フェストゥムの個体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/08 06:15 UTC 版)
「蒼穹のファフナーシリーズの登場人物」の記事における「フェストゥムの個体」の解説
イドゥン 声 - 真殿光昭 1期で竜宮島が発見した島に存在したコア(声 - 白鳥由里)が同化された存在。竜宮島が接触した際に目覚め、以後はマスター型として活動する。 ミョルニア同様に北極ミールの分岐の可能性としてモルドヴァに潜入していた。紅音の意志を継いだミョルニアよりも優先された分岐として、人類と敵対を継続する。部分的ではあるが人間の感情と共に情報という概念を理解して、モルドヴァ基地のシステムを無効化してフェストゥムの襲来を手引きすると共に、衛星回線でモルドヴァがフェストゥムに襲われる映像を世界に公開するなど、フェストゥムなりの情報戦を仕掛けるようになる。 その後、竜宮島を通じてジークフリード・システムの存在を知ると共に、ミールの意志でミツヒロがファフナーの開発を行った基地に潜入、基地の構造を理解し終えると、最終テストに入っていたマークニヒトを由紀恵ごと同化してファフナーのパイロットになると同時に、ミツヒロを葬って由紀恵から「憎しみ」の感情を学ぶ。そのままマークニヒトで竜宮島を襲撃し、道生を葬ると共に総士をシステムごと連れ去る。 北極で強制的なクロッシングを行って総士から戦い方を吸収していくが、一騎たちへの対処も含めてフェストゥムに痛みという概念を実感させるのが総士の狙いであった。戦闘中に痛みというものを実感し、終始存在する苦しみや消える恐怖に苛まれていく。最後は一騎たちを同化して自身も消えようとするが、マークニヒトがマークザインに同化された際に自分だけ無に消えることとなる。 しかし、北極ミールが自らの消滅でフェストゥムに個体であることを与えると共に、彼が学んだ憎しみは他のフェストゥムにも影響を与え、戦いをさらに長引かせることとなる。 来主 操(くるす みさお) 声 - 木村良平 【劇場版】 劇場版に登場するキーパーソンの一人。竜宮島に漂着した艦の中に眠っていたヒト型のフェストゥム。外見は10代の少年を模している。 人類軍による核攻撃で多大な損害を負ったミール(のちのボレアリオス群ミール)から、自然発生によって「個体」として存在することを望んだスフィンクス型のフェストゥム。その後スフィンクス型でありながらボレアリオス群ミールの祝福によって、ヒトとの同化によって生まれたコア型・スレイブ型・マスター型とは異なる、ヒトを複製した姿(ゆえに体の構造はヒトと同一だが、染色体は存在しない)を与えられた。「来主操」の個体名は、フェストゥムとして与えられた存在意義を、半同化状態にあった総士が日本語に訳して名付けたもの。 一人称は「俺」。フェストゥムとして生まれたがゆえの、ボレアリオス群ミールから引き継いだヒトと異なる認識・行動原理と、個として生まれたがゆえの、生まれたてのヒトの子供のような屈託のない感情を併せ持っている。マスター型のように属するミールや群のフェストゥムを「我々」といった共同体ではなく、「俺達」「俺達のミール」と「仲間」といった別の存在として形容する。ボレアリオス群ミールの使者としての役割を拒絶はできないが、個として最初に感じた「空が綺麗」という感情を共有できる人間に対しては友好的であり、屈託なく会話などを試みる。対して会話が出来ずに思考も読めない動物が苦手で、作中では自分を警戒するショコラには近づくこともできない。 核攻撃の折りに、ミールの命令ではなく自身の意志でフェストゥムの側にいた総士を守り、そのまま総士と半同化状態のまま竜宮島にやってくる。目的は島のコアと自身の同化、人類軍および自身が属するミール以外の群れを相手にした共同戦線による殲滅とそれによる平和維持。本質は無条件降伏と、それに伴い操の側のミールと共に人類と他の全てのフェストゥムを敵に回すものではあるが、それまでにフェストゥムが為し得なかった行為がアルヴィスの面々を驚嘆させる。