インキとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 産業 > 出版 > インキ > インキの意味・解説 

インキ【(オランダ)inkt】

読み方:いんき

インク

「インキ」に似た言葉

いん‐き【陰気】

読み方:いんき

[名・形動

万物生成根本となる二気の一。陰の気。⇔陽気。

気分雰囲気天候などが、晴れ晴れしないこと。また、そのさま。「なんとなく—な人」「—な会」⇔陽気。

[派生] いんきさ[名]


陰夔Yin Kui

インキ

(?~?)
予州刺史

袁尚の将。任官時期不明だが、故(もと)の予州刺史とされる

建安七年二〇二)に袁紹亡くなったのち、子の袁譚袁尚兄弟互いに憎しみあった。二人競って崔琰という者を味方引き入れようとしたが、崔琰の方では病気称していずれにも荷担せず、そのため袁尚怒り買って牢獄繋がれた。彼が助かったのは陰夔が陳琳とともに取りなしてやったからである《崔琰伝》。

九年二月袁尚審配蘇由を鄴の守備残し、自ら平原袁譚討伐した。その留守を衝いて曹操が鄴城を包囲したため、七月袁尚は鄴の城外まで引き返す。しかし曹操の逆包囲恐れた袁尚は、陰夔・陳琳使者として和睦求めた曹操申し入れ断り袁尚恐怖覚えて濫口に逃走すると、これを再び包囲したそのとき矛を交える寸前、陰夔は馬延張顗郭昭とともに投降した武帝紀・袁紹伝・呉将部曲文》。

参照袁尚 / 袁紹 / 袁譚 / 郭昭 / 崔琰 / 審配 / 蘇由 / 曹操 / 張顗 / 陳琳 / 馬延 / 鄴県 / 平原郡 / 予州 / 濫口 / 刺史


インク

(インキ から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/02 01:32 UTC 版)

カラーインクとペン
万年筆と文字

インク英語: ink)または洋墨(ようぼく)とは顔料染料を含んだ液体ジェル固体で、文字を書いたり表面に色付けするために用いられるものである。油性、水性などの種類がある。

インキ」という表記もあり、これは明治期によく使われたが、やがて「インク」が一般化した[1]。技術用語としては現代でも「インキ」は正式に使われるが、用語によっては「インクジェット」など、定着している表記に揺れがある[2][3][4]

日本や中国で古くから使われているもインクの一種である。

油性インクは長時間未使用のまま保存するとインクが固まってしまう、水性インクは保存には優れているが水に濡れると滲んでしまう弱点がある。近年はボールペンプリンターなどで「水性顔料インク」が多用されている。長期の保存に耐え、水に濡れても滲みにくく手についても水洗いで落とせるなどといった利点を持っている。

種類

初期のインクは鉱物種子などの殻、イカの様な海洋生物から採られる天然染料が主なものであった。墨は黒色でアジアが発祥である。没食子インクIron gall ink)は古来の図面に多く用いられた。ウォルナット・インクは巨匠達の名作にも使用されたと考えられるが、その証拠は存在しない。もしウォルナット・インクが使用されたとすれば、それはすぐに退色したと考えられる。

顔料インク

顔料インクは顔料を溶剤に分散させたインクで、印刷面に顔料が付着することで印刷が行われる。顔料インクは比較的耐水性に優れ、屋外用途などに多用される。ジェル状インクは摩擦、耐水性に特に優れている。

染料インク

染料インクは染料を溶剤に溶かしたインクで、顔料インクに比べて多くの色を作り出すことができる。印刷面に浸透することで印刷が行われるが耐水性、耐光性は顔料インクに比べ劣る。

印刷インク

印刷用のインクは顔料媒剤、添加剤からなり印刷素材や版の形式などから高粘度のジェル状のもの、低粘度の液状のものが存在する。グーテンベルク15世紀に活版印刷を開発したのに合わせて、筆記用の液体インクとは異なった版に付着できる高粘度のインクが開発された。現在でも大量発行を目的とした商業印刷において使用されるインクは高粘度のジェル状インクが多用される。

