血清亜鉛値
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 09:54 UTC 版)
亜鉛欠乏症は、通常、血清亜鉛値の低値によって診断される。日本においては、臨床検査機関において基準下限値は59μg/dLが示されている。しかし、血清亜鉛値が60〜79μg/dLの範囲においても亜鉛欠乏症を呈し、亜鉛投与で症状の改善が見られる患者も比較的多いことから、基準範囲を80〜130μg/dLとし、60〜80μg/dL未満を潜在性亜鉛欠乏、60μg/dL未満を亜鉛欠乏とすることを推奨している専門家もいる。日本微量元素学会 もこの基準を指示している。ハリソン内科学 では70μg/dL(12μmol/L)未満を亜鉛欠乏としている。 血清亜鉛値を測定する時の注意点を下記にまとめる。 日内変動があり、午前に値が高く、午後に低下する傾向を示す(約20%低下)。 食事の影響を受けやすく、食後は血清中の亜鉛値は低下するため早朝空腹時に測定する方が望ましい。 採血後遠心まで室温で放置しておくと、時間とともに値は高くなる。血清を80分放置で約1割値が高くなると報告されている。 ストレス(高値を示す)やホルモン状態(成長ホルモン欠損症や甲状腺機能亢進症では高値を示す)などの影響を受ける。
※この「血清亜鉛値」の解説は、「亜鉛欠乏症」の解説の一部です。
「血清亜鉛値」を含む「亜鉛欠乏症」の記事については、「亜鉛欠乏症」の概要を参照ください。
- 血清亜鉛値のページへのリンク