F-X開発とは? わかりやすく解説

F-X開発

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 01:52 UTC 版)

F-15 (戦闘機)」の記事における「F-X開発」の解説

海軍TFX実用化断念後の1965年に、次期戦闘攻撃機VFAX(後に中止)や次期戦闘機VFX(後のF-14)の開発研究開始していた。空軍F-111どころかF-4さえ重すぎて制空戦闘不適考え同年4月F-X開発研究着手した1966年3月ノースアメリカン・ロックウェルロッキードボーイングの3社とTactical Support Aircraft戦術支援機に関する4ヶ月間の概念作成研究契約締結した同年9月3社の研究結果評価完了したが、開発方針決定には至らなかった。その概要以下の通りである。 機体重量27トン60,000lb+) 瞬間最大速度マッハ2.7、最大速度マッハ2.5 推力重量比0.75 F-111よりも良好な加速上昇などの飛行性能有し可変後退翼備える 中射程空対空ミサイル爆弾装備 この時期1967年7月行われたモスクワ・ドモジェドヴォ空港での航空ショーMiG-25突如出現し上空高速通過していった。周到に演出されたこのフライパスのみならずソ連はこの航空ショーに、MiG-23Su-15初めとした試作機実験機を含む多種機体第3世代ジェット戦闘機として出品し、これらに大きな衝撃受けた西側航空機専門家ソ連意図通りその実体以上の過大な評価下したアメリカ空軍首脳公開され機体対抗し得る機体自軍保有していないと考えソ連爆撃機加え戦闘機にも危機感募らせていった空軍での制空戦闘機検討時期に、各方面キーマンからファイター・マフィアと呼ばれる少人数グループ出現していた。その中の一人ジョン・ボイドは、自らのF-100による戦技教官としての経験体系化エネルギー保存則基づいた空中空戦機動理論であるエネルギー機動性理論を基にした判断により、F-X最初の提案要求RFP)を却下し最終版改定した。 空軍1967年8月マクドネル・ダグラスおよびジェネラル・ダイナミクスの2社と戦闘機に関する6ヶ月概念作成契約締結したモスクワ航空ショー翌年1968年9月に、アメリカ空軍国内航空機メーカー8社と研究契約を結びRFP出したRFP主な内容以下の通りであったマッハ0.9、高度30,000フィートにおける高G機動で異常振動生じない 上記空力特性を持つ翼を使い、広い飛行速度高度域で充分なエネルギー/運動能力を持つ 空中給油、または増槽のみで大陸間の長距離回送飛行が可能 搭載兵器は全任務に対して一人操作可能 現実的な空対空戦闘想定して4,000飛行時間疲労寿命安全係数を4として試験証明する 最新技術利用した操縦席艤装行い、特に近接格闘戦ではヘッドアップディスプレイ利用する 理論整備工数は1飛行時間あたり11.3人・時 構成機器平均故障時間上記整備工数内で対応 操縦席視界360°確保すること 主エンジン機内設備のみで起動できること 機体構造電気油圧操縦装置戦闘状況下で無事に基地帰投できる高度の生存性を持つ 対戦闘機戦闘装備状態の総重量40,000ポンド(約18.1トン)級 サブシステム構成部品装備品少なくとも試作品による実証済みのものに限る 最大速度高空においてマッハ2.5 自機よりも低高度の監視能力を持つ長距離パルス・ドップラー・レーダー備える これらに加え試作競争実施しないこととしていた。 1968年12月提出され各社案を基にマクドネル・ダグラスフェアチャイルドノースアメリカン・ロックウェルの3社を選出して、詳細提案のための6ヶ月研究契約を結び、各社期日通り設計案提出したフェアチャイルド社案は、胴体両側の変形デルタ主翼半幅にエンジンナセルを置き、二次元空気取入口から排気口一線上に配置した双発一枚垂直尾翼機体であったノースアメリカン・ロックウェル社案は、オージー翼を持つブレンデッドウィングボディ構成胴体下に二次元空気取入口付けた胴体並列双発一枚垂直尾翼機体だった。 これらに対しマクドネル・ダグラス社案の機体は、前縁45度というそれほど大きくない後退角を持つ、広い面積主翼持っていた。これは当時超音速戦闘機には、まず採用されることのないものだった。この時、マクドネル・ダグラス社は37,500ページにも及ぶ文書提出設計には大型計算機用いて数千種類機体形状検討していた。

※この「F-X開発」の解説は、「F-15 (戦闘機)」の解説の一部です。
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