国際共同開発の模索とは? わかりやすく解説

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国際共同開発の模索

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 04:39 UTC 版)

F-2 (航空機)」の記事における「国際共同開発の模索」の解説

1986年昭和61年12月には、「国内開発」「現有機の転用」「外国機の導入」の三択のうち「国内開発」を「開発」と改め、「アメリカとの共同開発」をこれに含めることとなった。年が明けた1987年昭和62年)、栗原祐幸防衛庁長官第3次中曽根内閣)はFS-X選定にあたって下記三原則示した注意すべきは第2項目で、軍事的な相互運用性インターオペラビリティ)を確保できることとの注釈がついていた。 防衛上の技術専門的見地から、日本の防衛にとって最善のものを選定する日米防衛協力体制重要性踏まえる内外防衛産業影響排除する1987年昭和62年4月11日よりアメリカ国防総省調査チーム来日三菱重工業名古屋航空機製作所三菱電機鎌倉製作所視察防衛庁日本側と意見交換行った。この時、三菱重工調査チーム招いて、自らが描いたFS-X」の説明行った国防総省側は、日本政府がどの程度出資行いどのような戦闘機生み出そうとしているのかを総合的に判断するための派遣であった一方三菱は「FS-X」を生み出す力が備わっていることを印象付けるために、この調査団査察受け入れたこの際三菱側が明かしたFS-X盛り込もう構想していた最先端技術は、主に以下の通りである。 主翼新素材の一体成形製造する技術炭素複合材最新鋭レーダー技術フェイズド・アレイ・レーダーステルス性 CCV技術 この中で、特に調査団驚かせたのは新素材技術である。従来のように鉄板張り合わせるのではないため、ボルト留め具を必要としないまた、理想的な形に成形するのが容易であり、より強くアルミニウムより軽いことから機体大幅な軽量化航続距離延長ミサイル搭載数増加望める。 また、独自開発したフェイズド・アレイ・レーダー披露行われた三菱側の技術者は、同時に複数目標捉えられるその性能から「とんぼの眼」と呼んでいた。査察終えた調査チームは、技術力そのものよりも到達目標の高さに注目した査察チーム一人は「『ニューゼロファイター』だ。日本新たなゼロファイターを創り出そうとしている」と、漏らしたという。当時素子アンテナとして利用されるガリウムヒ素化合物半導体や同結晶大半日本メーカー供給していた。 その後調査チームは「日本官民一体となって国産FS-X目指しているが、研究開発コスト莫大なものとなる。また、部分的に優れた技術有しているが、総じてアメリカ戦闘機が持つ技術水準には及ばない」との報告書をまとめた。この報告結果から、「高度な技術開発への熱意認めるが高額な航空機開発への見通し甘く費用対効果の点で疑問がある。F-16もしくはF/A-18改造開発、それで要求性能満たせない場合はF-14もしくはF-15購入が適当である」との所感表明した。この当時日本FS-X開発予算見積りは1650億円(昭和六十年度価格であった実際に倍額となったが、アメリカ自国実績から独自に6000億円が必要との見積り立てていたため、「日本独自に開発した場合FS-X予算超過頓挫する」ことを懸念した知日派親日派であってもコストパフォーマンスの点から米国導入薦めた理由である。 6月28日東京都内ホテル行われた栗原祐幸防衛庁長官キャスパー・ワインバーガー国防長官会談では日本側より「日米共同開発新しくFS-X開発したい」、アメリカ側より「米国戦闘機日米共同開発してはどうか」との意見交わされ日本単独開発を示す「国内開発」は事実上終焉迎えた。これは日本FS-X開発容認であると同時にアメリカ製戦闘機輸入またはライセンス生産要求終焉でもあった。

※この「国際共同開発の模索」の解説は、「F-2 (航空機)」の解説の一部です。
「国際共同開発の模索」を含む「F-2 (航空機)」の記事については、「F-2 (航空機)」の概要を参照ください。

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