スレードゲルミル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/01 05:11 UTC 版)
グルンガスト参式をマシンセルで変異させた機体。 マシンセルによる自己修復機能により多少のダメージは瞬時に修復することが可能。さらに単独飛行能力も持つ。背部のスタビライザーによって安定した飛行性能を持つほか、ドリルのみの射出攻撃や、ドリルを装着しての格闘戦もこなせる。ただしマシンセルと深く結びついているがゆえに、その制御機構であるメイガスやアウルゲルミルが消滅すると機能不全に陥ってしまう(『α外伝』。『OG2』については後述を参照)。 グルンガストシリーズと同等の機体サイズながら、ゲームではMサイズ扱いである(『OGs』ではLサイズ)。 名前の由来は、北欧神話に登場する「力の叫びの巨人」 アウルゲルミルの子「スルードゲルミル」から。 武装 『α外伝』開発時、最後に戦闘アニメーションが作成されたため時間が足りず、武装は2種類のみであった(そのため、元の参式に搭載されているアイソリッド・レーザーとオメガ・ブラスターに相当する武器がない)。ドリル・ブーストナックル (Drill Knuckle) 反転式スタビライザー兼ドリルクラッシャーを装着し発射するブーストナックル。射出中にぶつかりあうなどグルンガスト参式よりも動きが激しい。オリジナル同様、ATS(自動追跡装置)による追尾のほか、パイロットによるマニュアル誘導も可能。腕に装着したまま格闘武器として使用できる。装着せずブーストナックル単体またはドリルクラッシャー単体で射出、攻撃することも可能。 斬艦刀 (Colossal Blade) 参式斬艦刀がマシンセルによって強化されたもの。両肩に二口装備されている。日本刀状から大型化する参式斬艦刀とは大きく異なり、肩部装甲の一部(縁にある棘状の部分)が剥離・反転した後に長大な柄が現れて鍔と柄を構成、鍔からさらに長大なマシンセルの刃が伸びることで完成する。展開した刃の形状自体は参式斬艦刀と同様(日本刀状や曲刀状に変化するかはゲーム中では明らかでない)。刀身部分がマシンセルで構成されているため、刀身をエネルギー化することもできる。 斬馬刀がモチーフであるがその形状は現実のそれとは異なる(大鉾とも言える)。「艦しか斬れないのか」というツッコミに備えて、「斬機人刀」という名称も考えられていたが、語呂のよさで斬艦刀に落ち着いた。 なお、この斬艦刀のデザインに衝撃を受けたプロデューサーの寺田貴信が「こんな刀を振り回す奴なら」ということでゼンガーの口上を考えた。 必殺技 ドリル・インフェルノ 頭部の打突用兵器である超硬度インパクト・ヘッドは直接攻撃の他に、対物排除フィールドに似た力場を発生させ、それを旋転させ攻撃することが可能。頭突きのように連続で相手に打ち付ける。初出は単行本『鋼の救世主』内の設定で、『OGs』で正式に武装として追加された。グルンガストシリーズはコクピットが頭部にあるため、パイロットは体を大きく揺さぶられることになる(デザインした富士原昌幸の同人誌でウォーダンが「きつい技だ」と発言しており、ゼンガーも酔って嘔吐しそうになっていた)。 斬艦刀・電光石火 強力な突きによる衝撃波。ゲーム中の武装リストにはないが、『OG2』のイベントで使用。ダイゼンガーが使う技にも同名のものがある。 斬艦刀・一文字斬り 『α外伝』で斬艦刀の使用時に「斬艦刀・一文字斬り」(『OG2』でも使用)や「斬艦刀・稲妻重力落とし」とゼンガーが叫ぶ(後者の元ネタは『科学戦隊ダイナマン』のダイナロボが使用する「科学剣・稲妻重力落とし」)。攻撃時には咆哮するスレードゲルミルのカットインが入る。接近後に大きく回転して斬ったり、高速で接近しすれ違いざまに斬るなどのバリエーションがある。作品ごとに斬り方が異なり、『α外伝』では一度振りかぶり、外側から薙ぐようにして斬る。GBA版『OG2』ではジャンプして頭上で一回転させてから、『OGs』では通り過ぎざま袈裟懸けに切り裂く。 