Netscape Navigatorとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > Netscape Navigatorの意味・解説 

ネットスケープ‐ナビゲーター【Netscape Navigator】

読み方:ねっとすけーぷなびげーたー

米国の旧ネットスケープコミュニケーションズ(現AOL)社が開発したブラウザーソフト。2008年2月開発およびサポート終了した


Netscape Navigator (ネットスケープコミュニケーションズ)

(Netscape Navigator から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/11 14:04 UTC 版)

Netscape Navigator
開発元 ネットスケープコミュニケーションズ
最新版
4.08 / 1998年11月9日
対応OS クロスプラットホーム
種別 ウェブブラウザ
公式サイト http://browser.netscape.com
テンプレートを表示

Netscape Navigator(ネットスケープ ナビゲーター)は、ネットスケープコミュニケーションズが開発していたウェブブラウザ

Netscapeという名のつくウェブブラウザは複数存在するが、本項ではバージョン1から4について扱う。バージョン6以降はNetscape (Mozillaベース)を参照。なお、バージョン5は欠番である。

バージョン1から4

最初のリリースは1994年。この年にベータ版として公開され、同年の暮れには、修正を経た1.0が公開されていた。当初はシェアウェアとして販売され、非常に人気を博し、ネットスケープコミュニケーションズのIPOなどの基盤となる。当初は「Mozilla」という名前でリリースされる予定だったが、マーケティングの理由により、「Netscape」に変更されている。ただし、コードネームは「Mozilla」のままであり、「Netscapeと書いてMozillaと読む」などと言われた。

1995年には、クッキーフレーム[1]JavaScriptなど独自の拡張を多く備えたバージョン2.0がリリースされる。当初、JavaScriptは「LiveScript」という名称であったが、サン・マイクロシステムズと提携して「JavaScript」という名称に変更している[2]

1996年には、バージョン3.0をリリース。このバージョンは、「Standard Edition」と「Gold Edition」にわかれ、後者は電子メールクライアントWYSIWYGのHTMLエディタを備えていた。このころには、利用者シェアが70%にまで達していた。

ところが、このころになると、しばらく前から開発されていたマイクロソフトInternet Explorerが、「ウィンドウズ95」の普及と共に機能を強化し、「ブラウザ戦争」と呼ばれるシェアの争奪戦が始まる。時を同じくしてブラウザの将来性を見越した当時のAOL(現在のタイム・ワーナー)がネットスケープコミュニケーションズ買収を行い、現在も傘下に当たる。

1997年には、バージョン4.0をリリース。JavaScriptの大幅な機能強化を経るなど、ブラウザとしての機能は高くなっていったが、一方でバグや普及し始めていたCSSの解釈ミスといった機能面の弱さなどの要因により勢力を高めつつあったInternet Explorerとの競争に徐々に敗れていくようになる。実際、オープンソースになる前の1998年初頭には57%にまで落ち込んだ。

Internet Explorerがブラウザ戦争に勝った理由として、同社のPC販売網への不当な圧力(確定ではない)により同ソフトをオペレーティングシステムに抱き合わせたこと[3]や、Windows 98以降、同ソフトがOSのシェルに統合されたために、PCを導入してすぐに使える(プリインストールされている)ため、他のブラウザソフトを新たに導入する機会自体が減ったことも大きい(詳細はInternet Explorerを参照)。

さらに1997年にApple Computerがマイクロソフトと資本提携した為、Mac OS 8.5以降ではこちらが標準となった(Mac OS X v10.2まで)。

また、Webサイトを作成する側でも、レンダリングの違いから、Webサイトの製作コストを引き上げる要因でもあった。この為、管理コストを考えずに安価なWebサイトを欲するWebマスターの中にはバージョン4の頃にはWebサイトを設置しても、見る側が1割程度であればコストを掛けてNetscapeNavigatorに合わせる必要がないと判断したWebマスターも相当数存在したため、NetscapeNavigatorでは意図通りの表示の出来ないWebページが続出しシェアを下げる要因の一つともなった。1998年1月22日には、Netscape Navigator ブラウザと Netscape Communicator Standard Editionの無償化を発表し、また、バージョン4ながら、大幅な機能強化を行ったバージョン4.5を10月19日に発表するが、シェアの巻き返しからは程遠かった。

同年、ネットスケープコミュニケーションズは大きな決断をする。それは、Netscapeのバージョン5.0に相当するソースコードを公開し、ライセンスを付け、オープンソースソフトウェアとして開発するというものだった。これは、勢力を広げつつあったLinuxなどのオープンソースソフトウェアに影響を受けたもので、プロジェクト名は「Mozilla」と呼ばれるようになり、開発は「Mozilla Organization」という非営利のグループで行われることとなった。その後、1998年暮れにネットスケープコミュニケーションズはAOLに買収されることになるが、プロジェクト自体は続行されることになった。

バージョン4.0のものは、バージョン6などと並行して開発を続けられ、細かなバージョンアップをするが、2002年に、4.8をリリースして以来開発を停止している。また、このバージョンにオープンソースになったコードは使われていない。

リリース履歴

  • Mosaic Netscape 0.9 – 1994年10月13日
  • Netscape Navigator 1.0 – 1994年12月15日
  • Netscape Navigator 1.1 – 1995年3月
  • Netscape Navigator 1.1N – 1995年4月[4]
  • Netscape Navigator 1.22 – 1995年8月
  • Netscape Navigator 2.0 – 1996年3月[5][6]
  • Netscape Navigator 2.01
  • Netscape Navigator 2.02
  • Netscape Navigator 3.0 – 1996年8月19日
  • Netscape Navigator 3.01
  • Netscape Navigator 3.02
  • Netscape Navigator 3.03
  • Netscape Navigator 3.04 – 1997年10月4日
  • Netscape Navigator 4.0 – 1997年6月
  • Netscape Navigator 4.01
  • Netscape Navigator 4.02
  • Netscape Navigator 4.03
  • Netscape Navigator 4.04
  • Netscape Navigator 4.05
  • Netscape Navigator 4.06 – 1998年8月17日
  • Netscape Navigator 4.07
  • Netscape Navigator 4.08 – 1998年11月9日 (16bit版Windowsと68k Macintoshの最終リリース)
  • Netscape Communicator 4.5
  • Netscape Communicator 4.51
  • Netscape Communicator 4.6 – 1999年5月18日
  • Netscape Communicator 4.7 – 1999年9月30日
  • Netscape Communicator 4.72
  • Netscape Communicator 4.73
  • Netscape Communicator 4.74
  • Netscape Communicator 4.75
  • Netscape Communicator 4.76
  • Netscape Communicator 4.77
  • Netscape Communicator 4.78
  • Netscape Communicator 4.79
  • Netscape Communicator 4.8 – 2002年8月22日(4.x系統の最終版)

脚注

  1. ^ ウィンドウを複数の領域に分割し、それぞれの領域ごとにリソースを表示する形態。HTMLのframe要素などで構成される。
  2. ^ 当時注目を浴びていたJavaにあやかろうとした名称である。詳細はJavaScriptの項目を参照。
  3. ^ ただし、これはNetscape側も行っていた。当初Classic Mac OSの標準ブラウザとしてNetscape Navigatorが無償収録されていた(Internet ExplorerやCyberdogもバンドルされていたが)。
  4. ^ Duncan, Geoff (1995年5月1日). “Netscape 1.1N Released” (英語). TidBITS. 2023年5月11日閲覧。
  5. ^ Netscape History”. 2014年5月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年4月16日閲覧。
  6. ^ Tim Berners-Lee And The W3C”. 2008年7月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年4月16日閲覧。

Netscape Navigator

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/29 05:40 UTC 版)

ネットスケープコミュニケーションズ」の記事における「Netscape Navigator」の解説

当初機能制限設けたウェブブラウザであるNetscape Navigatorを無料配布し、機能制限のない製品版購入促す戦略をとった。事業成功し株式公開時に市場白熱した話は有名であるこの後World Wide Web利用爆発的に拡大した。 このことに触発されビル・ゲイツブラウザ開発本腰を入れマイクロソフトWindows 95発売と同時にInternet Explorerをリリース当初は有償Windows機能拡張セットであるMicrosoft Plus!一部であったが、後に無償での配布変更Windows 95後継バージョンWindows 98からは標準Internet Explorer搭載した無償であることとWindows市場占有率の高さから、自然とInternet Explorer利用者増えていった。 ネットスケープコミュニケーションズマイクロソフトシェア争い第一次ブラウザ戦争呼ばれた。しかしネットスケープはなおも有料販売モデル固執しユーザー流出を招くこととなったが、ネットスケープマイクロソフトに対し不公正な競争であるとの訴訟を起こす後にこの訴訟は、ネットスケープ買収したAOLマイクロソフト訴訟和解の際、子会社であるネットスケープ訴え併せて取り下げられた。 1998年1月、ついにNavigator無料化への変更余儀なくされるが、既にこの時点で多くの利用者Internet Explorer奪われていたため、ウェブページInternet Explorerでの閲覧優先したものが多くなっていた。その後にバージョンを出すも欠陥多くWindowsとの相性悪さ初心者戸惑わせる複雑な設定目なども敬遠されWebブラウザとしての競争力失った2011年時点でNetscape利用率0.1%未満である 1995年設立され日本法人2001年をもって解散している。 2002年Netscape 7を、2005年Netscape 8をリリースしたが、バージョン8以降英語版以外の公式版リリースされていないNetscape製品親会社AOL設立したMozilla Foundation移行し開発続けられている。

※この「Netscape Navigator」の解説は、「ネットスケープコミュニケーションズ」の解説の一部です。
「Netscape Navigator」を含む「ネットスケープコミュニケーションズ」の記事については、「ネットスケープコミュニケーションズ」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「Netscape Navigator」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「Netscape Navigator」の関連用語

Netscape Navigatorのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Netscape Navigatorのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
IT用語辞典バイナリIT用語辞典バイナリ
Copyright © 2005-2023 Weblio 辞書 IT用語辞典バイナリさくいん。 この記事は、IT用語辞典バイナリNetscape Navigatorの記事を利用しております。
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのNetscape Navigator (ネットスケープコミュニケーションズ) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのネットスケープコミュニケーションズ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2023 GRAS Group, Inc.RSS