また、総士と半同化状態の影響で体格がほぼ同一であり、目覚めてから着用しているアルヴィスの制服は総士の物である。 自身とミールの関係を「人間と手」あるいは「神」と例え、ミールに逆らえない運命と一騎たちに消えてほしくない思いの二律背反に苦しみ、ミールの命令によってマークザインから引きずり出されたマークニヒトのパイロットとして竜宮島と敵対する。第二次蒼穹作戦では防衛部隊を圧倒するが、一騎のマークザインとの一騎討ちの果てに、自らを機体から解放しようとした一騎が消滅する時に遂に自分の心が勝り、ミールに「もう戦いたくない」と願い、同時に一騎の同化も収まる。直後、機体と半同化状態だった総士から分離し、他のフェストゥムや一騎と共に人類軍の核攻撃を阻止して消滅するも、ミールの祝福によりボレアリオスのコア型フェストゥムとして胎児状で転生を遂げる。その後は総士を通じて一騎に「自分が綺麗だと思う空を一騎が見えないのは悲しい」と伝えた後、彼の視力を回復して去って行く。 【EXODUS】 アルゴス小隊の攻撃により孤立した派遣部隊とペルセウス中隊への援軍として、美羽とエメリーによって交信・援護を求められる。やがてアビエイター群とクローラー群の襲撃を受けるペルセウス中隊の前に救援として空母ボレアリオスごと合流、転生前と変わらぬ少年期の姿まで成長・覚醒し、竜宮島と合流する。 先代を「前にいた存在」と区別はしているが、竜宮島コアと違い存在・記憶・人格は先代のものをそのまま受け継いでおり、フェストゥム寄りの価値観を残しつつも人懐っこく明るい性格や、犬が苦手といった嗜好、「空が綺麗」といった感情などは変わらない。ゆえに本作では、エスペラントやヒト型フェストゥムといった自分と近い存在と接する機会も多いが、フェストゥムのような交信ではなく、人間と同じように言語による対話を用いた相互理解を望んでいる。記憶という概念も理解しており、島民の強い記憶を残した喫茶「楽園」やマークドライツェンを気に入っている。 「美羽を同化する」という交換条件を受けて救援に応じるが、世界の平和到来まではそれを待つことを了承、以降は竜宮島に滞在する。その後、喫茶「楽園」にて織姫、甲洋、総士といったフェストゥムに近いメンバーと会話を楽しみ(先代と直接交戦した甲洋のことは好きになれないが、ショコラを恐れるがゆえに何もできない)、コアでありながら自らも竜宮島を守るべく戦うことを表明する。これによりマークドライツェンを与えられ、第三アルヴィス上陸作戦以降はエウロス型を率いて出撃する。タキサイキア現象のように周囲をスローモーションで認識するSDPを発現、「今をたくさん見せてくれる」と喜び意気揚々と戦闘に臨む。最後は甲洋とともに、第三アルヴィスのコアに取り込まれかけた一騎を救い出す。 【THE BEYOND】 正式にエインヘリアル・モデルに改修されたマークドライツェン・クロノスに搭乗して、第五次蒼穹作戦や総士奪還に参加する。 美羽の同化が長引いていることをぼやきながらも、一騎たちとの関係自体は気に入っており、『エレメント』の一人としてベノンからも警戒されている。海神島ではカノンを失った容子の養子となり、第二種任務として「楽園」アルバイトに入るなど、正式に島民として扱われている。 言葉での相互理解を重視している故か感情への理解は疎かになりがちで、自分や一騎たちにとっては偽物でもそこで暮らした総士にとっては北極の竜宮島が本物、という感情については理解できず、甲洋に窘められている。また養母に容子を選んだ理由も、「生命の循環」に伴う個体としての寿命を迎えた際、自らを弔ってもらうのにすでに子供を2人失っていて慣れているだろう、という誤解によるもの(ただ関係自体は良好である)であった。羽挟間家で暮らしたことでクーを通じて猫が好きになり、島の野良猫と遊ぶようになっている。 マレスペロ 声 - 石川静 海神島のコアだった存在。詳細は#ベノンを参照。
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