研削非球面
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 10:00 UTC 版)
非球面を用いれば複数枚のレンズを組み合わせたのと同等以上の大きな補正効果が得られることは17世紀にはデカルト、コンスタンティン・ホイヘンス[要出典]らの研究によって明らかとなっていたものの、理論的に求められた曲線を正確に再現するための技術的・機械的な限界から大量生産は長らくなされなかった。1台ずつ生産される天体望遠鏡の分野では、非球面の補正板を採用し1931年に発明されたシュミット式望遠鏡など戦前からの実用化例があるが、設計者のベルンハルト・シュミットは非球面の研磨方法を生涯公表しなかったという。 20世紀後半になって加工技術が発展したことによりレンズ面の非球面加工が可能になり、一般的なガラス素材による非球面レンズが生産可能となった。一般撮影用レンズの初の非球面レンズ採用はエルンスト・ライツ(現ライカ)のウォルター・マンドラー設計で1966年フォトキナで発表され発売されたノクチルックス50ミリF1.2とされる。国産では1971年のキヤノンFD55ミリF1.2ALが初で1977年のノクトニッコール58ミリF1.2が続く。当初は研削加工により製造されていて、この方法で製造されたものを研削式非球面レンズという。当初はレンズ研磨職人の手作業、後には機械旋盤でも加工されるようになったものの、大量生産に向かず非常に高価なものであった。
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