作品の周辺
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/15 00:29 UTC 版)
森鷗外らが訳詩集『於母影』(1889年)を出すにあたって、396番歌を題名の典拠としたことはよく知られる。また、594番歌を本歌取りしたものに、 庭に生ふる ゆふかげ草の した露や 暮を待つ間の 涙なるらむ(藤原道経、新古今和歌集巻第十三、恋三、1190) 608番歌を本歌取りしたものに、 行く水に 数書くよりも はかなきは 思はぬ人を 思ふなりけり (よみ人知らず、古今和歌集恋一、522) がある。
※この「作品の周辺」の解説は、「笠郎女」の解説の一部です。
「作品の周辺」を含む「笠郎女」の記事については、「笠郎女」の概要を参照ください。
作品の周辺
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 16:09 UTC 版)
『空手バカ一代』というタイトルを見せられた際、大山倍達は「確かに私は『空手バカ』だが、こうもはっきり『バカ』と書かれては弟子たちに示しがつかんなあ…」と漏らし、その正直な物言いに梶原や編集者は思わず苦笑し、『バカ』に込められた思いを説明して大山も了承したという。 つのだじろうは本作の作画を担当していたが、原作者の梶原一騎とその実弟・真樹日佐夫と不仲になった。その原因に、『週刊少年チャンピオン』誌上で『ゴッドハンド』という大山倍達の伝記漫画(原作は大山自身が手がけた)を発表したことなどが挙げられている。梶原は街中で会ったつのだにこの連載について詰問し、つのだは「独自に取材している」と言いかけたが、梶原は「大山館長があのタイトルでやれって本当に言ったのか? クリスチャンのアメリカ人が人間を『ゴッド』なんて呼ぶわけがないだろう! 常識で考えりゃ分かるだろ! あれは『ミラクルハンド』と呼ばれていたのを俺が『ゴッドハンド』に変えたんだよ! お前は俺の創作を盗んだんだ!!」と糾弾した。この件では当時の少年チャンピオン編集長である壁村耐三も梶原に定宿の「山の上ホテル」に呼び出されて詰問された。その後も梶原サイドからつのだへの嫌がらせは止まず、つのだはその鬱憤を自作『魔子』の中で「カラワジ・イキツ・キマト・ワヒオサ・ハノクキョウ・ミツオ・レシモオイ…呪われよ!」とアナグラムに託してぶちまけたもののあっさり看破されてしまい、梶原兄弟によって監禁された挙句、各方面への詫び状を書かされる結果となってしまった(以上の顛末は、斎藤貴男『夕やけを見ていた男 - 評伝・梶原一騎 - 』による)。それより以前にもつのだは、『恐怖新聞』に「梶川市之進」という乱暴者の侍を登場させ、梶川を見た町民に「かかわりあいになるな! うかつにさわると首がとぶぞ!!」と逃げまわらせていた。かつて発表していた自身の公式サイト「百太郎神社」で『空手バカ一代』の降板理由について触れ、「いつまで経っても原作の原稿が届かない、こんな状況で仕事ができるわけないだろう!」と往年の不満をぶちまけていたこともある。入稿一週間前には必ずシナリオを届けるよう念押ししていたにも関わらず、済崩し的にズルズル引き伸ばされ、酷いときは入稿前日にようやく原作が届くこともあったという。そのため、執筆を手伝うアシスタントにも大変な重労働を強いることになり、多くのスタッフがつのだの下から逃げ出したとのことである(なお、つのだの公式サイトは既に閉鎖されている)。後に大山は斎藤の取材で、「つのださんにも悪い事をしたね」と漏らしている。 連載直前の1970年ごろ、つのだは藤子不二雄Ⓐを誘って極真会館で空手修行をしていたことがある。しかし藤子は(半年ほどで辞めたので名誉資格と思われるが)初段を取ることができたが、つのだは段位を取れなかった(一回名誉初段の免状を大山が授けようとしたが辞退した)。大山倍達はつのだの稽古について「漫画家というのは、あの程度の体力でつとまるものなのかねえ」と苦笑していたという。 本作が開始される直前まで、同じく梶原作・つのだ画による空手漫画『虹をよぶ拳』が『冒険王』で連載されていた。梶原がつのだを起用したのは、当時スランプに陥っていたつのだに光を当ててやりたいという思いがあったためだという。 本項冒頭の真樹日佐夫の証言にあるように、内容のほとんどが創作とされる本作だが、2000年代に入って『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』を執筆した増田俊也の取材、若い頃の大山倍達を知る複数の関係者の証言により、フィクション性が強いと思われた箇所にも一定の根拠があった様子が伺える。代表的な例として、「力道山対木村政彦」戦の試合直後、大山が激怒してリングに上がって力道山に勝負を挑もうとする、その後力道山に勝負を挑むために付け狙う」などのシーン。