菰沢中学校
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「咲-Saki-の登場人物」の記事における「菰沢中学校」の解説
椋 千尋(むくのき ちひろ) 県大会7連覇中の強豪校、菰沢中学校の1年生にしてエース。3月2日生まれ、O型。あだ名はちひ。初対面かつ年上の相手でも無邪気に仲良くなろうとする、天真爛漫な(悪く言えば無遠慮な)性格。小柄さも相まって実年齢よりも幼く見え、小5の時に出会った行長柚葉には「あなた小3くらいでしょう」と言われていた。当時はあまりの強さに同級生から対局を忌避されていたが、後述の連荘で打ち負かしてもなお立ち向かってきた柚葉を尊敬し「大好き」と慕っている。 小学生時代、元インハイチャンプのプロである八道花音たちを相手に3戦し、全てトップを取った神童。にもかかわらず公式戦の実績は無く、実体はベールに包まれていた。中学の地区大会においても、「全国のライバル校にデータを取られたくない」という監督の意向で大将に置かれ、先鋒~中堅で3連勝して手の内を隠してきたが、県決勝では大将戦へもつれ込み初のお目見えとなった。 親番に強く、30符1翻1500点(+積み棒)で延々と連荘する。この時、他家は手なりでは和了ることができず、手牌からは想像できないような手作りをしなければならない。また、他家が和了れる状況で鳴く(鳴きを誘う)ことでズラして阻止など、他家の手やツモ牌が見えていると思しき描写がある。 団体戦大将戦では+133500点かつ他家全員トビという驚異的な成績で圧勝。慕を除く全選手に県下最強ではないかと目される。柚葉たちによれば「二翻しばりも八連荘もないこのルールでは誰もちひを止められない」らしく、これでもごく一部の力に過ぎないという。直後の個人戦では慕、柚葉、曖奈と同卓。得意の連荘で一時はトップに立つも、曖奈のセオリー外の打ち筋で親を流されつつトップを奪還された上、序盤に柚葉を狙い撃ちして凹ませた影響で柚葉が差し込みを拒否して慕にトバされたため、二度目の親番を迎えることなく3位確定してしまった。 試合当日にサボって雲隠れしたり、平然と遅れてきたりする。その理由を問われて「緊張すると逃げ出したくなる」と答えていたが、口元には笑みが浮かんでおり、真意は不明。 高校は大阪の千里山女子へ進学。つまり、怜たちの遠い先輩にあたる。高校時代の小鍛治健夜が「自分より強い高校生」と評価した6人のうちの一人に彼女と思しき人物がいる。 行長 柚葉(ゆきなが ゆずは) 菰沢中の先鋒。3月5日生まれ、AB型。あだ名はゆず(ユズ)。大きな瞳孔と独特な睫毛、ゴーグルが印象的。普段はクールだが、時として満面の笑みや怒りといった感情が表に出ることも。 小6の頃に千葉から島根へ引っ越し、黒松海水浴場の砂浜に佇んでいたところ、千尋から強引に観光案内されたのが二人の出会い。千尋の雀力に絶望してもすぐ立ち直る気丈さで、千尋のことが「好きだからこそ対等でありたい」と願い、千尋のマンツーマン指導を受けてきた。これにより、中1の時は補員だったのが、中2ではエース区間の先鋒を任されるほどの成長を見せている。 いい予感があまり外れない予知めいた勘の持ち主。「リーチをかけるときは和了れると思うから」「和了れる予感がまるでない(のでオリる)」というオカルト派で、ダマ満貫確定手でリーヅモ、初手で対子落としといったセオリー外の打ち筋を見せる他、下家を鳴かせにくい。千尋に見出されたのも、「海を見ている時に大事な人と出会う」確信があったため。 県大会団体戦で慕と対局。的確な差し込みで窮地を乗り切った慕に警戒を強め、スパートをかけて5万点差以上引き離すが、強者に触発され覚醒した慕の猛追によりトップを奪われた上、慕の親リーを恐れた石原依奈の安手出和了りに阻まれ、慕に逃げ切られてしまった。しかし、この放銃で慕も親倍を流されたため、終了時に慕+32800点、柚葉+24700点と大敗することなく、大きな黒字で次鋒へと繋いだ。慕は「強かったです」「4万点近く稼いでからはほとんど鳴かせてくれなかった」と評し、本人も「カタキってほどやられてない」と語った。 慕との再戦となった県個人戦では、東パツで+23700と引き離したものの千尋の倍直で稼ぎの大半を失い、その後は他家3人のツモ和了りで徐々に削られ、南入を迎えないままトバされてしまった。とどめを刺されたのは再覚醒した慕の圧倒的な連荘で、トップ曖奈の当たり牌を察知して止めたのがかえって災いし、慕の親を流せる唯一のチャンスを逃したことを涙ながらに千尋に謝った。その際、千尋からは上述の倍直を挙げて「ユズは悪くないよ」と慰められた。 高校は千里山女子。高校時代の小鍛治健夜が「自分より強い高校生」と評価した6人のうちの一人と思われる。 