斬艦刀・星薙(ほしなぎ)の太刀 ドリル・インフェルノ同様、初出は単行本『鋼の救世主』。ゲームには『OGs』で追加された。エネルギー化した刀身を巨大な斬艦刀とし、地表もろとも(それこそ星ごと)薙ぎ払う。一文字斬り同様、咆哮するスレードゲルミルのカットインが入る。 デザイン 漫画家の富士原昌幸が担当。当初から「グルンガスト参式が変貌したもの」という設定があったため、「一見してグルンガストとわからないように、よく見ればグルンガストとわかるように」という注文がつけられた。 股間のフロントアーマーにはDCのエンブレムが入っている。OGシリーズではシャドウミラー所属の機体だが、敵の誤認・混乱を誘うためあえてマークは残されている。 デザインの途中で富士原がイナズマの如き天啓を受け、頭部に巨大ドリルを装備するという案が出された。このドリルを使った頭突き攻撃(ドリル・インフェルノ)も考案され、戦闘アニメまで考えられていたが、没を喰らいドリルは外されてしまった。しかしシルエットはそのままで、ドリルは巨大な角という形に置き換えられた。このドリルの頭突き攻撃は富士原もかなりお気に入りだったようで、単行本『鋼の救世主』では、マジンカイザー相手にスレードゲルミルが頭突き攻撃を行っている。そんな経緯から、後に『OGs』において技として追加された(ドリルの代わりに角が回転する)。 劇中での活躍 α外伝 アースクレイドルに配備されていたグルンガスト参式がアンセスター内乱時に暴走したマシンセルで変化したもの。コウたちは本機を「接近戦用」と推測し、実際そういった設定であるが、敵として出現する際は最大射程が非常に長く遠距離戦にも対応する。中盤から登場し、耐久力・攻撃力とも高い。ハードルートでは最終盤に自軍加入する。正気に戻ったゼンガーは、外見が異なっているにもかかわらず本機を参式と呼ぶ。 OG2 「向こう側」の世界でシャドウミラーがテスラ研にて入手したグルンガスト参式を、「こちら側」の世界でマシンセルを利用して変異させたもの。パイロットはゼンガーのコピーでもあるWシリーズの一人、ウォーダン・ユミル(W15)。一人乗りだが、本来二人乗り(参式は分離・合体機構を採用)であるためか制御装置が2箇所に付いている。この制御装置を破壊されるとマシンセルによる修復機能が停止する。キョウスケは片方のコックピット部のみを狙ったために制御装置の破壊に失敗した(修復を遅らせることはできた)が、ゼンガーは機体の中央線を断つことで2つの装置を同時に破壊してマシンセルの制御を停止させた。アースクレイドルでダイゼンガーと死闘を繰り広げ、敗れる。その後ソフィアをゼンガーに託し、捨て身の特攻(『OG2』。『OGs』では「星薙の太刀」)でフェフ博士や量産型マシンナリー・チルドレンが乗る複数の量産型ベルゲルミルを全滅させた後、ウォーダンと共に散っていった。中盤から登場し、10万を超えるHPと回復能力、高い攻撃力をもつ強敵。GBA版第30話 / 『OGs』OG2シナリオ第37話「武神装攻ダイゼンガー」では、ゼンガーと対等の条件での決着を望むがために窮地に陥った彼を助ける。このマップにおいてGBA版ではNPCであるが、『OGs』ではプレイヤーがスレードゲルミルを操作可能。 OGIN 第5話ではイルムのグルンガストと交戦。グルンガストの回し蹴りで装甲を損傷し、自己修復を行った。その際にグルンガストの脚部をウィングガスト形態の主翼へ変形させたため、装甲にVG合金が使用されていると推測された。 第22話ではゼンガーのダイゼンガーと最終決戦。斬艦刀を折られたものの「星薙の太刀」の如く刀身をエネルギー化し、アースクレイドルの外殻もろともダイゼンガーの左腕を切断した後、メイガスのコアからソフィアを救出してダイゼンガーにカプセルを渡し、マシンセルの制御消失によって崩壊していった。
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