このシーンについて、増田は同書で取材の結果として肯定的に語っているが、日本プロレスの関係者で大山とも面識のあった遠藤幸吉は、大山がその場にいた事自体をほぼ否定している。なお前述のように作中でも小島貞二の証言が引用されている。 真樹は晩年の取材で、「編集者も色々煽っただろうし、梶原の作ったフィクションも多いが、全部が全部そうじゃない」と幾つかの事例を挙げ、「活字と違ってあれは漫画だから絵にならなきゃ仕方がない。フィクションといっても花も実もあるフィクションだ(笑)」としている)。 作中での大山倍達の異種格闘技戦については否定している遠藤幸吉だが、それ以外の内容については肯定している部分もあり、対日感情が最悪の中、試合場では遠藤と倍達の二人に「キル・ザ・ジャップ!」などのブーイングが浴びせられた事については「そりゃ事実だよ。そんなの日本以上ですよ」と語っている(もっとも、実際は悪役であるグレート東郷の仲間という意味で二人も憎まれたというのが真相だという)。また、アメリカで実際に大山倍達と行動を共にしていたのは5か月半ほどの短期間であり、遠藤が離れたのはあくまで東郷という人物が徹底的に嫌になっただけで、「大山クンは何ら悪いんじゃないのよ」とフォローしている。 アメリカでの大山のデモンストレーションについては、アメリカには瓦はないため、試し割りは板しかなく、それ以外は作中でも描写されている、「リングの上でハンマーで手を叩かせる」というものもあったという。作中や大山のいくつかの著書でも「これはマットの弾力を利用したトリック(叩いた衝撃でマットが大きく揺れるため、見た目は迫力があるが、実際はその弾力が手への衝撃を吸収して手を守ってくれる)」である事を明かしているが、遠藤は「いざ観客が叩くとしても思い切り叩ける人はいるわけがない」と語っている。また、板割りの場合も当初は、大山は四、五枚はいつでも割れると言いながら、日本の板のように正目が通っているものは割れるが「向こうのわけの分からない板」は、割れるもんじゃなく、当初は一枚も割れなかった事もあったが、大山もコツをつかむと、割りやすい板が売っている地域が分かってきて、その地域でまとめて買っていく、という事が多くなったと明かしており、「同じ立場なら東郷も私もそうする」と語った。それらのデモンストレーションに立ち会ったうえで、「相当威力があると思った」「空手全般ではなく、『大山クンの空手』というものに対しては、相当強い者だと感じた」という感想を述べている。 芦原英幸は連載当時自分のエピソードが掲載された時に周囲の人間に真偽を聞かれ、「あれは同姓同名の別人」「漫画の人物は『あしわら英幸』、わしは『あしはら英幸』」などと語る事があった。芦原が自著の中で語ったところによると、自身が山に入って稽古していた話が脚色されて、本作での「道場破りの果ての山狩りの話」になったという。また、暴力事件を起こして極真会館を破門になったエピソードについても、同様の話を述べている。これは芦原によれば、大山倍達は自身を(漫画の通り)破門にするつもりだったらしいが、黒崎健時が「破門は可哀相だ」と大山を説得してくれたおかげで「無期禁足」に留まったのだという。その後詫びのつもりで黒崎の眼前で指を詰めようとして止められて激怒され、廃品回収業に身を落とすのも漫画と同じである(大山との確執が伝えられる芦原だが、この件については「こんな人間をブラジルに送ろうとしていたのかと、(大山)館長も大きなショックを受けられたようだ」とその心情を慮る記述をしており、破門するつもりだったのも「当然」と認めている)。また、作品終盤の「ジプシー空手家」との対戦のエピソードも、元になるエピソードがあったと書いている。また小島一志は、『芦原英幸正伝』にて、芦原が登場人物の「雲井大悟」とのエピソードで、雲井が登場した際、モデルになった棟田利幸とは似ても似つかぬ「単なるうどの大木で、わしにあっさりやられる役回り」である事に腰を抜かし、棟田のもとに謝罪に行って土下座しようとしたのを棟田に止められた、と芦原が語ったとしている(なお作中で、芦原は雲井大悟に相当の苦戦を強いられている)。これについては松宮康生が実際に棟田に本当に芦原が土下座しようとしたのか尋ねたところ、逆に「そんな事があったの?」と苦笑している。他に芦原自身が、多少の脚色はあるものの概ね事実である事を述べているエピソードとしては、「二宮」との『塩めし涙めし』(芦原の自著によれば実際には数人の初期道場生達との話)、道場生たちをしごき過ぎた事で全員辞めてしまった話などが挙げられる」。また、自身の妻とのなれそめで、逃げる妻を説き伏せるために手裏剣を投げて引き止めたシーンについて「わし、手裏剣はやるけどね、人には投げないよ」と語っている。
※この「作品の周辺」の解説は、「空手バカ一代」の解説の一部です。
「作品の周辺」を含む「空手バカ一代」の記事については、「空手バカ一代」の概要を参照ください。
- 作品の周辺のページへのリンク