国際共通語としての英語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 15:10 UTC 版)
意思の疎通が可能な国や地域を考慮すると、英語は世界でもっとも広く通用する言語と考えられている。英米の影響などで英語が国際共通語として使われるようになったため、外国語として英語を学習・使用する人も多い。そのため、世界各国でイギリス(イングランド)方言・アメリカ方言などの英語の枠組みを超えた「新英語」が出現するようになった。 英語は国際連合の公用語の一つであるほか、多くの国際機関において公用語としての地位を確立している。石油輸出国機構のように、英語を第一言語とする国家が加盟していないのにもかかわらず英語を公用語とする国際機関すら存在する。また、2007年時点においてインターネット上で最も使用される言語は英語であり、英語圏以外の国のマスメディアも多くの場合英語放送や英語版の発行を行っている。航空交通管制は英語での交信が原則となっている。学術分野でも英語は共通語となりつつあり、文化面でも映画や音楽などは英語使用が主流となっている。翻訳においては、英語以外の言語間で翻訳を行う場合すら、直接翻訳ができない場合はいったん原語から英語へと変換し、またそこから他言語へ変換することが珍しくない。このように経済、社会、文化など様々な分野でグローバル化に伴う英語の普及が進み、「国際共通語」としての英語の重要性は高まる一方である。こうしたことから各国でも盛んに英語教育が行われるようになり、EUでは、学校でもっとも学ばれている外国語となっている。 英語が国際共通語として使用されるようになったのはそれほど古くはなく、19世紀まではフランス語が外交用語や国際共通語としての地位を占めていたが、第一次世界大戦後から英語はフランス語と並ぶ国際語としての地位を徐々に築いていった。第二次世界大戦後イギリスは徐々に国際政治での影響力を弱めていくが、同じ英語を使用する国であるアメリカ合衆国が強い影響力を持つようになり、さらにイギリスから独立した国家群のほとんどは独立後も英語利用を続けることが多かったため、結果として英語が有用な外国語として世界に広く普及することになった。 この現況に対して、英語の影響力強化を懸念する立場からは英語が他言語を圧迫し言語帝国主義に陥っている、すなわち英語帝国主義であるとの批判も見られる。
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