こう 【講】
講
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/30 10:26 UTC 版)
講(こう)とは、結社または結社による行事・会合である。
講の原義は「講義」「講読」の「講」であり、寺院内で仏典を講読・研究する僧の集団を指すものであったが、やがて仏典の講読を中心とする仏事(講会)を指すようになった[1]。それが転じて、民俗宗教における宗教行事を行なう集団、またはその行事・会合を指すようになった。さらに転じて、相互扶助的な団体や会合のことを意味することもある。
このように「講」という名称で呼ばれる対象は多岐に渡っている。
原義とその変遷

平安時代に貴族たちのあいだで法華信仰が高まり、彼らの出資によって豪華絢爛な仏教儀礼である法華八講が盛んに行われるようになった。これを契機として世俗のあいだで仏典研究から離れた信仰的な会合である「講」が行われるようになった(報恩講など)[1]。この「講」が中世ごろから民間に浸透する過程で、様々な信仰集団に「講」という名称がつけられるようになった。信仰集団としての講には、地域社会の中から自然発生的に生まれたものと、外部からの導入によるものとがある。
前者の講は、氏神・産土といった地域の神を信仰する氏子によって、その神祠の維持のために運営されるものである。社格の高い神社の講では、「村」の範囲を超えて広い範囲に構成員を持つものもある。「講」の組織が強化されるのが、戦国時代のことである。講元は国人や地侍等があたり、また講元自身が地侍化した。浄土真宗の「講」の組織によって加賀一向一揆などが行われた。「講」という組織上、半民主的な政治が行われた。講は講社ともいい、講の構成員を講員という。講の運営にあたっては講元(こうもと)、副講元、世話人などの役員を置き、講員の中から選任され、講の信仰する寺社から委嘱されるのが通常である。一方、山の神、鎮守神などの土俗的な信仰講では、族縁集団、地縁集団がそのまま講の構成員となるため、純粋な宗教結社の体を取らない場合もあった[1]。
外部からの導入による講は、当初は山岳信仰に関するものであった。立山などの修験者が霊山への登山を勧めて全国を廻り、各地に「参拝講」が作られた。それにならって各地の神社・寺院へ参拝するための数多くの講も作られるようになった。これらの参拝講では、講の全員が参拝に行く「総参り」もあったが、多くは講の中から数人を選び、代表して参拝する「代参講」が行われていた。相互扶助団体(頼母子講・無尽講)への転用は、この代参講から派生したものである。すなわち、皆で金を出しあって参拝に行くのではなく、その金をくじや入札によって構成員に融通するというものである。また、講には信仰のための講と併存する形で「仕事仲間の講」(モヤイ講、ユイ講など)や、「年代別、性別の講」(若衆講、カカ講など)など多種多様な講が存在した[1]。これらの講は共同体の構成員にとっては加入を義務付けられる性格のものだったが、遊びを目的とした自由参加の「遊山講」などもあった。
主要な講
仏教行事としての講
民俗宗教における講
地縁的祭祀集団
天体・暦
自然
- 稲荷講
- 田の神講
- 山の神講
- 地神講
- 水神講
- 海神講
神仏・人物
参拝講
特殊なもの
相互扶助・会合としての講
脚注
参考文献
- 関口博巨、福田アジオ(編)、2006、「講と日待」、『結衆・結社の日本史』、山川出版社〈結社の世界史〉 ISBN 4634444100
- 長谷部八朗 監修、講研究会編集委員会(編)『人のつながりの歴史・民俗・宗教 -「講」の文化論』 八千代出版 2022年[1]
関連項目
- ^ “長谷部八朗の紙の本一覧”. honto.jp. 2024年2月3日閲覧。
講
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 23:59 UTC 版)
天神祭には講または講社と呼ばれる団体があり、この講が天神祭を支える大きな役割となっている。講の起源は詳しく明らかになっていないが、古い講は江戸時代よりあったと言われている。元々、講とは同じ志を持った集団であり、天神祭に奉仕するために、商人の町であった特徴上、米問屋や八百屋など各同業団体などで集まってできた。一般参拝(観覧)客としてではなく天神祭の神事や祭事に参加するには、基本的に講に所属する必要がある。大阪天満宮の講をまとめる大阪天満宮講社連合会があり、天神祭の基本的なことはこの会で決められる。現在の講社連合会会長は福梅講の講元、宗石剛(むねいし かたし)である。主な講社は、催太鼓の太鼓中(たいこなか)、天神祭で渡御列でご神体をお乗せする御鳳輦講(ごほうれんこう)、鳳神輿の菅南連合鳳神輿講、玉神輿の中央市場玉神輿講、だんじり囃子の地車講(じぐるまこう)、獅子舞の天神講、牛曳童児の福梅講、米穀商の御錦蓋講(おきんがいこう)、御神酒講、花商組合の榊講、船渡御の船を世話する御船講(おふねこう)、どんどこ船のどんどこ船講、出版業界の御文庫講、丑日講、天神橋商店街の御羽車講(おはぐるまこう)[この講の23日の御羽車巡行にあわせてギャルみこしが行われている]、など現存する講社は32団体である。講によって太鼓中は催太鼓、地車講は境内でのだんじり囃子の演奏、踊りを奉納するなどと役割が決まっている。しかしながら上記でも述べたが、講を構成する人員も年々減少しているため、アルバイトやボランティアなどの参加が増加している。とりわけボランティアはダストバスターズと呼ばれる清掃ボランティアが活躍している。
※この「講」の解説は、「天神祭」の解説の一部です。
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講
出典:『Wiktionary』 (2021/08/11 11:50 UTC 版)
発音(?)
名詞
動詞
活用
熟語
講
講 |
「講」の例文・使い方・用例・文例
- 英語の講習を受けはじめたので英語がずっとよくわかる
- 非常勤の講師
- 講演の入場料は2ドルです
- 彼の講義はそれほど難しくはなかった
- 講演者は聴衆に静かにしてくれるように頼んだ
- この講義の目的は映画を分析することである
- 彼女のスケジュールがいっぱいなのは講演者として人気がある証拠である
- その講師は予約で一杯だ
- 退屈な講義
- 何人かの生徒が講義の中休み中に話をし始めた
- 講演者は領土問題中心に演説した
- 料理の講習を受けた
- その講義は難しくて理解できなかった
- 歴史の講義を履修する
- 近代小説に関する講座を担当する
- 短期養成講座,速成コース
- つまらない細目ばかりでうんざりする講義
- 音楽が講堂中にこだました
- 彼らは市を発展させるための効果的な手段を講じた
- 講義は際限なく続くように思われた
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