食事の影響
【概要】 抗HIV薬の中で水に溶けやすいものと油に溶けやすいものがある。前者は空腹時に、後者は食後に服用するほうが吸収しやすい。後者の例はネルフィナビル、ロピナビル、アタザナビルなどがある。一方、食物が胃の中に入ると胃酸が分泌されて強い酸性になる。ジダノシンは酸でこわれる。食事より1時間以上前、あるいは食後2時間以上たって(食間=しょっかん)に服用しなければならない。
【詳しく】 抗HIV薬の併用療法では、薬の吸収が食事の影響を受けることがある。さらに服薬間隔も考慮が必要である。患者の日常生活のリズムを作りにくくして、服薬アドヒアランスを悪くする大きな原因になっている。

食事の影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/26 11:17 UTC 版)
母乳だけで育てる場合、乳児の栄養は完全に母乳に依存することになる。したがって、母親が健康的なライフスタイル、特に食生活を維持することが重要である。赤ん坊が大きくて成長が速い場合、妊娠中に母親が蓄積した脂質はすぐ消費されてしまい、食べても食べても母乳を作るのに追い付かなくなることがある。授乳中の食事は通常、妊娠中並みに高カロリー高栄養であるべきである。授乳中の栄養研究会(The Subcommittee on Nutrition during Lactation)は、一日当たり1500 - 1800 kcal を勧めている。栄養不足の母親からも栄養価の高い母乳は得られるが、十分な栄養を取った母親と比較すると母乳中のビタミンA、D、B6、B12の含量が少なく、乳の出も悪くなりがちである。 また、母乳栄養だけだとビタミンKが不足しがちになる。このビタミンは血液凝固に関係するので、不足すると頭蓋内出血で死亡する原因になる。日本では新生児に経口でビタミンKを投与しているが、母親自身がビタミンKを十分摂取することも重要である。また、母親がビタミンD欠乏症を発症していなくてもビタミンDの欠乏状態にある場合、乳幼児の血中ビタミン量の推奨値を下回わることがあり小児のビタミンD欠乏症であるくる病を発症することがある。特に日本では、1990年代以降美白ブームが起こり日焼け(紫外線)に対する過度な忌諱が行われる傾向にあり、くる病の報告患者数が増加している。潜在的にビタミンDが不足しやすい母乳栄養では症状の改善が遅い。 ω-3脂肪酸であるドコサヘキサエン酸(DHA)は脳などのリン脂質に含まれる脂肪酸の主要な成分であり、胎児、乳児はDHAを多く必要とする。DHAを多く含むシーフードをたくさん摂取するところほど母乳内のDHAは高く、産後うつ病の有病率は低かった。母体から胎児への転送により、妊娠・出産期には母親には無視できないω-3脂肪酸の枯渇の危険性が高まり、その結果として産後のうつ病の危険性に関与する可能性がある。ω-3脂肪酸であるα-リノレン酸からヒトの体内でDHAを合成することもできる。植物油はω-6脂肪酸であるリノール酸を多く含むものが多く、バランスよくω-3脂肪酸を摂取する必要がある。 魚に水銀が含まれるため摂取の仕方に推奨があるが、魚に含まれるω-3脂肪酸は胎児の発育を促し、水銀の少ない魚類の平均的な摂取量であれば問題は生じない。サケ、イワシ、サバ、エビ、スケトウダラ、カレイは水銀が少ない。あまり大型でない魚である。 授乳中に完全に禁止される食品はないが、母親が何か特殊なものを摂取した場合、赤ん坊にはそれに対する感受性があるかもしれない。授乳アドバイザーによっては、赤ん坊が夕暮れ泣き(baby colic、生後6 - 8週程度の新生児が決まって夕方になると泣くこと)やおならを始めたら豆のようなガスを生ずる食品を控えるように指導する。 牛乳タンパク質は、乳製品を食べた母親の母乳中からも検出される。 母乳栄養を行う母親は喫煙とニコチン摂取に注意すべきである。母親がヘビースモーカー(一日当たり20本を超える)である場合、母乳の生成が減少することや、嘔吐、下痢、頻脈、落ち着きのなさの原因になることが知られている。こういった場合、母乳栄養の利点と、ニコチンによって引き起こされる可能性のある問題のどちらが大きいかは現在研究中である。喫煙環境では乳幼児突然死症候群(SIDS)が起りやすいことも知られている。喫煙者の母親は、授乳開始前から授乳中にかけて煙草を吸わないようカウンセリングされ、節煙や禁煙について誰かに手助けしてもらうことを勧められる。 「女性と喫煙」も参照 アルコールの飲み過ぎが子供にとって危険であることも知られている。母親の養育テクニックがなかなか巧くならず、子供の体重増加が遅くなる。安全なアルコールの量がどの程度かはまだコンセンサスがない。しかし、たまに少し飲む程度なら問題がないだろうというのが一般的な見解である。しかし、一日グラス一杯のワインでも問題になると信じている人もいる。それほどアルコールを飲まなかった場合でも、母乳中のアルコール濃度は30 - 90分後にピークになる。既に知られている胎生期のアルコール曝露の危険性を考えると、医療関係者は安全側に振って、授乳中の母親はアルコールを控えるべきだとしている。 授乳中の母親がカフェインをとりすぎると、落ち着きのなさ、不眠、神経質、多飲といった状態が子供に起こりうる。授乳中の母親はカフェインを控えるべきだとアドバイスされる。 マリファナに含まれるようなカンナビノイドはAAPによって乳汁移行性のある化合物として挙げられている。研究によるとマリファナ中のある種の成分は血中半減期が極めて長い。生後1か月の間に母親の母乳からカンナビノイドを摂取したことと、その子が1歳の時に運動能力が低かったことは関連があると思われた。
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