インクの原材料にはカドミウム亜鉛クロムニッケル重金属などの人体に有害な物質が用いられることがある。国によっては新聞紙などの印刷物は包装紙としてリユースされるが、包装を介して食品を汚染する可能性があるため、インドでは印刷した紙で食品を包装すること自体が禁止されている[5]。日本では、業界団体が安全衛生上人体や環境に有害なおそれのあると考えられている物質をリストアップし、印刷インクとして使用することを禁止している(NL規制)[6]。近年では環境に対応したインクとして大豆インクが多用されており、日本では新聞インク、平版インクの64%に使用されている。

選挙用の消えないインク

インドフィリピンインドネシアなどでは選挙における不正行為を防ぐため手に塗る選挙インク英語版を使用する。インドの選挙委員会は多くの選挙においてインク塗布を行っている。インドネシアではアチェ州の選挙で使用している。マリ共和国の選挙では、インクは爪に塗布された。

金属インク

インクの歴史

墨と硯、筆

およそ5000年前に、石の表面に絵や文字を刻むための中国で開発された。墨は油煙や松煙との混合物で、固形の墨をで水とともに磨りおろして黒色のインクを得る。他地域の初期文明においても植物の実や種、鉱物から様々な色のインクが作り出された。

インクは古代インド紀元前4世紀から使用され、それはいくつかの化学成分の混合物であった。カローシュティー文字で記述された古文書が新疆ウイグル自治区で発見されている。インド南部においては、針とインクを使って文字を書くことは一般的であった。いくつかのジャイナ教の教典はインクによって記述されている。インドでは墨の煤を骨やタール、ピッチなどを燃やすことで得ていた。

古代ローマでは煤やイカ墨から得られた黒色のインクや、硫酸銅を含んだ革の黒染液、アスファルトを含むと考えられる黒色のワニスなどがアトラメンタムと呼ばれて用いられた[7][8][9]

エジプトカリフムイッズは手や衣服を汚すことのないペンを要求した。その要求に応えて953年万年筆の原型といえるペンが開発された。

15世紀にドイツヨハネス・グーテンベルク活版印刷を実用化することに成功すると、それに適した新しいタイプのインクが開発されることとなった。当時、ギリシャ・ローマの筆記用インク(煤と糊、水から成る)および12世紀に開発された硫酸鉄、没食子、ゴムから成る2種類のインクが普及しておりこれらはどちらも版面に付着せず、印刷には適さなかった。結局、すすテレビン油およびクルミ油からなるニス状のインクが印刷機用に開発された。

1908年12月7日、日本の内閣は、公文書にインキの使用を認めた(閣令)。

現代のインク

パソコンに接続して用いるプリンター用のインク。写真の例ではブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色が見える

筆記用

市販される筆記用インクとしては、次のようなものがある。

現代においては、インクを内蔵する使い切り式の筆記具の普及とともに、瓶入りインクを扱うつけペンや万年筆は実用筆記にほとんど使われなくなった。ただし署名・手紙などのフォーマル・プライベートな用途や、カリグラフィー漫画イラストレーションなどの芸術用途では依然使われる。

毛筆に用いられるも筆記用インクの一種であり、硬筆万年筆が普及するまで幅広く使われた。現在では書道など芸術用途が主となっている。

印刷用

ホーム・コンピューティングの普及により、インクジェットプリンターを用いた家庭での印刷が普及し、プリンター用インクカートリッジの購入は、かつての消費者がペン用の補充インクボトルを購入するのと同じようになった。

しかし印刷コストを低減しようとする消費者はプリンター用インクカートリッジに詰め替え用インクを用いようとするが、プリンタメーカーは消耗品であるインクカートリッジの売り上げで収益を得ようとするため、カートリッジにICチップを取り付けて使用回数を制限したり互換カートリッジメーカーに対して訴訟を起こしたりするなど、非純正インク問題が起きている。

