レンズ付きフィルム
(使い切りカメラ から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/10 20:27 UTC 版)
レンズ付きフィルム(レンズつきフィルム)とは、フィルムを工場で最初から内蔵した状態で販売され、撮影後は筐体ごと現像工場もしくはラボ店で回収されることを前提とした構造の、軽便なカメラである。1980年代に出現し、一時は広く普及した。一般的に使い捨てカメラと呼ばれることもあるが、メーカーなどの写真業界ではそのような呼称はしていない(後述「レンズ付きフィルムの出現」を参照)。
注釈
- ^ 感覚的にはオリンパス・ペンなどに似ているが、ペンの巻き上げホイールはスプロケットギヤを駆動しているのに対し、「写ルンです」などの構造は単に巻き取り軸を回しているだけで別物である(カチカチと鳴るのは逆転防止ラッチ)。機構的にはペンよりリコーオートハーフに近い。
- ^ ただし、コダックEasy35 など宣伝広告上で「使いすて」の文言を使用した製品も存在する。
- ^ 2006年にコニカミノルタが写真事業から撤退したことからDNPフォトマーケティング→DNPフォトルシオに事業継承され、海外メーカーのOEMによる「Torikkiri」シリーズとして引き継がれた。
- ^ 本物のパノラマではなく、25mm程度の広角レンズと、フィルムのコマの上下をカバーで覆って撮り、割増料金なしで幅広プリントのサービスが得られる、というもの。これは富士ではなくコダックがレンズ付きフィルムで先行し、コンパクトカメラにも広がるブームとなった。
- ^ ライカ判で焦点距離16mmという、超広角レンズが手軽に買えるとしてマニアの間では密かな人気機種であったが、メーカーはあえてそういう方向性の宣伝は避けていた。
- ^ 特に記念写真などで大人数を写す場合、全員をフレームに収めようとするとどうしても撮影者は後ろへ下がる必要があり、フラッシュ光が届かなくなりやすい。
- ^ 近年の製品では、夜景撮影時には絞りを開くといった機構を組み込むなどの露光不足対策が進み、露光不足を起こしにくくなった。
- ^ 後述のように通常の市販製品の乾電池のそれよりは少容量なのだが、それでも十分な余裕がある。マンガン電池としないのは容量だけでなく特性の問題がある。
- ^ 近年、一部のコンビニエンスストアでは、デジタルカメラ用のメディアや充電池代替となる乾電池を販売している店もあるが、多種多様なメディア種別・電池種別に対応できているわけではない。スーパーマーケットやホームセンターでも同様である。
- ^ 2009年、シスコシステムズに買収された。
- ^ のちに発展し、Flip Videoとして展開された。シスコ買収後の2011年に事業閉鎖され、展開終了。
出典
- ^ a b c “未来技術遺産登録記念「レンズ付フィルム展」”. 日本カメラ博物館. 日本カメラ財団. 2020年7月25日閲覧。
- ^ “The First Disposable Camera”. 2016年6月22日閲覧。
- ^ a b c 月刊「家電批評」2017年4月号53ページ
- ^ みんなが海外旅行に持っていくカメラ! - モベルコミュニケーションズリミテッド 日本支店(2011年9月15日)
- ^ 旅行に持って行きたい使い捨てカメラ4選 - TABIPPO.NET(2017年9月24日)
- ^ カメラを持って海外旅行へ!持ち運びの注意点と目的別おすすめカメラ7選 - ガイドブックのような旅行お役立ちサイト IMATABI(株式会社VOYAGE MARKETING)
- ^ 健在「写ルンです」30歳…若者のおしゃれアイテム? - 読売新聞(2016年4月4日)
- ^ 石川直樹「いつでもどこでも写ルンです」展、“写ルンです”だから撮れた旅の記録 - IMA(2017年8月9日)
- ^ 第二回 レンズ付きフィルム - 石川直樹【ぼくの道具】
- ^ FUJIFILM SQUARE 開館10周年記念写真展 石川直樹 写真展「いつでもどこでも写ルンです」(2017年8月11日から24日に開催)
- ^ 八木山で 写真を撮ろう 現像しよう 八木山放送局Net(東北記録映画社) 2011年08月10日
- ^ ““レンズ付きフラッシュメモリ”──三洋,旭光学らが使い切りデジカメをテスト販売”. ITmedia (2001年10月9日). 2020年7月25日閲覧。
- ^ 「3社共同でリユースデジカメ事業を試行」『日経デザイン』第173号、日経BP、2001年11月、29頁、ISSN 0913-3429。
- ^ a b Miyake, Kuriko (2001年10月11日). “Digital cameras go disposable” (英語). CNN.com. ワーナーメディア. 2020年7月30日閲覧。
- ^ “使い切り型デジタルカメラ「撮ってもEG」でデータ保存が可能に”. PC Watch. インプレス (2001年12月12日). 2020年7月25日閲覧。
- ^ “AV・デジタル家電:『撮ってもEG(イージー)』(旭光学工業株式会社・アルテック株式会社・三洋電機株式会社)”. CNET Japan. NTTPCコミュニケーションズ. 2002年4月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月30日閲覧。
- ^ a b c “Single-use digital cameras” (英語). The Denver Post. (2007年9月13日) 2020年7月26日閲覧。
- ^ “Disposable digital” (英語). The Baltimore Sun. (2003年8月7日) 2020年7月26日閲覧。
- ^ Berger, Ivan (2003年7月31日). “NEWS WATCH: PHOTOGRAPHY; Take Vacation Snapshots With Plenty of Do-Overs” (英語). ニューヨーク・タイムズ. 2020年7月30日閲覧。
- ^ a b 塩田紳二 (2004年10月15日). “【レポート】世界初の液晶付き使い切りデジカメ試用レポート”. デジカメ Watch. インプレス. 2020年7月25日閲覧。
- ^ Graham, Jefferson (2004年8月19日). “A disposable digital camera enters the market at $19.99” (英語). USA Today 2020年7月26日閲覧。
- ^ ““使い切り”デジタルビデオカメラが登場”. ITmedia (2005年6月7日). 2020年7月25日閲覧。
- ^ “「使い切りデジカメ」先行販売 プラザクリエイト”. ITmedia (2008年8月13日). 2020年7月25日閲覧。
- ^ “「使い切りデジカメ」、初日でほぼ完売-次回は全国展開視野に”. 市ケ谷経済新聞. コムブリッジ (2008年9月3日). 2020年7月25日閲覧。
- ^ Oliver, Dave (2012年11月16日). “VistaQuest VQ10 disposable digital camera review” (英語). WIRED UK. Condé Nast Britain. 2020年7月30日閲覧。
- 使い切りカメラのページへのリンク