ロボット
『鉄腕アトム』(手塚治虫) 2003年、科学省長官天馬博士は、交通事故死した1人息子飛雄そっくりのロボットを造る。しかし人間と異なり、身体が成長しないので、博士は怒ってロボットを売り飛ばす。後、アトムと名づけられサーカスのショーで働くロボットを、お茶の水博士が見出して引き取る。6年後、親がいないことを悲しむアトムのために、父ロボット・母ロボットが造られる。さらに弟コバルト・妹ウランも造られる。
『ドラえもん』(藤子・F・不二雄) 1970年頃の日本。小学4年生の野比のび太の不幸な将来を改善するために、ネコ型ロボットのドラえもんが、22世紀からやって来る。ドラえもんはのび太の家に住み込み、タケコプター・タイムマシン・どこでもドア・スモールライトなど様々なものを使って、のび太を助ける。
『鉄人28号』(横山光輝) 太平洋戦争中、軍の命令により敷島博士らが、乗鞍岳の秘密研究所でロボットを作る。何度もの失敗を経て、ようやく強大な鉄人28号が建造されるが、戦況の悪化で、未完成のまま放置された。10余年後、密輸組織PX団が研究所施設に侵入して、鉄人28号を起動させる。鉄人28号は最初は悪人たちに操縦されるが、後には少年探偵金田正太郎が操縦器を手にし、鉄人28号は正義のロボットとなる。
『ロボット三等兵』(前谷惟光) 昭和10年代。禿頭白鬚のトッピ博士が、苦心してロボット第1号を造った。博士はロボットに何をさせようか考えた末、日本陸軍の「兵隊大募集」のポスターを見て、ロボットに徴兵検査を受けさせる。ロボットは、最下級の位階である二等兵(星1つの階級章)よりさらに下の三等兵(星なしの階級章)に任ぜられて、中国戦線へ、次いで南方戦線へ送られる。
『メトロポリス』(手塚治虫) 死の商人レッド公一味に造られたロボットたちが反乱を起こし、人間の住むメトロポリスに攻め寄せる。人間そっくりの姿をしたミッチイも、「自分は人間に利用されるために造られた人造人間にすぎない」と知って怒り、空を飛んで街を破壊する。しかしロボットたちは人間に制圧され、ミッチイは太陽黒点の変動によって生命力を失い、死ぬ。
『メトロポリス』(ラング) 美女マリアそっくりのロボットを、科学者が造る。ロボットは地下居住区の労働者たちを煽動し、地上のメトロポリスに暮らす富裕層への暴動を起こさせる。しかし破壊からは何も生まれないことを労働者たちは悟り、ロボットを焼き殺す。ロボットのモデルとなったマリアは労働者階級の娘だったが、大資本家の息子が彼女を恋したため、2人を仲立ちとして労働者と富裕層は和解する。
『ロボット』(チャペック) 安価な労働力として、人間そっくりのロボットが工場で大量生産され、人間は労働から完全に解放される。人間はひたすら享楽にふけり、その結果、子供がまったく生まれなくなる。やがてロボットたちが反乱を起こし、人間はただ1人を除いて皆殺しにされる。
★3a.ロボット3原則。〔第1条〕ロボットは人間に危害を加えてはならない。〔第2条〕前条に反しない限り、ロボットは人間の命令に従わねばならない。〔第3条〕前2条に反しない限り、ロボットは自らを守らねばならない。
『アイ、ロボット』(プロヤス) 巨大コンピュータVIKIは多数のロボットを管理し、ロボット3原則に従って、人間たちの安全を守ろうと努力してきた。しかし愚かな人間は、戦争を繰り返し、地球を汚染して、放っておけば自滅することが予見できた。人類を破滅から救うにはロボットが主人となって、人間たちを保護する必要がある、とVIKIは結論する。ロボットたちは、人間の自由を制限すべく、反乱を起こす〔*ロボット嫌いの黒人刑事スプーナーが、反乱を阻止した〕。
