増設の申し入れと福島県の不信感とは? わかりやすく解説

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増設の申し入れと福島県の不信感

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/01 23:17 UTC 版)

福島第一原子力発電所7、8号機の増設計画の経緯」の記事における「増設の申し入れと福島県の不信感」の解説

原子炉増設に際して県知事了解を得る必要があり、知事動向注目され続けた。まず、この点について説明する東京電力福島第一原子力発電所1号機の建設に伴い1969年4月に県と安全協定を締結したがこの協定1973年2月19日最初改訂が行われ、第2条において「発電所の新増設計画冷却水の取廃水計画およびそれらの計画に伴う土地の利用計画などについて、事前に県の了解を得るもの」と取決めされた。以降改訂においても県の了解を必要とする旨の規定残された。 東京電力が県に正式申し入れをする前に不可解な説明行っている旨が佐藤栄佐久から指摘されている。まず、1994年7月1日社長荒木浩訪れマスコミ居ない場での会談で「明治以来発電への貢献対する礼」と称して下記提示した浜通りにJリーグナショナルトレーニングセンター(略称NTC、後のJビレッジ)の建設 中通り振興のため郡山にJリーグサッカースタジアムを建設しチーム誘致 会津地方美術館建設 これに対して佐藤栄佐久賛意示した。しかし、翌8月22日東京電力担当者来庁した際には佐藤栄佐久会いもせず、7・8号機の増設トレーニングセンター建設だけが記者会見明らかにされた。マスメディアトレーニングセンター見返りとして報じ佐野鋭のようにNTC建設を「東電が県に送った絶妙なパス」と評する向きもあったが、7月会談では7・8号機の話は出ていなかったため、佐藤栄佐久は「東電自分欺いた」と受け取った福島県に対して1994年9月正式な申し入れをし、その当時運転開始予定7号機2004年度8号機2005年度だったが、この頃から上記共用プール設置問題など端緒として東京電力に対して佐藤栄佐久不信感持っており、県の姿勢報じられる時は常に「慎重」の言が付随した福島県佐藤栄佐久意向歩調合わせ双葉町などが進め増設誘致には冷淡だった。県が慎重姿勢取ったのは下記理由によるとされる知事である佐藤栄佐久抱いた東京電力への不信感 県は「広域的」かつ「恒久的」な地域振興方策模索しており、増設では問題解決繋がらない考えたこと。 北側相馬原町両市他2市3町1構成される相馬広域市町村協議会」が増設反対意見書採択しており、双葉町だけに目を向けている訳ではない福島県も、このような事情や相双地帯としての地域一体性佐野新聞地方版が一体であることを例示)を考慮した浪江・小高原子力発電所用地買収が舛倉隆率い反対運動停滞していた事と関係性本件1968年以来経緯があり、増設決議のように短期間浮上した案件ではなく、国から要対策重要電源指定受けていた。すぐ隣の双葉町増設計画進行すれば、東北電力と共に用地取得進めてきた県の面目が潰れる。ただし、福島県はこの見方否定している。 1988年県知事選挙でのしこり。佐藤栄佐久対抗馬であった広瀬建設省技監押していた当時自民党主流派リーダー天野光晴建設大臣で、双葉町出身でもあったため、双葉地方町村長広瀬支援した。しかし佐藤栄佐久当選したため、双葉地方との関係がしこりとして残ったとされる佐野鋭によるとこうした懸念材料に対して東京電力上記知事への交渉の他、地道に足固め行っていた。地元での勉強会への参加していた他、例え1994年3月浪江双葉青年会議所が「豊かな海、輝く海との共生」という提言書をまとめた件が挙げられている。陰で東京電力スタッフ入れ知恵をしており、青年会議所足掛かり政界に進出した佐藤栄佐久心理的に揺さぶるための策だったという。 なお、トレーニングセンター建設費は約130億円と見込まれたが、7・8号機の増設後の償却年数で割ると1kW辺り7銭となる。『日経産業新聞』の後藤康浩は、発電原価1kW辺り10円仮定しても、その1%にも満たない旨を提示しつつ、「わずかに見えるが、この数値今後原発新規立地の際に地元から電力会社施設建設要求する基準ならないとも限らない」と警鐘している。また、増設計画公表に際して政経東北』は「昭和四十六年に運開した福島第一原発1号機平成十三年ごろには更新時期迎える。(中略更新時期になったとき、原発立地県はどう対応するのか。原発先進県、日本一原発立地県である福島県で、この点にまで言及している人は誰もいない」と評している。 東京電力1995年に県に対して環境アセスメント申し入れ行い知事アセスメント実施受け入れ表明した。また東京電力から正式な地元自治体への増設申し入れ1997年1月まで延期された。なお、7・8号機の立地見返りの意味含ませ建設されJビレッジ1997年夏の完成予定していたが、これを見込んで時期決定でもあった。 しかしながら1997年3月11日には動力炉・核燃料開発事業団東海事業所再処理施設アスファルト固化処理施設火災爆発事故発生し、その収束過程情報隠し泥縄的対応が指摘されていたため、佐藤栄佐久は「動燃問題の結末見えなければ着手しない」と手続き進めることに否定的だったその後佐藤栄佐久2000年2月8日副社長種市健が設備投資圧縮により、新規電源開発計画を3~5年凍結する発表した際、(増設誘致同時期に計画進行していた既設プラントでの)「プルサーマル受け入れなければ福島県の他の発電所建設もやめるよ」という脅し解釈し7・8号機の増設については「私は認めるつもりはなかった」と回顧している。 もっとも、共産党1999年4月県議会初めて5議席獲得し議会内交渉会派となった際、『政経東北』は「口では慎重論唱えながら、Jビレッジほか百六十億円にも上る高額寄付東京電力から受けている。「これはこれ、それはそれ」といった言い訳世間通用する話ではない。」「環境アセスメント報告書受理など、「外堀から埋めてください」と言わんばかり」と共産党議会狙い撃ちにしてくる可能性前提としつつ、佐藤栄佐久批判している。

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