華麗な宮廷文化のパトロンとしてとは? わかりやすく解説

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華麗な宮廷文化のパトロンとして

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 09:38 UTC 版)

アリエノール・ダキテーヌ」の記事における「華麗な宮廷文化のパトロンとして」の解説

祖父譲り文化人で、フランスで培った学問十字軍体験通して学んだ東方文化などを吸収したアリエノールは、吟遊詩人(トルバドゥール・トルヴェール)たちや物語作家年代記作家たちなどを引き付けて宮廷文化を花開かせた。始まりヘンリー2世1153年イングランドへ旅立ち、夫から留守託されアンジェからで、吟遊詩人として有名なベルナール・ド・ヴァンタドゥールアンジェ宮廷へ迎え入れた。ここでアリエノールから着想得たベルナールは彼女をモデルにした架空恋愛詩を多数制作、彼女への思慕プラトニックな愛を表現した作品生み出したベルナールは後にヘンリー2世からアリエノールとの関係を疑われイングランドへ連れていかれるも、彼との交流アリエノール恋愛テーマにした疑似裁判『愛の宮廷』の参考にしたという。 また、ベルナールの詩には恋愛物語の主人公トリスタンとイゾルデ』を引き合い出した作品もあり、この物語含めアーサー王物語』に組み込まれ数多く物語生み出した物語作家たちはアリエノール宮廷集まりアーサー王物語騎士道物語宮廷恋愛混じり合った作品として開花アリエノールもまたアーサー王物語当時粗野なイングランド宮廷洗練させるのに利用したため、アリエノール宮廷からヨーロッパ東方へと広まっていった。時あたかもアーサー王物語原型である『ブリタニア列王史』完成した時期に当たり(作者ジェフリー・オブ・モンマス1155年死去)、ウァースマリー・ド・フランスクレティアン・ド・トロワ、ブノワ・ド・サンテ=モール英語版)、ブリテンのトマアリエノール周りから輩出した詩人たちがアーサー王物語普及一役買い、アリエノール献上されたり彼女の宮廷モデルにした作品発表された。前者ウァース『ブリュ物語』サンテモールの『トロイ物語英語版)』、後者トロワの『エレックとエニード(英語版)』、『ランスロまたは荷車の騎士』が挙げられるヘンリー2世プランタジネット朝権威強化利用するためアーサー王物語普及尽力アーサー王関連遺品発掘や王の遺体埋葬されていたというグラストンベリー修道院英語版)の再建乗り出し夫婦揃ってアーサー王物語ヨーロッパ根付かせることに貢献した次にアリエノール宮廷文化広めたのはポワティエで、ヘンリー2世とは別居状態でポワティエ移った時期に当たる。夫がトマス・ベケット権力争いをしている最中に、アリエノールアキテーヌ荒廃した領地再建リチャード権威確立尽力する傍らで、ポワティエ華麗なイベント開催馬上槍試合行列祝祭・詩の催しなどを開いて南仏多く貴族騎士たちを招待した。そこで一緒に過ごす子供たちと共に統治し、夫と対立してまでも子供たち権力保全尽く一方ポワティエ宮廷騎士道精神当時宮廷趣味中心地に置き、封臣たちや詩人たちの上君臨していった。 またポワティエでも粗野な貴族たちの子弟の教育に当たり、恋愛規則作りそれを通じて貴族たちの振る舞い洗練させることを思い立った。この計画ルイ7世との間の長女マリーに託し、彼女は宮廷付き司祭アンドレアス・カペラヌス(英語版)がオウィディウスの『恋の技法英語版)』を引用しつつも内容変化して書いた恋愛論』(正しき恋愛技法論とも)を参考にして『愛の宮廷』を開き男女間の恋愛疑似裁判持ち込み貴婦人判決を下す変わった催し行った。愛の宮廷自体単なる空想遊びに過ぎなかったが、疑似裁判通じて男性女性に愛を捧げる騎士道精神宮廷恋愛理想とした『恋愛論』の思想ヨーロッパ宮廷広まり騎士愛す貴婦人への服従主従関係擬せられ、貴族階級流行となっていった。 ポワティエ宮廷1174年ヘンリー2世軍勢によりアリエノール捕らえられたため閉鎖されたが、宮廷文化受け継がれていったアリエノール文化的気質受け継いだのは同名四女エレノアで、カスティーリャ王アルフォンソ8世嫁いだエレノアは母と同じく吟遊詩人たちのパトロンとなり、カスティーリャ宮廷ポワティエ同様の華やかな雰囲気変えていった。こうして、ポワティエ宮廷文化カスティーリャブルゴストレド広まっていった。

※この「華麗な宮廷文化のパトロンとして」の解説は、「アリエノール・ダキテーヌ」の解説の一部です。
「華麗な宮廷文化のパトロンとして」を含む「アリエノール・ダキテーヌ」の記事については、「アリエノール・ダキテーヌ」の概要を参照ください。

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