永見 知子(ながみ ともこ) 菰沢中の次鋒。4月30日生まれ、A型。あだ名はトモ。ボサボサ頭かつ半目という気だるそうな雰囲気とは裏腹に、試合会場へ来ようとしない千尋を探して連れ戻し、慕に敗れた柚葉を気遣うなどチームメイトへの面倒見はいい。 県決勝で閑無と対局。先鋒の柚葉が真っ向勝負で突き放すのとは対照的に、付かず離れずを維持しつつ策を弄するタイプ。勢いに乗る閑無に対し、鳴き清一色を匂わせるブラフで足を止めた後、オーラスで「二軒リーチの現物」「マイナーで読まれにくい三色同刻」「スジ引っかけ」「地獄単騎」と、閑無一人に狙いを絞って幾重にも罠を張り巡らせ、満貫を直撃。リーチ棒2本と積み棒を加えて、わずか100点差でトップをまくった。その中学生らしからぬ老獪な打ち筋は、閑無だけでなく控え室で見ていたはやりや杏果さえも戦慄させた。 この上なく緻密な手で勝利したにもかかわらず、試合後は閑無やチームメイトに対し「運が良かった」と奢らない姿勢を見せた。ただし、閑無に対しては勝負手が入った際に不敵な笑みを浮かべており、「まんまと引っかかってくれる相手でラッキーだった」という皮肉にも取れる発言である。 前年度の大会でも当時の湯町中最強の選手を破った経歴があり、湯町にとっては2年連続で部内ランキング1位を倒された因縁の相手。 お気に入りのぬいぐるみがないと眠れないという意外と幼い一面があり、合同合宿ではぬいぐるみを忘れて落ち込んでいた。全国大会ではぬいぐるみを忘れず持ってくることができたことに安堵の笑みを浮かべていた。 楫野 結衣(かじの ゆい) 菰沢中の中堅を務める部長。5月19日生まれ、A型。千尋や盆子原美緒からは、冗談めかして「社長」「係長」と呼ばれる一幕も。 真面目そうに映るが、対局で優れた打ち手を見ると「擂り潰したい」とサディストの本性を現し、挑発的な言動を取るようになる。 県決勝で杏果と対局。杏果と同じく手が縦に伸びるタイプで、刻子ができやすい杏果に対して結衣は対子が多く集まる。これにより七対子を和了りやすい他、一盃口を作ることで順子手にするという応用も可能。その特性上、杏果と対子の持ち持ちになった場合、結衣は七対子等で和了れるが杏果はカラのシャボ待ちとなるため、杏果にとっては天敵と言える打ち手。結果、「今はかなわないや…」と杏果を屈服させるほど圧倒し、菰沢の2勝目を挙げつつ、総合点においても湯町をまくった。 個人戦では慕、閑無、悠彗と対局。速い上に読みにくい手で閑無と悠彗を圧倒して短期決戦を狙うが、閑無を凹ませたことが仇となり慕の古役連続和了がスタート。閑無トビと同時に大まくりを決められ2位となった。 盆子原 美緒(ぼんこはら みお) 菰沢中の副将。10月1日生まれ、O型。あだ名はボンコっち。身長184cmという大柄さで、普段はくだけた雰囲気の三枚目だが、試合で熱が入ると別人のように凛々しくなる。 県決勝ではやりと対局。はやりに匹敵する速攻派で、10巡以内の和了りは当たり前、最も速い時はわずか5巡という猛スピードを誇る。東一局では、はやりの連荘および吾郷佐知子の役満ツモによって大きく削られ、トップと44400点差をつけられたものの、そこからは速度を活かした和了率の高さで徐々に追い上げていき、南三局でついに逆転。しかし、オーラスではやりから執念の跳満親被りを受け、わずか600点差でトップ陥落してしまった。なお、はやりもトップに届かず美緒とほぼ同点で、湯町・菰沢の双方が勝ち点を得られないという、引き分けに近い結果となっている。 他家全員が菰沢3勝を阻止すべく共闘する中でさえ和了りを重ねる強者であり、はやりからは「相手の技量を信用するからこそ」と高く評価された。 時山 明子(ときやま あきこ) 菰沢中麻雀部の監督。167cm、O型。曲者ぞろいの菰沢を束ねるガングロ風の女性。先鋒戦が始まった後で作戦を伝えたり(つまり柚葉は作戦内容を知らなかった)、全力で叩き潰す方針を途中で変えたりとややルーズな性格。しかし、想定外の事態に動じない大らかさもあり、柔軟で落ち着いた雰囲気を漂わせている。わりと男勝りな気質で学生時代に髪を切ったときに父親にブーイングされても反論して口を利かなかったほど。 県大会の後に母方の親戚の家の民宿を借りて、団体戦・個人戦上位だった学校を集めて合同合宿を開催する。基本的には裏方に徹しつつも合宿に参加している選手の分析を進めており、慕の潜在能力を「のちに全日本を背負って立つかもしれない」ほどのものと評価した。 私生活では一応結婚願望はあるものの、職業柄変化がないまま年月が過ぎ去りつつある現状に焦りを抱きつつある。
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