脚注

  1. ^ インク」『精選版 日本国語大辞典』https://kotobank.jp/word/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%AFコトバンクより2021年10月4日閲覧 
  2. ^ 根本雄平「印刷インキ基礎講座(第I講)総論」『色材協会誌』第60巻第6号、色材協会、1987年、348-355頁、doi:10.4011/shikizai1937.60.348 
  3. ^ 戸津川晋「インキのはなし 第14回 インキかインクか」『ぷりんとぴあ(1994年-1997年発刊・保存版)』日本印刷産業連合会、33-35頁https://www.jfpi.or.jp/files/user/%E3%81%B7%E3%82%8A%E3%82%93%E3%81%A8%E3%81%B4%E3%81%82%E3%80%80part3_03_008.pdf#page=33 
  4. ^ JIS Z 8123-1:2013「印刷技術用語-第1部:基本用語」日本産業標準調査会経済産業省
  5. ^ クルシェッド・アラム、吉野馨子「バングラディシュにおける食品安全の現状と課題」『国際農林業協力』Vol.47 No.2 p.16 2024年9月30日 国際農林業労働協会
  6. ^ 印刷インキに関する自主規制”. 印刷インキ工業会 (2024年). 2024年11月11日閲覧。
  7. ^ Atramentum”. Conservation and Art Materials Encyclopedia Online. Museum of Fine Arts Boston. 2017年1月30日閲覧。
  8. ^ Allen, Alexander (1875). “Atramentum”. A Dictionary of Greek and Roman Antiquities. John Murray. pp. 170-171. https://penelope.uchicago.edu/Thayer/E/Roman/Texts/secondary/SMIGRA*/Atramentum.html 
  9. ^ “Atramentum”. A Dictionary of Greek and Roman Antiquities. John Murray. (1890). http://www.perseus.tufts.edu/hopper/text?doc=Perseus%3Atext%3A1999.04.0063%3Aentry%3Datramentum-cn 

関連項目

外部リンク


インキ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 23:23 UTC 版)

パイロットコーポレーション」の記事における「インキ」の解説

iroshizuku - 色彩(15ml、50ml)2007年発売。「日本の美しい情景」をテーマとした24種類カラー販売されている。すべてボトルインキである。また、過去には露草土筆稲穂の3色も存在した。青系(紫陽花朝顔紺碧月夜深海天色) 灰・黒系(霧雨冬将軍竹炭) 緑系(深緑松露孔雀竹林翠玉系(山栗) 紫系(紫式部山葡萄赤・橙系(夕焼け・冬柿・紅葉躑躅秋桜花筏 ) 黄系(蛍火) TSUWAIRO<強色> (30ml)2022年3月発売耐水性及び耐光性優れた顔料インキが使用されている。カラーバリエーションは、ブラックブルーブルーブラックである。 ボトルインキ(30ml、70ml、350ml)カラーバリエーションブラックブルーブラックブルーレッドである。ただし、70mlにはレッド、350mlにはブルー販売されていない。 70mlタイプは、インクリザーバーが搭載されているため、プランジャー万年筆インク吸入最適。 カートリッジインキ(12単位販売)ボトルインキと同様にブラックブルーブラックブルーレッド4種類。 カラーカートリッジインキ(5本単位販売ブラックレッドブルーブラックブルーグリーンバイオレットピンクブラウンライトブルーオレンジ10種類製図用インキ(30ml、350ml)、証券用インキ(30ml)用途別のインキであり、つけペンや筆などで利用する

※この「インキ」の解説は、「パイロットコーポレーション」の解説の一部です。
「インキ」を含む「パイロットコーポレーション」の記事については、「パイロットコーポレーション」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「インキ」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

インキ

出典:『Wiktionary』 (2021/08/16 12:26 UTC 版)

語源

オランダ語 inkt

名詞

インキ

  1. インク

発音(?)

い↗んき
い↘んき

「インキ」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



インキと同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「インキ」の関連用語

インキのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



インキのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
むじん書院むじん書院
Copyright (C) 2025 mujin. All Rights Reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのインク (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのパイロットコーポレーション (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryのインキ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS