食事の終了
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 04:47 UTC 版)
短期的な満腹信号には、頭、胃、腸、肝臓から発生するものがあり、長期的な満腹感をもたらす信号は、脂肪組織から送られる。 食べ物の味や匂いは、短期的な満腹感につながり、体が食べるのをやめるタイミングを知ることができる。 胃には、満腹になったかどうかがわかる受容体が存在する。また、腸には、脳に満腹の信号を送る受容体も存在する。十二指腸から放出されるコレシストキニンは、胃が空になる速度を制御する働きがあり、これは、脳に向けての満腹の信号と考えられている。ぺプチド YY 3-36は、小腸から送られるホルモンであるが、脳への満腹の信号としても利用されている 。インスリンもまた、同様の役割を果たしている。脳は、血中のインスリン濃度を感知し、そこから、細胞に栄養が取り込まれ、ヒトが満腹になっていることを示す。長期にわたる満腹感は、脂肪組織に蓄えられた脂肪に起因する。脂肪組織は、レプチンという、食欲を抑えるホルモンを分泌する。脂肪組織に起因する、長期的な満腹感の信号は、短期的な満腹感の信号を制御する。 満腹感は生理現象以外に、生体の嗜好の認知にも左右される。例えば、同じ食品を食べ続けた場合「美味しい」という感性が低下し、それ以上食べることができなくなるが、食後のデザートが現れると別の食欲が湧き美味しく食べられる、いわゆる「デザートは別腹」現象がある。こういった現象は感性満腹感と呼ばれている。
※この「食事の終了」の解説は、「食」の解説の一部です。
「食事の終了」を含む「食」の記事については、「食」の概要を参照ください。
- 食事の終了のページへのリンク