球面収差とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 自然科学 > 光学 > 収差 > 球面収差の意味・解説 

きゅうめん‐しゅうさ〔キウメンシウサ〕【球面収差】

読み方:きゅうめんしゅうさ

光が球面鏡レンズなどの光学系を通るとき、球面中心付近を通る光と周縁部を通る光とが光軸上の一点集まらないために、像が不鮮明になる現象開口収差

球面収差の画像

球面収差 spherical aberration

レンズへの電子線入射角違いから生じ収差光軸上の一点から出た電子線レンズ入射するとき、理想的に光軸上の一点に集まるが、実際に大きな角度入射したもの光軸付近のものに比べてより大きく屈折されるため、一点に集まらず拡がりを持つ。この拡がり半径 rは、r=Csα3表され入射角3乗比例する量である。比例係数は球面収差係数spherical aberration coefficient)と呼ばれる。球面収差を小さくするために小さな絞り入れてレンズ中心部だけ使うと、回折収差のために点電子源の像はある大きさを持つことになり、これがSEM分解能決めることになる。
球面収差

関連する用語

球面収差

【英】:spherical aberration

物面の光軸上の点から光軸と傾いて出射した電子線レンズを通ると、理想像面で光軸上に来ず、像面でない位置光軸と交わる(電子顕微鏡場合は少し手前レンズ側))ために、円状のぼけた像を理想像面上作る収差ボケの量は物体面上Csα3与えられる。ここでCs係数、αは物体から出射す電子線光軸となす角。対物レンズ収差のうちで最も重要な収差軸対称レンズではCsは常に正の値をとる。現在、の補正可能になっており、6子と転送レンズ使った収差補正器が主流になっている

関連する用語

説明に「球面収差」が含まれている用語


球面収差

読み方きゅうめんしゅうさ

レンズ球面、つまり曲面成り立っていることによって、レンズ中心から入った光と、レンズ周辺から入った光のピント位置ズレてしまうことによって起き現象のこと。具体的に焦点移動、つまり焦点を結ぶ位置変わってしまうことや、強い光のまわりに光のにじみ(ハロ)を生じるような現象を球面収差という。絞り込むことによってレンズ周辺から入射する光をカットできるので球面収差を取り除くことができる。また、レンズを完全な球面ではなく凹凸のある非球面レンズ仕上げることによっても、この球面収差を補正することが可能である。レンズ球面であることによって起き収差には、狭義の球面収差のほかに、非点収差コマ収差像面湾曲歪曲収差があり、この合計5つ発見者の名前から ザイデルの5収差 と呼ぶこともある。

球面収差

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/28 00:37 UTC 版)

球面収差 (きゅうめんしゅうさ、: spherical aberration) は、球面を含む光学系において、点光源からの光線が焦点に収束せずばらつく収差をいう[1][2][3]


  1. ^ a b c d e f g h 『天文アマチュアのための望遠鏡光学・屈折編』pp.161-202「対物レンズ」。
  2. ^ a b c d e 『天文アマチュアのための望遠鏡光学・反射編』pp.91-110「収差とその対策」。
  3. ^ a b 『ニコンの世界第6版』pp.250-255「ニッコールレンズ用語辞典」。
  4. ^ Gigazine(2019年7月8日)「2000年以上にわたって科学者を悩ませた「レンズの収差問題」がついに解決される
  5. ^ González-Acuña, Rafael G.; Chaparro-Romo, Héctor A.. “General formula for bi-aspheric singlet lens design free of spherical aberration”. Applied Optics 57 (31): 9341-9345. doi:10.1364/AO.57.009341. https://www.osapublishing.org/ao/abstract.cfm?uri=ao-57-31-9341. 
  6. ^ González-Acuña, Rafael G.; Julio C., Gutiérrez-Vega. “Generalization of the axicon shape: the gaxicon”. Journal of the Optical Society of America A 35 (11): 1915-1918. doi:10.1364/JOSAA.35.001915. https://www.osapublishing.org/josaa/abstract.cfm?uri=josaa-35-11-1915. 
  7. ^ González-Acuña, Rafael G.; Avendaño-Alejo, Maximino; Julio C., Gutiérrez-Vega. “Singlet lens for generating aberration-free patterns on deformed surfaces”. Journal of the Optical Society of America A 36 (5): 925-929. doi:10.1364/JOSAA.36.000925. https://www.osapublishing.org/josaa/abstract.cfm?uri=josaa-36-5-925. 


「球面収差」の続きの解説一覧

球面収差

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/09/05 14:36 UTC 版)

ザイデル収差」の記事における「球面収差」の解説

光学系において点を光源とする光線光学系通った後、焦点1点収束せず前後ばらつく収差詳細は「球面収差」を参照

※この「球面収差」の解説は、「ザイデル収差」の解説の一部です。
「球面収差」を含む「ザイデル収差」の記事については、「ザイデル収差」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「球面収差」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「球面収差」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



球面収差と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「球面収差」の関連用語

球面収差のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



球面収差のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
JEOLJEOL
Copyright © 1996-2024 JEOL Ltd., All Rights Reserved.
日本電子株式会社日本電子株式会社
Copyright(C)1996-2024 JEOL Ltd., All Rights Reserved.
カメラマンWebカメラマンWeb
© 2005-2024 モーターマガジン社 All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの球面収差 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのザイデル収差 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2024 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2024 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS