D2桁シリーズ
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「ニコンのデジタル一眼レフカメラ製品一覧」の記事における「D2桁シリーズ」の解説
初心者向け~プロのサブカメラとして幅広いラインナップを有する、DXフォーマットのデジタル一眼レフカメラ群である。このシリーズは初心者にも扱いやすいよう撮影モードダイヤルなどが設定され、初めてでも一眼レフの設定に悩まされることなく使えるように工夫されている。また機械的な特徴として、D90を除く全ての機種がCCDセンサーを採用し、D40 D40x D60の3機種がカメラ本体側のオートフォーカス用モーター(以降AFモーター)を廃止している点が挙げられる。そのためD40 D40x D60の同3機種は、AFモーターを有しないレンズでのAF(オートフォーカス)が不可能となってしまった。しかし互換性は保たれており手動操作でレンズを使用する事が可能である。番号枯渇のため、2009年にD4桁シリーズへ移行した。 D70(2004年3月19日発売、DXフォーマット) - 有効画素数6.1メガピクセルDXフォーマットCCDセンサーを搭載するエントリー一眼レフカメラ。最大144コマ連写可能であることや1/8000秒高速シャッター、1/500秒のシンクロスピードの採用などD100を上回る機能を備えている。アマチュアからハイアマチュアまでの広いユーザー層に支持された。反面ファインダーにペンタミラーを採用し、撮影モードダイヤルにオートモードとデジタルイメージプログラムを採用するなどu2に相当するエントリーユーザに対する配慮や、D100との差別化を行っている。ファームウェアをアップグレードすることで、内蔵ストロボや背面モニタを除く部分でD70sに相当する機能を利用でき、さらに有償改造を行うことでD70sと同様にリモートコードの使用ができるようになる。 その他、初めてレンズキットが設定され、AF-S DXズームニッコールED18-70mmF3.5-4.5Gが付属された。これはEDレンズを3枚も使用した非常に贅沢な設計でコストパフォーマンスに優れ、デジタル時代のスタンダードレンズの先駆けとなった。2004年カメラグランプリ受賞。デジタル一眼レフカメラの普及に大きく貢献し、ユーザーの裾野を広げた。 D70s(2005年4月27日発売、DXフォーマット) - 好評だったD70の基本的な部分はそのままに、細部の改良を施したマイナーチェンジモデル。主な変更点は、背面の液晶を1.8インチから2インチに拡大、レリーズ用リモートコードの接続端子をボディーに増設、内蔵スピードライトの照射角度を18mmに拡大、標準バッテリー容量の増加などがある。これらの改良によりさらに使い勝手の良いデジタル一眼レフカメラとなっている。アルゴリズムの向上によりオートフォーカスの精度もアップした。レンズキットにはD70同様、AF-S DXズームニッコールED18-70mmF3.5-4.5Gが付属されている。 D50(2005年6月29日発売、DXフォーマット) - D70のエントリーモデル、よりエントリーユーザーを意識し新たに開発されたデジタル一眼レフカメラ。撮影モードダイヤルに「こどもスナップ」モードを加え、よりファミリー向けカメラとしての色合いが濃い機種となっている。D70sと比較すると、AE測光パターンに420分割RGBセンサーを採用。シャッタースピードが1/4000秒に、連写速度が3コマ/秒から2.5コマ/秒に制限された。また記憶媒体がコンパクトフラッシュからSDカード(SDHC非対応)に改められた。その他、サブ液晶にバックライトが付いていないことなどが挙げられる。標準レンズキットに付属するレンズはAF-S DXズームニッコールED18-55mmF3.5-5.6Gとなった。ボディカラーとしてブラックモデルの他にシルバーモデルが用意された。これはニコン製デジタル一眼レフカメラとしては初である。 D80(2006年9月1日発売、DXフォーマット) - D70sがフルモデルチェンジしたもの。CCDの有効画素数は10.2メガピクセル、オートフォーカスは11点センサー、バッテリーはEN-EL3eを採用とD200の流れをくむ。本機のファインダーは軽量化・コストダウンのためにペンタミラーを採用していた前機種D70sと異なり、D200と同等のガラスペンタプリズムを採用し視認性が向上した。ファインダー視野率もD200と同等である。相違点としてAE測光は1005から420分割RGBセンサーに改められ、シャッタースピードは1/4000秒に留まった。記憶媒体がSDHC対応のSDメモリーカードに変更され、D80以降の標準仕様となる。当機種よりカメラ内で画像が編集できるDライティングなどの機能が追加された。またレンズキットとしてD70と同じ18-70mmをセットにしたもののほかに、新たに開発された18-135mmをセットにしたものも発売されていた。さらに、2008年1月25日には手ぶれ補正機能搭載のVR18-200mmとのレンズキットが発売された。 D40(2006年12月1日発売、DXフォーマット) - D50がフルモデルチェンジしたもの。D50に続くエントリーモデルの位置付けで、コンパクトカメラからの乗り換えやファミリーまでもターゲットにしている。