血清アルカリホスファターゼ(ALP)値
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 09:54 UTC 版)
「亜鉛欠乏症」の記事における「血清アルカリホスファターゼ(ALP)値」の解説
亜鉛酵素であるアルカリホスファターゼ(ALP)は、亜鉛欠乏の指標として有用である。神田らは、亜鉛欠乏症の発症前後の病態と血清ALPおよび血清亜鉛との関係を検討し、皮疹の出現に先立ち血清ALPの早期低下がみられることによりALPの低下が本症の早期診断に有用であると報告している。長谷川らは低亜鉛母乳による亜鉛欠乏症の乳児では血清ALPと亜鉛値が低下していたと報告した。Kasarskisらは、亜鉛欠乏症の患者では血清ALPが低値を示し、亜鉛補充療法 により血清ALP比(投与後値/投与前値)が血清亜鉛の投与前値と逆相関を示すことを報告している。このことから亜鉛療法中の血清ALP値やALP値の変動を経時的に測定することにより、潜在性の亜鉛欠乏の検出に有用であるとしている。Weismannらは、①重度の亜鉛欠乏症患者では血清亜鉛と血清ALPが低下を呈したが、亜鉛静脈投与後にいずれも基準範囲まで改善した、②腸性肢端皮膚炎患者で亜鉛経口投与を中止した時、血清亜鉛と血清ALP値がともに低下したが、亜鉛の再投与により短期間で基準範囲に回復したことなどにより、ALP値の測定は亜鉛欠乏症の診断および治療効果判定に有効であると報告している。 血清ALP値の基準値は年齢により異なる。小児期、特に思春期の成長期は血清ALPの基準値は成人に比べて著しく高い。したがって、血清ALP値を評価する時は、該当年齢の基準値と比較する必要がある。
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