超高圧電子顕微鏡
【英】:ultra-high voltage electron microscope
1000kV以上の高加速電圧の電子顕微鏡。1000kVの電子は波長が0.00087nmにまで短くなる。波長が短いことを利用した高分解能化が図られ0.1nm程度の分解能が得られている。その結果、炭素などの軽元素が明瞭に見られている。ただ、最近の高分解能化は球面収差補正装置を搭載した300kV電顕によって行われている。の特徴は、試料に対する透過能が高いので厚い試料の観察ができること、電子線照射による損傷の研究ができること、試料室が大きいので試料環境を制御する研究が容易であることなどである。
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超高圧電子顕微鏡
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/30 07:23 UTC 版)
「透過型電子顕微鏡」の記事における「超高圧電子顕微鏡」の解説
通常の透過型電子顕微鏡は加速電圧が100kV程度であるために、標本は充分に薄くなければならない。このため立体的な観察には向かないとされている。この欠点を克服するためには加速電圧を上げる必要がある。このような仕様を持った電子顕微鏡が超高圧電子顕微鏡である。 超高圧電子顕微鏡は加速電圧が1000kV以上の電子顕微鏡であり、電子線の透過能の向上によって従来の透過型電子顕微鏡と比べて10倍程度の厚さ(約5μm)の切片を観察することができる。これによって容易に立体的な観察を行うことができる。高い加速電圧を得るために装置は巨大化し(高さ8m、重さ17t)、通常の研究室に設置することはできない。このため超高圧電子顕微鏡は日本全国に16台しか存在しない(2003年現在)。 大阪大学 超高圧電子顕微鏡センター 九州大学 超高圧電子顕微鏡室
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