インキ【(オランダ)inkt】
いん‐き【陰気】
陰夔
インキ |
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袁尚の将。任官時期は不明だが、故(もと)の予州刺史とされる。 建安七年(二〇二)に袁紹が亡くなったのち、子の袁譚・袁尚兄弟は互いに憎しみあった。二人は競って崔琰という者を味方に引き入れようとしたが、崔琰の方では病気を称していずれにも荷担せず、そのため袁尚の怒りを買って牢獄に繋がれた。彼が助かったのは陰夔が陳琳とともに取りなしてやったからである《崔琰伝》。 九年二月、袁尚は審配・蘇由を鄴の守備に残し、自ら平原の袁譚を討伐した。その留守を衝いて曹操が鄴城を包囲したため、七月、袁尚は鄴の城外まで引き返す。しかし曹操の逆包囲を恐れた袁尚は、陰夔・陳琳を使者として和睦を求めた。曹操は申し入れを断り、袁尚が恐怖を覚えて濫口に逃走すると、これを再び包囲した。そのとき矛を交える寸前、陰夔は馬延・張顗・郭昭らとともに投降した《武帝紀・袁紹伝・檄呉将校部曲文》。 【参照】袁尚 / 袁紹 / 袁譚 / 郭昭 / 崔琰 / 審配 / 蘇由 / 曹操 / 張顗 / 陳琳 / 馬延 / 鄴県 / 平原郡 / 予州 / 濫口 / 刺史 |
インク
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インク(英語: ink)または洋墨(ようぼく)とは顔料・染料を含んだ液体、ジェル、固体で、文字を書いたり表面に色付けするために用いられるものである。油性、水性などの種類がある。
「インキ」という表記もあり、これは明治期によく使われたが、やがて「インク」が一般化した[1]。技術用語としては現代でも「インキ」は正式に使われるが、用語によっては「インクジェット」など、定着している表記に揺れがある[2][3][4]。
日本や中国で古くから使われている墨もインクの一種である。
油性インクは長時間未使用のまま保存するとインクが固まってしまう、水性インクは保存には優れているが水に濡れると滲んでしまう弱点がある。近年はボールペンやプリンターなどで「水性顔料インク」が多用されている。長期の保存に耐え、水に濡れても滲みにくく手についても水洗いで落とせるなどといった利点を持っている。
種類
初期のインクは鉱物や種子、豆などの殻、イカの様な海洋生物から採られる天然染料が主なものであった。墨は黒色でアジアが発祥である。没食子インク(Iron gall ink)は古来の図面に多く用いられた。ウォルナット・インクは巨匠達の名作にも使用されたと考えられるが、その証拠は存在しない。もしウォルナット・インクが使用されたとすれば、それはすぐに退色したと考えられる。
顔料インク
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顔料インクは顔料を溶剤に分散させたインクで、印刷面に顔料が付着することで印刷が行われる。顔料インクは比較的耐水性に優れ、屋外用途などに多用される。ジェル状インクは摩擦、耐水性に特に優れている。
染料インク
染料インクは染料を溶剤に溶かしたインクで、顔料インクに比べて多くの色を作り出すことができる。印刷面に浸透することで印刷が行われるが耐水性、耐光性は顔料インクに比べ劣る。
印刷インク
印刷用のインクは顔料、媒剤、添加剤からなり印刷素材や版の形式などから高粘度のジェル状のもの、低粘度の液状のものが存在する。グーテンベルクが15世紀に活版印刷を開発したのに合わせて、筆記用の液体インクとは異なった版に付着できる高粘度のインクが開発された。現在でも大量発行を目的とした商業印刷において使用されるインクは高粘度のジェル状インクが多用される。
インクの原材料には鉛、カドミウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケルの重金属などの人体に有害な物質が用いられることがある。国によっては新聞紙などの印刷物は包装紙としてリユースされるが、包装を介して食品を汚染する可能性があるため、インドでは印刷した紙で食品を包装すること自体が禁止されている[5]。日本では、業界団体が安全衛生上人体や環境に有害なおそれのあると考えられている物質をリストアップし、印刷インクとして使用することを禁止している(NL規制)[6]。近年では環境に対応したインクとして大豆インクが多用されており、日本では新聞インク、平版インクの64%に使用されている。
