ブックマークレット【bookmarklet】
ブックマークレット
ブックマークレットとは、Webブラウザに登録して簡単な機能を実行できるようした簡易プログラムのことである。
ブックマークレットは、JavaScriptで簡単な命令が記述されている。この命令をURLの代わりにして、Webブラウザのブックマーク(お気に入り)へ登録することにより、ブックマークから呼び出すたびにブックマークレットの機能が実行できるようになる。Webブラウザのブックマークに登録するため、Webサイトの閲覧中いつでも簡単に機能を呼び出せるという利点がある。
ブックマークレットで実現される機能は様々だが、代表的な例としては、選択した用語を特定の検索エンジンで検索したり、辞書サイトで翻訳したり、といった機能を挙げることができる。
ちなみにブックマークレット(bookmarklet)とは、ブックマーク(bookmark)に、アプレット(applet)を組み合わせた造語である。
スクリプト言語: | ECMAScript Gauche HSP ブックマークレット IronPython JavaScript JScript |
ブックマークレット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/06 02:41 UTC 版)
ブックマークレット (Bookmarklet) とは、ユーザーがウェブブラウザのブックマークなどから起動し、なんらかの処理を行う簡易的なプログラムのことである[注釈 1]。携帯電話のウェブブラウザで足りない機能を補ったり、ウェブアプリケーションの処理を起動する為に使われることが多い。
機能
ユーザーがウェブブラウザのお気に入りなどに設置されたブックマークレットをクリックすると、ブックマークレットに記述されたJavaScriptの小さなプログラムが、ウェブブラウザで起動する。プログラムはページの外観や表示を変更したり、他の場所にジャンプしたり、子ウィンドウを表示したり、ウェブブラウザで表示中のウェブサイトのURLを取得したり[1]、ユーザーに追加情報の入力を促したりする。一部のプログラムはクライアント上の処理が終わった後、ネットワーク上のサーバーにあるアプリケーションのWeb APIを呼び出して情報を渡し、処理を依頼する[1]。サーバーのアプリケーションは処理を実行し、結果をユーザーのウェブブラウザに表示する。
歴史
ウェブアプリケーションはサーバーで実行されることが多いが、クライアントのウェブブラウザで実行した方が良い処理もある。ウェブブラウザで実行するプログラムとしてはJavaアプレットがある。しかしウェブブラウザの標準機能ではないため、実行にはJava Runtime Environmentが必要で、インストールやメンテナンスが煩雑である。またJava言語で記述されたアプリケーションのサイズは大きく、サーバーからの読み込みに時間がかかる[2]。そこでブックマークに設置され読み込みが不要で、ウェブブラウザの標準機能のJavaScriptを使ったアプレットである「ブックマークレット」が考案された。
ブックマークレットの可能性は、ブレンダン・アイク(Brendan Eich)などのNetscapeシリーズの開発チームによって作られたと言われる[3]。彼らが1995年に発表したNetscape 2.0のJavaScriptにvoid演算子を実装した。ブックマークレットを実用化したのは、スティーブ・カンガス(Steve Kangas)等である[4]。カンガスは「ネットスケープ JavaScript ガイド」からヒントを得て、1998年に「bookmarklets.com」を立ち上げ、様々なブックマークレットを発表した。ブックマークレットと言う言葉はここから始まったようである。
ブックマークレットが普及したのはWeb 2.0時代である。ブロードバンド環境が普及し、ウェブブラウザからGoogleやAmazon.com、ソーシャルブックマーク、ブログなど様々なウェブ・アプリケーションを利用するようになった。Web2.0型のウェブサイトはWeb APIと呼ばれるアプリケーションプログラミングインタフェースを備えており、ブックマークレットは情報の送信手段としてうってつけだった。例えば2001年に発表された初代のMovable Typeは、ブックマークレットでブログ記事の投稿やカテゴリーの設定が出来た[5]。2003年にサービスを開始したdeliciousも、ブックマークレットから共有ブックマークの登録が可能だった[6]。しかしブックマークレットは、ソーシャルブックマークの登録数などをサーバーから継続的に受信して表示するような処理には向いていなかった。そのためブラウザにインストールするツールバーと併用された。またJavaアプレットよりは簡単といっても、ブックマークレットをウェブブラウザのブックマークに登録する必要があり、初心者にはハードルが高かった。そこで似たような機能を持ち、閲覧者はインストールが不要なソーシャルボタンが普及した。
一方、パソコン以外でもブックマークレットは普及した。PDAや携帯電話、スマートフォンなどの携帯端末のブラウザは、パソコンでは一般的なコピー・アンド・ペーストや文字列の検索が出来ない場合が多かった。[7]。そこで機能を補う手段として、ブックマークレットが使われた。
沿革
- 1995年 - ブレンダン・アイク等がNetscape 2.0のJavaScriptにvoid演算子を実装した[3]。
- 1998年 - スティーブ・カンガスがbookmarklets.comを立ち上げた[4]。
- 2001年 - Movable Typeにブックマークレットが使用された[5]。
設置
基本的にはブックマークレットのハイパーリンクをお気に入りに登録すれば、設置は完了する[7]。またdeliciousのようなソーシャルメディアはウェブサイトで、ボタン型のブックマークレットを提供している[6]。この場合、ボタンをウェブブラウザのお気に入りやブックマークツールバーにドラッグ・アンド・ドロップすれば設置は完了する。
ブックマークレットの使用例
脚注
注釈
- ^ IT用語辞典バイナリなどを参考にしました
出典
- ^ a b “Bookmarklet Tool Categories”. 2012年4月2日閲覧。
- ^ “新人IT技術者のためのJavaプログラミング入門(上)”. 2012年4月2日閲覧。
- ^ a b Willison, Simon (April 10, 2004). “Email from Brendan Eich”. SitePoint. 22 April 2007閲覧。
- ^ a b “About Bookmarklets”. 2012年4月2日閲覧。
- ^ a b c “New Release Scheduled”. 2012年4月2日閲覧。
- ^ a b c “Tools”. 2012年4月2日閲覧。
- ^ a b c “iPhone 3Gで使える! ブックマークレット大辞典”. 2012年4月2日閲覧。
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