エルリック兄弟の関係者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/08 08:21 UTC 版)
「鋼の錬金術師の主要な登場人物」の記事における「エルリック兄弟の関係者」の解説
ウィンリィ・ロックベル 声 - 豊口めぐみ / 高本めぐみ 演 - 本田翼 本作品のヒロイン。身長150cm台後半。エルリック兄弟の幼馴染み。機械鎧整備士を生業としている。大陸暦1899年生まれ(登場時15歳)。淡い金髪のポニーテールの美少女。右に4つ、左に2つ、計6つのピアスをしている(エドワードからのお土産)。 東方の片田舎・リゼンブールの生まれ。両親は医者であったが、彼女が8歳の時にイシュヴァールの内乱で死亡している。祖母のピナコに育てられ、ピナコを師として機械鎧整備士になり、エルリック兄弟を支えている。 明朗快活で「ロックベル家の女は根性と肝っ玉が売り」と言われる通りの性格。機械鎧を壊してしまったエドワードをスパナで殴るなどおてんばな面もあるが、一方で誰よりもエルリック兄弟の身を案じ、よく泣く。またエドワードに対しては恋心を抱いており、特に傷の男(スカー)との一件以降は、恋愛感情を自覚するようになる。 職業柄機械鎧には目がなく、機械鎧のこととあらば何をおいても飛びついてしまう。その熱意も助けてか機械鎧整備士としては優秀であり、エドワードの機械鎧は製作・整備とも彼女が全て行っている。また、幼いころから自宅にあった医学書を読んでいたことから、ある程度の医学的知識も持ち合わせている。ラッシュバレーでは医師不在の中、持ち前の根性を振り絞ってお産に立会い、無事に赤ん坊を取り上げる。 ヒロインという立場にしては登場が遅く、初めて作中に登場したのは第9話である。荒川弘の当初の予定では第3話で出すつもりであったが、担当編集者に「まだ早い」と止められたという。 イズミ・カーティス 声 - 津田匠子 / 同左 演 - 遼河はるひ 錬金術師。エルリック兄弟の師匠。大陸暦1878年生まれ。36歳。身長170cm台前半。 細いドレッドロックスをポニーテールのように束ねた髪型と、左鎖骨下の「フラメルの十字架」の入れ墨が特徴の女性。作中中盤から後半にかけて広く登場するが、履物はいつも便所サンダル。 頑固一徹だが、厳しさと優しさの両方を兼ね備えた女性である。虚弱体質であり、よく吐血する。これは、過去に流産した我が子を蘇らせようとして人体錬成に手を染め、真理の扉の通行料として内臓のいくつかを「持っていかれた」ためである。後にホーエンハイムが錬金術で血流を操作する治療を施したことで、ある程度改善された。なお、「持っていかれた」内臓に関する具体的な言及は作中でなされていないが、「子宮」「胃」「脾臓」などの可能性が考察されている。 人体錬成の際に「真理」を見ているため、錬成陣無しでの錬成(通称「手合わせ錬成」)ができる。このように錬金術師として高い腕前を持つ一方、体術に関しても非常に優れており、その力量はキメラ数人を相手にしてこれを圧倒し、かたや素手でスロウスを投げ飛ばすほど。 先述の過去のため、錬金術においては弟子を取らない主義でいたが、旅先で出会ったエルリック兄弟の弟子入り志願の真剣さに根負けし、これを認める。修行は徹底的なスパルタであり、作中ではエルリック兄弟がたびたび当時の過酷さを思い出して打ち震える描写がある。登場前からも師匠として存在が語られることがあり、エルリック兄弟が人体錬成を行ったことが師匠に知れたら「殺される」と恐れていた。 夫のシグとは結婚18年目にして互いを溺愛しており、普段の態度とは裏腹に所構わず惚気る。イズミの修行時代、北のブリッグズ山からの帰り道で出会い、互いに強烈な一目惚れをしたとされている。本編では南方のダブリスで「カーティス精肉店」を営んでいるが、夫婦揃っての旅行が趣味であり、基本的には店を空けて、2人でアメストリス国中を旅していることが多い。物語序盤では、駅のホームにモブキャラで登場していることが確認できる。 『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』最終回では写真に夫のシグと共に写っている。 ヴァン・ホーエンハイム 声 - 江原正士 / 石塚運昇(青年時代 - 浪川大輔) / 堀内賢雄(ゲーム『MOBILE』) 演 - 内野聖陽(青年時代 - 山田涼介) 錬金術師でエルリック兄弟の実父。身長180cm前後。 金髪・金の瞳を持ち、特徴的な顎鬚をたくわえた大柄な男。 飄々としており極めてマイペースな人物だが、同時にどこか厭世的な雰囲気がある。若いころはエドワードと同じ短気な性格で、容姿も彼に似ていたという。不器用ながらも妻トリシャや我が子への愛情は深いが、後述の理由のために妻子を置いて突然旅に出て以降、リゼンブールに戻るまでトリシャの死や兄弟に起こった事の顛末を一切知ることはなかった。そのため、エドワードからは母を見殺しにし子を捨てたとして毛嫌いされている。 錬金術の腕前については相当なものと見え、自身をして「半端ないぞ」と評している。その正体は「ヴァン・ホーエンハイムという人間の形をした賢者の石」と言え、ホーエンハイムという人間の肉体を核としながらも、その魂は賢者の石と融合している。このため致命傷を受けても瞬時に再生し、年を取ることもない。また賢者の石の力により、等価交換を無視し、手を合わせることすらなくノーモーションで錬金術を使える。自身の腕前も合わさって、錬金術による戦闘能力は非常に高い。 出自は本編中の時代よりも遥か昔に栄えたクセルクセス王国の時代にまで遡り、年齢は少なくとも500歳を超えている。当初は王国の名もなき一奴隷に過ぎず、「奴隷二十三号」と呼ばれていた。フラスコの中の小人(ホムンクルス、後のお父様)の生成に血液を提供したことがきっかけで彼に気に入られ、「ヴァン・ホーエンハイム」の名と広範な知識を与えられる。ホムンクルスがクセルクセス全国民を対価にした「賢者の石」を作り出した際、一緒に再構築されたことで賢者の石を半分付加され、意図せず不老不死の肉体となった。本人はこの身体を「友達が先に逝ってしまうのが嫌」と否定し、自身を「化物」として忌み嫌っている。 クセルクセスが滅んでからは、ホムンクルスの野望を止めるべく、自らの肉体に封じ込められたクセルクセス国民の魂との対話を経て、国土錬成陣のカウンターを仕掛ける旅をしていた。その途上でリゼンブールに滞在し、トリシャとの間に子どもをもうけた。 名前の由来はパラケルススの本名から。実際のパラケルススの本名はもっと長いもので、作中でも当初その名前が付けられようとしたが、ホーエンハイムが「長い」と拒否したため、最後の「ヴァン・ホーエンハイム」のみに短縮されたという経緯がある。
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