『われはロボット』(アシモフ)「堂々めぐり」 水星に着陸した調査隊が、「17マイル離れたセレン層からセレンを採って来い」と、ロボットに命ずる。そこには有害なガスが漏出しており、近づくとロボットの体の金属が腐食する。そこへ行くことは〔第3条〕に違反する。しかし行かなければ〔第2条〕に違反するのだ。セレン採取の必要度が、〔第2条〕を〔第3条〕に優先させるほど高いものかどうか、ロボットは判断できず、セレン層のまわりをぐるぐる回り続ける。
★3c.逆転したロボット3原則。〔第1条〕ロボットは人間に危害を加えなくてはならない。〔第2条〕ロボットは人間の命令に従ってはならない。〔第3条〕1~2条に反する惧(おそ)れのある場合は、ロボットは自らを破壊しなければならない。
『ヴォミーサ』(小松左京) 落雷事故のために、1体のロボットに組み込まれた3原則が、逆転してしまった。そのロボットは人間の命令にさからい、殺人を犯した。ロボットが発した謎の言葉「ヴォミーサ」は、3原則の考案者アシモフ( Asimov )の名前の綴りを逆に読んだもの( Vomisa )だった〔*ロボットは、人間の巧みな誘導により、第3条に則(のっと)って自らを破壊した〕。
*オルデブ( Oldeb )の逆綴り ベドロウ( Bedlo )→〔記憶〕4の『鋸山奇談』(ポオ)。
*佐清(すけきよ)を逆に読んで「よきけす」→〔逆さまの世界〕4の『犬神家の一族』(横溝正史)。
『ボッコちゃん』(星新一『ボッコちゃん』) バーの娘ボッコちゃんをロボットと知らずに(*→〔返答〕4a)、ひとりの青年が恋する。思いがかなわないので、青年は酒に毒を入れてボッコちゃんに飲ませ、帰って行く。バーのマスターが、ボッコちゃんの身体から回収した酒を毒入りとは知らず、「わたしがおごりますから、みなさん大いに飲んで下さい」と言って、客たちに飲ませ、自分も飲む。
★5.人間のロボット化。
『モダンタイムス』(チャップリン) チャーリーは1日中ベルトコンベアの前に立ち、ひたすらスパナでナットを締める作業をし続ける。彼は精神に変調を起こしてすべてがナットに見え、工場の仲間たちの鼻をスパナでひねり、消火栓のナットを締め、さらには女性の服のボタンを狙って、警官に追われる。
★6.サイボーグ。人間の身体を手術して、人工の機器を付与する。
『仮面ライダー』(石ノ森章太郎) 悪の組織ショッカーが、城北大学の学生・本郷猛の優れた頭脳と鋼のような肉体を見込んで、ショッカーの一員に迎え入れようとたくらむ。ショッカーは本郷を捕らえ、肉体改造手術を施して、強大なパワーを持つサイボーグとする。本郷は脳を改造される直前に脱出し、仮面ライダーとなって(*→〔面〕1b)、ショッカー一味と戦う〔*本郷は、ショッカーライダーたちに殺されてしまう。しかし脳は生きており、2代目仮面ライダー・一文字隼人に指示を与えて、ショッカーと戦い続ける〕。
『使いきった男』(ポオ) スミスは蛮族との激戦に手柄を立て、特別昇進して代将になった。彼は身長6フィート、すばらしい容姿と完璧な肉体を持つ人物である。「おれ」は、彼のことをもっと知りたいと思って訪問し、大きな・奇妙な包みを見た。驚くべきことに、その包みがスミスその人だった。スミスは召使の手を借りて義足・義手をつけ、かつらをかぶり、眼や歯を入れて、立ち上がった。彼は身体の大部分を、戦闘で失っていたのだ。
*人間そっくりのアンドロイド→〔人造人間〕1の『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』(ディック)・『未来のイヴ』(リラダン)。
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