全斗煥 対日姿勢

全斗煥

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/10 05:02 UTC 版)

対日姿勢

全斗煥は韓国の歴代大統領としては初めて、現在の韓国を含む朝鮮半島が日本の領土[35]となったことは、自分の国(当時の大韓帝国)にも責任があったと認め、当時日本でも大きく報道された。

1981年8月15日光復節記念式典の演説では「我々は国を失った民族の恥辱をめぐり、日本の帝国主義を責めるべきではなく、当時の情勢、国内的な団結、国力の弱さなど、我々自らの責任を厳しく自責する姿勢が必要である」と主張している。

翌年の光復節記念式典においても、歴史教科書問題により日本人に対するタクシーの乗車拒否が起こるなど、反日感情が渦巻いていた韓国において前述の通り強硬的な姿勢を見せながらも、「異民族支配の苦痛と侮辱を再び経験しないため確実な保障は、我々を支配した国よりも暮らし易い国、より富強な国を作り上げる道しかあり得ない」と述べ、「克日」を強調した。

その一方で1982年には日韓基本条約締結時に棚上げを約束していた竹島を「独島海鳥類繁殖地」として韓国の天然記念物に指定した[36]

訪日

1984年9月に全斗煥が国賓として初訪日した際、昭和天皇は同年9月6日、宮中晩餐会の席上「今世紀の一時期において両国の間に不幸な過去が存在したことはまことに遺憾であり、繰り返されてはなりません」と述べた[37]。韓国の外交文書によると、韓国政府が日本側に対し昭和天皇が日本の朝鮮半島統治などについて反省を示すよう事前に求めていた[37]。また、拳骨拓史によれば、全は宮中晩餐会の前日に安倍晋太郎外務大臣と会談し、「弱い立場だと豊かな人、強い人に対してひねくれを感じ、相手が寛大にしても誤解をもつこともある。だから強かったり、豊かな人が少しくらい損をしても寛大な気持を持つべき。」「韓日の過去の誤解は大部分そういうものだった」と述べたという[38]

拳骨は、韓国はこれ以降大統領が交代するごとに日本に対して謝罪要求を行うようになったと述べている[38]


  1. ^ 이정훈 (2013年8月19日). ““우리는 세상과 싸울 힘도 의지도 없다””. 신동아. 2021年11月23日閲覧。
  2. ^ a b 김동호 (2021年11月23日). “전두환 전 대통령 연희동 자택서 사망” (朝鮮語). 연합뉴스. 2021年11月23日閲覧。
  3. ^ a b 張甲済『別冊宝島89 軍部!』 黄民基訳、JICC出版局、1989年、181頁
  4. ^ 英語版 en:9th Infantry Division (Republic of Korea)。猛虎師団、青龍師団などと共にビンディン省等攻撃と大量虐殺を行ったことで有名。
  5. ^ a b 池東旭『韓国大統領列伝』中公新書、2002年154頁。
  6. ^ ラングーンで爆弾テロ韓国閣僚ら犠牲 - NHK放送史
  7. ^ 韓国の全斗煥大統領が国賓として来日 - NHK放送史
  8. ^ “全斗煥元大統領、訪日前に日本に圧力…天皇、初めて過去の歴史に遺憾表明”. 中央日報. (2015年3月31日). http://japanese.joins.com/article/296/198296.html 2019年10月6日閲覧。 
  9. ^ “中曽根氏、中韓を仲介 外交文書で判明「希望伝えてと」”. 朝日新聞. (2017年12月26日). https://www.asahi.com/articles/ASKDN2G9XKDNUHBI002.html 2017年12月27日閲覧。 
  10. ^ a b “日朝貿易へ「用意ある」 中曽根首相、中国に提起 韓国の国交樹立要望伝達 86年会談、外交文書”. 日本経済新聞. (2017年12月20日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO24847300Q7A221C1EAF000/ 2017年12月20日閲覧。 
  11. ^ 特別談話
  12. ^ MBCニュースデスク(朝鮮語)(1988年11月23日)
  13. ^ KBSニュース9(朝鮮語)(1995年12月3日)
  14. ^ MBCニュースデスク(朝鮮語)(1995年12月3日)
  15. ^ KBSニュース9(朝鮮語)(1996年8月26日)
  16. ^ MBCニュースデスク(朝鮮語)(1996年8月26日)
  17. ^ KBSニュース9(朝鮮語)(1997年12月22日)
  18. ^ MBCニュースデスク(朝鮮語)(1997年12月22日)
  19. ^ なお全斗煥は、全財産は29万ウォンしかないと主張している。
  20. ^ 全斗煥元大統領がアルツハイマー病で裁判に出廷できず 夫人が明らかに”. 産経新聞 (2018年8月27日). 2018年8月27日閲覧。
  21. ^ “社説 全斗煥氏はこれ以上遅れないよう光州の英霊の前にひざまずけ”. ハンギョレ. (2018年8月28日). http://japan.hani.co.kr/arti/opinion/31473.html 2018年8月29日閲覧。 
  22. ^ “팩트체크 재판 불출석 전두환, '알츠하이머 투병' 이후 행적 어땠나(ファクトチェック 裁判欠席全斗煥、「アルツハイマー病闘病」以後の行跡どうだったか)”. 聯合ニュース. (2018年8月28日). https://news.v.daum.net/v/20180828174300855 2018年8月29日閲覧。 
  23. ^ “'알츠하이머 불출석' 전두환에게 왜 분노하나(「アルツハイマーで欠席」全斗煥になぜ怒りしかないか)”. 世界日報. (2018年8月28日). https://news.v.daum.net/v/20180828071021257 2018年8月29日閲覧。 
  24. ^ “「アルツハイマーで裁判に行けない」とした全斗煥氏、ゴルフはしっかり打っていた”. ハンギョレ. (2019年1月16日). http://japan.hani.co.kr/arti/politics/32584.html 2019年1月17日閲覧。 
  25. ^ 全斗煥氏回顧録が出版・販売禁止 韓国・光州事件の映画好調 ”. 千葉日報 (2017年8月19日). 2019年3月11日閲覧。
  26. ^ 韓国の全斗煥氏が光州地裁に出廷”. 産経新聞 (2019年3月11日). 2019年3月11日閲覧。
  27. ^ “'골프, 12·12 오찬' 전두환 재판 불출석 허가 놓고 법정공방(「ゴルフ、12・12午餐」全斗煥裁判欠席許可めぐり法廷攻防)”. 聯合ニュース. (2019年12月16日). https://www.yna.co.kr/view/AKR20191216102151054?input=1195m 2019年12月17日閲覧。 
  28. ^ “全斗煥元大統領に有罪判決 光州事件めぐり名誉毀損―韓国”. 時事通信社. (2020年11月30日). https://www.jiji.com/sp/article?k=2020113000800&g=int 2020年11月30日閲覧。 
  29. ^ KBSニュース9(朝鮮語)(2021年11月23日)
  30. ^ MBCニュースデスク(朝鮮語)(2021年11月23日)
  31. ^ SBS8ニュース(朝鮮語)(2021年11月23日)
  32. ^ “韓国の全斗煥元大統領が死去 90歳、クーデターで実権”. 日本経済新聞. (2021年11月23日). https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM230NU0T21C21A1000000/ 
  33. ^ 【政界地獄耳】韓国元大統領・全斗煥死去 光州事件の真実、明かされぬまま”. 日刊スポーツ (2021年11月25日). 2021年11月25日閲覧。
  34. ^ “全斗煥氏死去 国葬も国立墓地埋葬もなし=光州事件などで反省示さず”. 聯合ニュース. (2021年11月23日). https://jp.yna.co.kr/view/AJP20211123004300882 2022年1月5日閲覧。 
  35. ^ 韓国併合
  36. ^ http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/01/18/2017011801825.html
  37. ^ a b 韓国元大統領「昭和天皇」に遺憾と反省求める…“植民地支配”「最大限強い言葉で反省を」 韓国外交文書で発覚 産経新聞(2015.3.30)web魚拓[リンク切れ]
  38. ^ a b http://ironna.jp/article/2232
  39. ^ 古田博司『朝鮮民族を読み解く 北と南に共通するもの』筑摩書房、1995年]
  40. ^ 全斗煥氏「朴槿恵氏に大統領職は困難と判断」=回顧録で語る - 聯合ニュース、2017年3月30日
  41. ^ 【写真】市民の殴打で破損した「全斗煥の恥辱の銅像」”. 中央日報 (2020年11月19日). 2020年11月19日閲覧。
  42. ^ 全斗煥元韓国大統領の銅像の首切断した50代、現行犯逮捕”. 中央日報 (2020年11月19日). 2020年11月19日閲覧。
  43. ^ 今日の歴史(3月20日) 聯合ニュース 2009/03/20


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