血液適合性検査の干渉
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/19 08:09 UTC 版)
「ダラツムマブ」の記事における「血液適合性検査の干渉」の解説
ダラツムマブは赤血球上のCD38(英語版)と結合し、臨床的に重要な抗体のルーチン検査を妨害する。この場合、自己陽性対照を含む血液型非特異性抗体パネルが得られるが、これは臨床的に重要な抗体の存在を覆い隠す傾向がある。抗体パネルの細胞をジチオトレイトール(DTT)で処理して検査を繰り返すと、赤血球表面のCD38に対するダラツムマブの結合が効果的に無効化されるが、DTTはジスルフィド結合を破壊する事により、赤血球表面の多くの抗原を不活性化/破壊する。影響を受ける抗原系の内、一般的で臨床的に重要な抗体と関連するのはケル式血液型(英語版)のみであり、緊急輸血が必要な場合にはケル陰性の赤血球を用いたクロスマッチ試験が合理的な代替手段となる。従って、治療を開始する前には、ベースラインの抗体検査とRhおよびケル血液型(タイプとスクリーン)を行う事が望ましい。抗体検査が陰性の場合、治療中は血液型を合わせた輸血を施行する。抗体検査が陽性の場合は、特異抗原陰性の血液を輸血する。不適合は、薬の服用を中止した後も6ヶ月間は持続する可能性がある。更に、この様な検体を送る際には、常に輸血センターに通知する必要がある。 フローサイトメトリー検査との相互作用 ダラツムマブは、多発性骨髄腫のフローサイトメトリー検査にも干渉し、形質細胞が明らかに欠如する事がある。
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