監事、その権限社団機関について定め並びに社団資産管理に関する定めがないことなど、以上主旨綱領作成経緯および立言形式徴すると、主旨綱領定款実質備えたものとは到底いえない(二) 第一相研には、社団構成員としてのいわゆる社員なるものは存在せず、従って、第一相研の意思が、多数決原理により決定されたことは一度もなく、また、業務執行機関存在していなかった。この点について、次長1970年昭和45年7月から同年11月までの間)、常務(「中小企業相互経済協力会発足以降)あるいは理事(「畜産経済研究会発足以降)の肩書付された者がいたが、これらは単なる名目的な肩書で、業務執行について何ら決定権有せず、単に被告人業務執行補助者ないし事務分担責任者に過ぎないものであった(三) 前記各会の仕組全て健一独自に考案し(もっとも「第一相互経済協力会以降の各会の仕組考案する際し一部有力会員からの要望意見参考にしているものの、入会金金額満期受領金額等の基本的要素は勿論、孫取り制度保険ないし見舞金制度の導入、各会の実施時期については、全て健一一存決定されている)、各会の初代会員トップ会員)の人選第一相研の職員の採用解雇等は全て健一一存決定されていた。 (四) 第一相研に送金されてきた入会金出納管理についても、健一自ら、あるいは親戚関係にある者を経理責任者としてその任務にあたらせたうえ、毎日健一収支結果報告させて健一管理し普通預金預金先、限度額健一決定したうえ経理担当者指示して預け入れさせ、経常支出外の払い出しについては健一事前許可を必要とし、定期預金定額郵便貯金割引債設定管理処分等について健一一存行なわれ不動産多額支出伴なう動産等の購入処分については全て最終的に健一意思によって決定しており、また、健一給与支給受けておらず、健一とその家族生計費および健一個人借金返済資金等を入会金から支出し保養所購入資金出張旅費等に多額支出残高生じた場合でも、これは経理担当者返還し清算することなく、妻に渡して自宅箪笥保管し生活費充てたり、また、健一個人知人友人入会金から金員貸付けたりなどして、第一相研の事業による収入金は健一個人財産同一視していた。 (五) 第一相研の幹部職員らの認識していた第一相研は、健一第一相研の名称で各会を主宰運営し入会金徴収する健一個人経営営利事業であり、幹部職員らは健一個人使用人に過ぎない認識していた。 (六) 各会のいわゆる会員は、利殖のため、入会金名目一定の手数料を第一相研に支払と共に後輩会員入会させることにより、爾後(じご その後)、一定額の金員確実に送金してもらえるような各会の仕組み利用する過ぎず会員第一相研の意思決定あるいは業務執行関与できる機会全くないことはもとより会員対し第一相研の収支報告事業報告等がなされたことはなく、また会員自身にも第一相研の構成員として第一相研の事業運営するというような認識はなかった。もっとも、「第一相互経済協力会」・「交通安全マイハウス友の会」・「中小企業相互経済協力会」の各会員は、入会一年間限り第一相研の保養所等の無料宿泊飲食等特典付与されるが、それは一定の期間に限って一定の施設サービス利用できるとどまりそれ以上権限あるいは第一相研の構成員たる資格付与されるものではない。 以上の事実認められ認定事実によれば第一相研は、本件犯行時において、権利能力なき社団としての実体備えていたとはいえず、健一個人事業であったことが明白である。 ところで、押収してある不動産売買契約書によればビル購入際し、同ビル買主名義が「第一相互経済研究所親しき友の会代表 内村健一」と記載されているが、前記認定事実に照らすと、このことをもって直ち第一相研が権利能力なき社団であったとか、あるいは、健一第一相研を権利能力なき社団認識し且つ入会金本部ビル保養所等を健一個人財産ではなく権利能力なき社団としての第一相研の財産であると認識していたと肯認することは到底できないそもそも被告人事業における取引について第一相研あるいは天下一家の会の名称を用いたのは、健一自身日常生活上の財産事業財産とを便宜上区別するためであった思料しりょう あれこれ考えること)され、前記ビル購入の際、買主名義前記如く第一相互経済研究所親しき友の会代表」と記載されているのも、同様の趣旨からであると認めるのが相当である。

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