鷹見泉石関係資料とは? わかりやすく解説

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鷹見泉石関係資料

主名称: 鷹見泉石関係資料
指定番号 130
枝番 0
指定年月日 2004.06.08(平成16.06.08)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 歴史資料
ト書
員数 3157点
時代区分 江戸
年代
検索年代
解説文: 下総国古河【こが】藩家老鷹見泉石一七八五~一八五八)の洋学地理学はじめとする科学技術などに関する幅広い学問事跡譜代大名家の家老としての情報収集あり方を示す資料群である。
 泉石は、名は忠常【ただつね】、通称十郎左衛門、字は伯直【はくちょく】、泉石の他に所【ふうしょ】、可琴軒【かきんけん】、泰西堂【たいせいどう】と号した。ヤン・ヘンドリック・ダップル(Jan Hendrik Daper)という名とValkも署名用いている。古河藩士の家に生まれ寛政八年一七九六一二歳で江戸詰となり藩主近侍天保二年(一八三一)には四七歳で家老職就いた譜代大名として寺社奉行大坂城代京都所司代老中など幕府要職歴任した土井利厚【としあつ】、土井利位【としつら】に近侍しこれを補佐している。
 土井家重臣という立場もあり、対外危機意識高まり背景に、泉石早くから海外事情関心をもち、天文暦数地理、歴史兵学など幅広く国内外から文物収集努めたまた、渡辺崋山桂川甫周などの蘭学者箕作省吾みつくりしょうご】などの地理学者川路聖謨かわじとしあきら】、江川太郎左衛門などの幕府役人谷文晁ぶんちょう】、司馬江漢画家中山三郎潁川君平【えがわくんべい】、足立左内ら和蘭通詞唐通事天文方、スチュルレル(Johan Willem de Sturler)らオランダ商館長大黒屋光太夫【こうだゆう】などの海外渡航者、砲術家高島秋帆【しゆうはん】など、当時政治文化外交中枢にある人びと広く交流をもった。泉石学問資料収集はこうした人びととの交流裏づけられている。
 鷹見泉石関係資料は、鷹見家に伝来した資料群のうち泉石職務および学問的関心から作成収集された資料で、文書・記録類、絵図地図類書籍類書状類、絵画器物類に大別される
 文書・記録類は、一〇〇冊を超える泉石自筆日記ペリー来航際し開国通商などの必要性説き泉石先見性を示す上書草稿愚意』などからなる。また将軍日光社参関係資料オランダ里程表学んで泉石刊行した日光駅里数之表』なども含む。
 絵図地図類は、泉石書写になる国絵図古河藩村絵図城郭図寺社境内図、日本全図、海外図等からなる泉石代表作新訳和蘭国全図』や『蝦夷地北蝦夷地図』を含み対外危機意識近藤重蔵【じゆうぞう】との密接な関係を反映した北方地域絵図地図類多さ特徴である。これらはまた、泉石の高い製図書写技術を示す。
 書籍類泉石書写手沢和漢書洋書で、語学教科書や『新訳和蘭国全図』作成参考資料とした地図帳など、語学地理、歴史地誌測量兵学といった実学書が多い。
 書状類は、藩主や藩の同役もとより幕府役人和蘭通詞唐通事長崎奉行蘭学者文人らからの来翰多く泉石幅広い交流を示す。日記とともに近世史研究益するところは大きい。
 絵画器物類は、泉石所用測量製図器具類や語学学習用いたオランダ語初歩教材文字板」、「彩色兵隊人形」などの舶載品々大黒屋光太夫ロシア語により「」等を揮毫した扁額原羊遊斎ようゆうさい】作の「雪華蒔絵印籠」などからなる日記書状等によってその入手跡づけることが可能なものがあり、その資料的価値高めている。
 本資料は、明治三十九年(一九〇六)東京帝室博物館において開催された「嘉永以前西洋輸入品及び参考品」の特別展観に出陳されたことによって、学術的価値の高さが注目されることとなったその後平成元年からの国庫補助事業調査によりその全容が明らかとなり、鷹見家において大きな散逸なく伝来した資料群は、平成七年および同十四年に古河市寄贈され古河歴史博物館において広く公開供されている。
 泉石永年わたって収集した知識文物は、渡辺崋山川路聖謨をはじめ多く人物の求めるところであり、幕政にあたる藩主職務貢献したことはもとより洋学界にも寄与した。本資料総体幕末政治外交文化中枢の動き伝え資料群として貴重である。
重要文化財のほかの用語一覧
歴史資料:  高野版板木  高野版板木  高野長英関係資料  鷹見泉石関係資料
絵画:  Nの家族  わだつみのいろこの宮  エロシェンコ像



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