TVシリーズ第1期
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「蒼穹のファフナー」の記事における「TVシリーズ第1期」の解説
太平洋に浮かぶ孤島・竜宮島。ある夏の日、好奇心に駆られた少年たちはラジオから流れ出す未知なる者の声を聞く。「あなたはそこにいますか…」。 それから数年後の西暦2146年、竜宮島に再びその声がこだまする。それこそ正しく未知の生命体“フェストゥム”による侵攻の合図だった。突如飛来した金色に輝く美しき“敵”は平和な島を一瞬にして地獄へと変える。島の大人たちはフェストゥムに対抗すべく組織された“アルヴィス”の人間だった。彼らにより、島は武装した要塞へと姿を変え、死力を尽くした抵抗が始まる。搭乗予定者・蔵前果林の死により窮地に立たされたアルヴィス司令・皆城公蔵は最適格者である真壁一騎の実戦投入を決断する。幼馴染みの皆城総士に促されるまま、一騎は人型決戦兵器・“ファフナー”に搭乗し、総士も戦闘指揮システムジークフリード・システムを起動する。何の疑いもなく信じていた世界は偽りだった。仰ぎ見ていた美しい空も偽りだった。祖国日本は既になく、人類はフェストゥムの侵略で全滅の危機に瀕していた。 一騎は尋ねる。「俺たちはどこへ行くんだ?」。総士は答える。「楽園だよ」。こうして少年たちは、人類の存亡をかけた激しい戦いの渦に巻き込まれていくのだった。 公蔵を初めとした犠牲者を出した後、新たに司令となった真壁史彦の指揮の下で戦いに身を投じることとなった子供達。その中で羽佐間翔子が命を落とし、春日井甲洋がフェストゥムに同化されて倒れる。二人の後に続き近藤剣司、要咲良、小楯衛がパイロットとなるが、仲間の犠牲よりもファフナーを重んじる総士の意志が分からなくなってしまった一騎は教員の一人である狩谷由紀恵に誘われて島の外を見るべく旅だった。しかし、それはフェストゥムと戦う新国連が擁する人類軍のスパイである狩谷の罠であり、彼女は一騎とファフナーを手土産に人類軍に寝返る。更に、連行された人類軍モルドヴァ基地にはかつて島を出て行ったミツヒロ・バートランド、日野洋治と彼の息子である日野道生の姿もあった。そして、かつて一騎の母であった真壁紅音を同化したフェストゥム、ミョルニアが洋治によって匿われていた。 洋治から自らの下で働くことを誘われ戸惑う一騎。しかし、考える間もなく基地内に侵入していたフェストゥムによって一騎は再び戦うこととなる。危機に陥る一騎を救ったのはミョルニアであった。彼女は洋治が開発したファフナーザルヴァートル・モデル マークザインを一騎に託すために現れた。マークザインの暴走の中で一騎はかつて総士の左目を傷つけた過去の真相とそれからの総士の意志を知る。そして、迎えに来た遠見真矢と溝口恭介と共に島へ戻る決意をする。 同じ頃、竜宮島のファフナーを手に入れるべく人類軍大佐ダッドリー・バーンズは狩谷と道生、道生の部下である少女パイロットカノン・メンフィスを率いて竜宮島へ襲来、人間と戦うことを禁ずる史彦は島民の安全を第一に島をバーンズに明け渡すが、間もなくフェストゥムが襲来する。しかし、ファフナーはおろかシステムの扱い方を把握していない人類軍はフェストゥムに対抗できずに窮地に追い込まれる。その状況下、島のコアである皆城乙姫が目覚め、史彦らを導く。そして、帰還した一騎の活躍で敵を退けることに成功する。占領に失敗した人類軍は撤退するが、島に残ったカノンは命令により島もろとも自爆しようとしていた。一騎の必死の説得でカノンは投降、道生もまた狩谷の協力を得て島へ帰還した。 人類軍とフェストゥムを退けてからしばらく、遠見一家とミツヒロの間で真矢のパイロット適正を巡る査問委員会、同化された甲洋の覚醒およびスレイブ型フェストゥムへの変化など事件はあったものの島は敵を退けながらも平和な時を過ごしていた。道生は5年ぶりに我が家に戻り、恋人の遠見弓子と生活を始め、カノンもまた羽佐間家に住み、一騎達の同級生として暮らすことになる。同様に捨て駒にされた人類軍兵士達も島で平和という文化を学びながら新たな生活を始める。 一方、ミツヒロは新たなザルヴァートル・モデルマークニヒトの開発を進めていた。それは北極に存在するフェストゥムの中枢であるミールを討つ最終決戦ヘヴンズドアのためであった。島もまた、その作戦への参加の選択肢を迫られているのも事実であり、その日は徐々に近づいていた。 平和な時を過ごす中、史彦は敵の襲来に意図的なものを感じるが、ある日島の生態系に異変が起こる。突然花が咲き乱れ、多くの虫が溢れかえった。それから間もなく、突然島中の植物が枯れ、虫が死んでしまう。そして、咲良が同化現象の進行によって倒れてしまい、直後の戦闘では衛が命を落とし、剣司も恐怖に駆られて引きこもってしまう。これまでの敵はパイロットの同化現象を促すための犠牲、すなわちフェストゥムが犠牲という概念を理解し消耗戦を仕掛けてきた証であった。咲良が倒れて間もなく、カノンは島に自らの居場所を見出し、フェストゥムの因子を移植する。更に、人類軍ではミツヒロが開発したマークニヒトが狩谷諸共マスター型フェストゥムイドゥンに同化され、ミツヒロも自らの悲願そのものによって葬られる。憎しみという感情を学んだイドゥンは島に来襲し、ジークフリード・システム諸共総士を連れ去り、道生も犠牲になり、一騎も同化現象の進行で身体機能が大きく衰えてしまう。 多くの犠牲を出した島は北極の最終作戦への参加を決定する。そこへミョルニアが現れ、総士の生存を告げる。それと同時に共鳴核となった紅音がこれまでの会話の末に得たデータの一部を提供する。その中には同化現象の緩和方法、洋治の設計思想に基づく機体の改良方法も含まれており、北極にある紅音の共鳴核には更に多くの回答があることを知る。機体を改良したアルヴィスは総士の奪還とデータの入手をするべく薬の投与を受けた一騎と真矢、因子が定着したカノン、母の死をきっかけに立ち直った剣司の四人に出撃を命ずる。北極の天候は快晴、それに因み蒼穹作戦と名付けられた作戦が開始され、一騎達は総士を救い五人で島へ帰る決意を胸に北極へ旅立った。 そして、乙姫にも最後の時が近づいていた。竜宮島には島周囲の空気としてミールが存在していた。そのミールが生と死を誤った形で理解していたためにミール共々島が死んでしまうことを防ぐべく、乙姫は岩戸へ戻り、生と死の循環を教えるのだった。
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