選挙用の消えないインク
インド、フィリピン、インドネシアなどでは選挙における不正行為を防ぐため手に塗る選挙インクを使用する。インドの選挙委員会は多くの選挙においてインク塗布を行っている。インドネシアではアチェ州の選挙で使用している。マリ共和国の選挙では、インクは爪に塗布された。
金属インク
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インクの歴史

およそ5000年前に、石の表面に絵や文字を刻むための墨が中国で開発された。墨は油煙や松煙と膠の混合物で、固形の墨を硯で水とともに磨りおろして黒色のインクを得る。他地域の初期文明においても植物の実や種、鉱物から様々な色のインクが作り出された。
インクは古代インドで紀元前4世紀から使用され、それはいくつかの化学成分の混合物であった。カローシュティー文字で記述された古文書が新疆ウイグル自治区で発見されている。インド南部においては、針とインクを使って文字を書くことは一般的であった。いくつかのジャイナ教の教典はインクによって記述されている。インドでは墨の煤を骨やタール、ピッチなどを燃やすことで得ていた。
古代ローマでは煤やイカ墨から得られた黒色のインクや、硫酸銅を含んだ革の黒染液、アスファルトを含むと考えられる黒色のワニスなどがアトラメンタムと呼ばれて用いられた[7][8][9]。
エジプトのカリフ、ムイッズは手や衣服を汚すことのないペンを要求した。その要求に応えて953年に万年筆の原型といえるペンが開発された。
15世紀にドイツのヨハネス・グーテンベルクが活版印刷を実用化することに成功すると、それに適した新しいタイプのインクが開発されることとなった。当時、ギリシャ・ローマの筆記用インク(煤と糊、水から成る)および12世紀に開発された硫酸鉄、没食子、ゴム、水から成る2種類のインクが普及しておりこれらはどちらも版面に付着せず、印刷には適さなかった。結局、すす、テレビン油およびクルミ油からなるニス状のインクが印刷機用に開発された。
1908年12月7日、日本の内閣は、公文書にインキの使用を認めた(閣令)。
現代のインク

筆記用
市販される筆記用インクとしては、次のようなものがある。
現代においては、インクを内蔵する使い切り式の筆記具の普及とともに、瓶入りインクを扱うつけペンや万年筆は実用筆記にほとんど使われなくなった。ただし署名・手紙などのフォーマル・プライベートな用途や、カリグラフィー、漫画、イラストレーションなどの芸術用途では依然使われる。
毛筆に用いられる墨も筆記用インクの一種であり、硬筆や万年筆が普及するまで幅広く使われた。現在では書道など芸術用途が主となっている。
印刷用
ホーム・コンピューティングの普及により、インクジェットプリンターを用いた家庭での印刷が普及し、プリンター用インクカートリッジの購入は、かつての消費者がペン用の補充インクボトルを購入するのと同じようになった。
しかし印刷コストを低減しようとする消費者はプリンター用インクカートリッジに詰め替え用インクを用いようとするが、プリンタメーカーは消耗品であるインクカートリッジの売り上げで収益を得ようとするため、カートリッジにICチップを取り付けて使用回数を制限したり互換カートリッジメーカーに対して訴訟を起こしたりするなど、非純正インク問題が起きている。
脚注
- ^ 「インク」『精選版 日本国語大辞典』 。コトバンクより2021年10月4日閲覧。
- ^ 根本雄平「印刷インキ基礎講座(第I講)総論」『色材協会誌』第60巻第6号、色材協会、1987年、348-355頁、doi:10.4011/shikizai1937.60.348。
- ^ 戸津川晋「インキのはなし 第14回 インキかインクか」『ぷりんとぴあ(1994年-1997年発刊・保存版)』日本印刷産業連合会、33-35頁 。
- ^ JIS Z 8123-1:2013「印刷技術用語-第1部:基本用語」(日本産業標準調査会、経済産業省)
- ^ クルシェッド・アラム、吉野馨子「バングラディシュにおける食品安全の現状と課題」『国際農林業協力』Vol.47 No.2 p.16 2024年9月30日 国際農林業労働協会
- ^ “印刷インキに関する自主規制”. 印刷インキ工業会 (2024年). 2024年11月11日閲覧。
- ^ “Atramentum”. Conservation and Art Materials Encyclopedia Online. Museum of Fine Arts Boston. 2017年1月30日閲覧。
- ^ Allen, Alexander (1875). “Atramentum”. A Dictionary of Greek and Roman Antiquities. John Murray. pp. 170-171
- ^ “Atramentum”. A Dictionary of Greek and Roman Antiquities. John Murray. (1890)
関連項目
- 万年筆(万年筆用のインクの説明記事あり)
- インク壺、Gisalnapf
- つけペン
- 羽根ペン
- ボールペン
- 不可視インク
- 塗料
- セピア
- 大豆インキ
- 煤インク
- 金インク
- ビストル
- イラストレーション
- 香料 ‐ 匂いを混ぜる工夫が行われる場合がある。
- 墨、開明墨汁
- 蛍光インク
- にじみ止め粉
- ブロッター(字を書いた後に余計なインクを吸い取る紙)
外部リンク
インキ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 23:23 UTC 版)
「パイロットコーポレーション」の記事における「インキ」の解説
iroshizuku - 色彩雫(15ml、50ml)2007年発売。「日本の美しい情景」をテーマとした24種類のカラーが販売されている。すべてボトルインキである。また、過去には露草、土筆、稲穂の3色も存在した。青系(紫陽花・朝顔・紺碧・月夜・深海・天色) 灰・黒系(霧雨・冬将軍・竹炭) 緑系(深緑・松露・孔雀・竹林・翠玉) 茶系(山栗) 紫系(紫式部・山葡萄) 赤・橙系(夕焼け・冬柿・紅葉・躑躅・秋桜・花筏 ) 黄系(蛍火) TSUWAIRO<強色> (30ml)2022年3月発売。耐水性及び耐光性に優れた顔料インキが使用されている。カラーバリエーションは、ブラック、ブルー、ブルーブラックである。 ボトルインキ(30ml、70ml、350ml)カラーバリエーションはブラック、ブルーブラック、ブルー、レッドである。ただし、70mlにはレッド、350mlにはブルーが販売されていない。 70mlタイプは、インクリザーバーが搭載されているため、プランジャー式万年筆のインク吸入に最適。 カートリッジインキ(12本単位で販売)ボトルインキと同様にブラック、ブルーブラック、ブルー、レッドの4種類。 カラーカートリッジインキ(5本単位で販売)ブラック、レッド、ブルーブラック、ブルー、グリーン、バイオレット、ピンク、ブラウン、ライトブルー、オレンジの10種類。 製図用インキ(30ml、350ml)、証券用インキ(30ml)用途別のインキであり、つけペンや筆などで利用する。
※この「インキ」の解説は、「パイロットコーポレーション」の解説の一部です。
「インキ」を含む「パイロットコーポレーション」の記事については、「パイロットコーポレーション」の概要を参照ください。
「インキ」の例文・使い方・用例・文例
- 彼はテレビの全国ニュースのメインキャスターをしている
- 昨夜、うっかりインキー状態にしてしまった。
- この本にはメインキャラクターがいません。
- インキ補充瓶のキャップを外し、スポイトでインキを吸い上げ、マーカーの吸収体へ適量、滴下してください。
- 印刷インキが不足している。
- ペンとインキで書きなさい。
- このインキの染みは洗っても落ちない。
- 彼の指は赤インキでよごれていた.
- このインキは付きがいい[悪い].
- この紙はインキの付きがいい.
- インキがあまり濃いなら水をいれて薄くする
- インキが薄くなり過ぎた
- このインキはにじむ
- この紙はインキがにじまない
- インキがペンを腐蝕する
- ペンをインキ入れのわきに置いた
- 机の上にインキがこぼれている
- こぼれたインキを拭く
- インキをこぼさないようになさい
- こぼしたインキを拭く
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