食事の概要
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/21 18:08 UTC 版)
ソマリ族は遊牧民あるいは半遊牧民が多く、ムスリムが多いため、食事は主にイスラーム遊牧民食である。例えばブタは食べず、食品は保存性が重視される。穀物の他は肉と乳が食事の中心であり、いずれもヤギ、ヒツジなどから取ることが多い。ラクダを使って旅行するときにはラクダの乳を1日に10リットル近く飲む人もいる。気温が高いため、ミルクは腐敗防止のためにスバグ(subag)という澄ましバターに加工することも多い。スバグは調味料としてもよく使われる。発酵させたミルクはジノー(jinow)と呼ばれ、味はヨーグルトに似ている。その他、スパイスとしてターメリック、コリアンダー、クミン、カレー粉、カルダモン、クローブ、シナモン、セージなどが使われる。 食事パターンもイスラームの影響が強い。朝食はクラーア(Quraac)と呼ばれ、パンと紅茶の組み合わせが多く、朝の礼拝時刻を知らせるアザーンの前に採ることが多い。様々な穀物で作った粥も朝食に好まれる。昼食はカド(Qado)と呼ばれ、一日のうちで主要な食事であることが多い。昼食には米料理も多いが、旧宗主国イタリアから伝わったパスタが食べられることも多く、モガディシュなどの主要都市では特にその傾向が強い。ソマリ族は夕食を午後9時以降に食べることが多く、量は少ない。ラマダーン(日中の断食)月には季節によって午後11時頃となることもある。ラマダーン期間中に日没とともに摂る食事をソマリアではアフル(afur)と呼ぶ(イスラム世界では普通イフタール(英語版)と呼ぶことが多い)。食事は女性が作ることが多く、パンや粥に用いる穀類の調整や製粉も主婦の仕事である。
※この「食事の概要」の解説は、「ソマリ料理」の解説の一部です。
「食事の概要」を含む「ソマリ料理」の記事については、「ソマリ料理」の概要を参照ください。
- 食事の概要のページへのリンク