ひきゅうめん‐レンズ〔ヒキウメン‐〕【非球面レンズ】
非球面レンズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/05 01:32 UTC 版)
非球面レンズ(ひきゅうめんレンズ、Aspheric lens )は、平面でも球面でもない曲面を屈折面に含むレンズである[1]。円筒面、トーリック面、対称非球面、非対称非球面等が使用される[1]。
- ^ a b c d 『新・ニコンの世界第9版』p.261。
- ^ a b c d e 『カメラ・レンズ白書1980年版1交換レンズ読本』p.140-142。
- ^ a b 『クラシックカメラ専科No.23、名レンズを探せ!トプコン35mmレンズシャッター一眼レフの系譜』p.12。
- ^ 吉田正太郎『レンズとプリズム』(第1版)地人書館、東京都新宿区中町15番地、1985年6月10日。
- ^ a b 『クラシックカメラ専科No.50、ライカブック'99ライカのメカニズム』p.132-133。
- ^ a b 永田信一『図解 レンズが分かる本』(初版)日本実業出版社、東京都文京区本郷3-2-12、2002年11月20日、pp. 64-65頁。ISBN 978-4-534-03491-5。
- 1 非球面レンズとは
- 2 非球面レンズの概要
- 3 参考文献
非球面レンズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/29 01:47 UTC 版)
通常のレンズではレンズ表面の曲率が一定な球面レンズを使用するが、球面レンズには平行光線を完全な形で一点に収束させられないという欠点がある。この欠点を解消するため曲率を連続的に変化させてレンズ形状を非球面状態にしたレンズが非球面レンズで、これを用いることで大口径レンズの球面収差補正、広角レンズの歪曲収差補正、ズームレンズの小型化が可能になる。 詳細は「非球面レンズ」を参照
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非球面レンズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 21:48 UTC 版)
非球面レンズは片面または両面を平面でも球面でもない曲面としたレンズである。そのため断面を見ると外周と内周とでカーブの曲率がなだらかに変化している。 球面でなくする意図には次のようなものがある。 レンズを薄くする。 度数誤差の低減。すなわち、球面レンズではレンズの周辺部で度数が強くなっていたのを、周辺部まで一定の度数にする。 非点収差の低減。球面レンズではレンズの周辺部で物がぼやけて見えていたのを、はっきりさせる。 歪曲収差の低減。レンズ周辺部で物が歪んで見えるのを緩和する。 第三者から見てメガネのレンズによる装用者の顔の輪郭の途切れを最小限にする。 遠視用レンズは球面設計では十分な光学性能の実現が難しく、大きな光学的歪みを生じるが、非球面設計によって改善される。昭和7年の書籍にも非球面レンズへの言及があるが、当時の非球面レンズはもっぱら高度遠視に用いるものとされていた。今日では近視用の非球面レンズも販売されているが、近視用レンズでは球面設計でもそこそこ良好な光学性能が達成可能なので、非球面設計にする目的は1の薄型化が主である。非球面形状を採用することにより、球面レンズと比較して緩い外面カーブでも必要な光学性能を満たすことができ、薄く仕上げることができる。4の点は、近視用では球面でも非球面でもほとんど差がない。眼鏡店では近視の客にも非球面レンズのほうが歪みが少ないと言って勧めることがあるが、その際の歪みとは、2や3にある度数誤差や非点収差といった光学上の歪みを指す。 また、4と5は相反する性能であり、歪曲の補正を重視して設計すると輪郭の途切れが大きくなり、輪郭の途切れを少なくしようとすると歪曲は大きくなる。どちらを重視して補正し他方を犠牲にするかを選べるレンズ銘柄もある。 歪曲収差は慣れの要素も大きい。光学技術者は、光学機器の設計に当たって複数の硝材を使い分けて収差を補正した経験から、人間の眼球においても同様の補正が行われていると思いがちだが、実際にはなんら補正されていないというのが結論である。網膜に映っている像は裸眼でももともと歪曲しており、外界の直線は網膜には直線として映っていない。それが本人に直線に見えるのは、歪曲込みの像を中枢レベルで直線として学習した結果である。歪曲収差のある眼鏡をかけると当初は見え方の歪みを感じるが、3日もすれば順応しまい、むしろその眼鏡を外して裸眼になったときに裸眼での見え方が歪んでいるように感じるものである。 度数誤差が小さく周辺部まで度数が一定であることも、近視用レンズではクレームに繋がることがある。近視は弱めに矯正されることが多いので、球面レンズでレンズ周辺部の度が中心部より強いことで結果的によく見える度になることがある。そのような状態に慣れた人が同度数の非球面レンズに変更すると、球面レンズより周辺部の見え方が悪いと感じることがある。 さらに細かく分類すればレンズの外面のみを非球面にした外面非球面と、内面を非球面にした内面非球面、両面を非球面にした両面非球面とがある。それぞれの性能は、理論的にはどれでも大差ないが、現実には製造工程の都合で外面非球面の性能が劣る。 外面非球面は、ある度数範囲を同じ非球面形状で兼用し、内面を目的の度数に合わせて球面研磨することでそれぞれの度数のレンズとして仕上げられる。用意すべき非球面形状が少なくて済むので安価に量産できる。使用する人の度数がたまたま兼用する度数範囲の中央に当たればよいが、範囲の境界に当たれば性能が劣るかもしれない。それに対して内面および両面非球は度数一段階ごとに別の非球面形状を用意するので、どの度数でも理想的な非球面形状が使用される。その代わり生産コストが嵩む。
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