CCDはD50同様で、フォーカスエリアは5点から3点測距に変更して採用している。外観も大きく変化、カメラ上面に装備されていたモノクロ表示パネルを廃止して撮影モードダイヤルの配置に変更。液晶画面も2.5インチに大型化され新開発の画像処理エンジン搭載[要出典]、画像編集が容易になった。また、ニコン一眼レフで初めてAFの使用に制限が生じる機種にもなった。 D40より続くエントリーモデルの特徴として、ボディ内のオートフォーカス用モーターを廃止。オートフォーカスを鏡筒内にモーターを搭載したレンズAF-SニッコールとAF-Iニッコールに限定にしている点である。これは従来のAFニッコールのAF互換を切り捨て、普及が進んだAF-Sニッコールに特化し徹底的にコストダウンした結果である。 その徹底した割り切りより、ニコンが苦手だといわれていた軽量コンパクト化に成功。D40は本体のみで475gに達し、販売価格も非常にこなれたものとなった。 レンズキットにはAF-S DXズームニッコールED18-55mmF3.5-5.6GIIが含まれ、ダブルズームキットではAF-S DXズームニッコールED55-200mmF4-5.6Gも含まれる。2007年7月には望遠側のレンズをAF-S DX VRズームニッコールED55-200mmF4-5.6G(IF)に変更した「ダブルズームキットII」が新たに設定された。ボディカラーはD50と同様にブラックとシルバーの2色が用意されている。出荷台数は2007年3月期で約209万台へ2008年3月期には約309万台に達し、一眼レフカメラの草の根的な地位を確立した。 ボディ内にオートフォーカス用モーターが搭載されていないため、ボディのモーターを使用するレンズ(AF-S・AF-I以外)ではオートフォーカスは使用できない。 D40x(2007年3月29日発売、DXフォーマット) - D40のマイナーチェンジモデル。10.2メガピクセルのCCDを採用している他はD40と同じ仕様。D40から20gの重量増に留まり、軽量な10メガピクセルのデジタル一眼レフカメラとなった。CCDと同時にD80の内部処理を引き継ぎ連写速度も向上、シャッターの耐久性も高められた。ダブルズームキットはAF-S DXズームニッコールED18-55mmF3.5-5.6GIIとAF-S DX VRズームニッコールED55-200mmF4-5.6G(IF)。ボディカラーはブラックのみ。本機の発売後、後継のD60が非常に早いタイミングで登場したことによりわずか11か月で販売が終了された。 ボディ内にAFモーターが搭載されていないため、AFが使用できるレンズに制限があるのはD40と同様。 D60(2008年2月22日発売、DXフォーマット) - D40xがフルモデルチェンジしたもの。振動によるほこり除去機構のほか、新搭載のミラーのアップダウンで発生する空気流によりほこりを除去する「エアフローコントロールシステム」を搭載する。またレンズキットおよびダブルズームキットに付属の標準ズームレンズが手振れ補正付きのAF-S DXニッコール18-55mmF3.5-5.6G VRに変更となるが望遠レンズはAF-S DX VRズームニッコールED55-200mmF4-5.6G(IF)から変更なし。ぱっと見た目はD40やD40xと変わりないが、画像処理エンジンが画像処理コンセプト「EXPEED」搭載のものに変更になったほか、ボディの作りやダイヤル周りに変化が見られ、さらにファインダー付近にセンサーを搭載することにより、顔を近づけると液晶表示が消灯するなど、細かい変更点がある。 AFモーターが搭載されていないためAFに制限があるのはD40と同様だが、新機能のフォーカスエイドインジケーターの使用を設定する事で、従来より厳密なMF(マニュアルフォーカス)が可能になった。 D90(2008年9月19日発売、DXフォーマット) - D80がフルモデルチェンジしたもの。CMOSセンサは新開発の模様でD300よりもわずかに高感度特性が向上している。CMOSセンサは12.3メガピクセル、フォーカスポイントは11点となる。世界初の動画撮影、3Dトラッキング等を搭載。ダストリダクション、画像処理コンセプト「EXPEED」。本機よりライブビュー機能が追加され背面液晶の右に専用ボタンで利用可能になった。3型92万ドット液晶、視野率は96%。記録媒体はSDメモリーカードを採用する。本体単体の発売の他、レンズキットとしてAF-S DXニッコール18-105mmF3.5-5.6G ED VR、AF-S DXニッコール18-55mmF3.5-5.6G VR、AF-S DX VRズームニッコールED18-200mmF3.5-5.6G(IF)の3種類が発売される。ダブルズームキットはない。また発売当初に限り「D90アニバーサリーキット(限定品)」が発売された。キット内容は「AF-S DXニッコール18-105mmF3.5-5.6G ED VR、SB-400、限定ストラップ」である。2009年9月4日には、レンズのマイナーチェンジに伴い、AF-S DX 18-200mmG VR IIとのレンズキットが発売される。
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