イングランドへ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 03:47 UTC 版)
「ヘラルト・ファン・ホントホルスト」の記事における「イングランドへ」の解説
イングランド王チャールズ1世 の姉で、プファルツ選帝侯妃エリーザベトは、領地をハプスブルク家に奪われオランダへ亡命したが、そこで彼女はホントホルストを援助し、彼女の子供たちに絵を教えてくれるよう依頼した。そのため彼は宮廷に出入りするようになり、彼を知ったチャールズ1世が1628年にホントホルストをイングランドへ招聘した。彼はイングランドで数点の肖像画、大きな寓話画(現在ハンプトン・コート宮殿蔵)を描いた。この寓話画には、チャールズ1世と王妃ヘンリエッタ・マリア・オブ・フランスがアポロとディアーナとして描かれ、2人を迎える群衆の中に描かれたバッキンガム公ジョージ・ヴィリアーズはメルクリウスの姿にされており、エリーザベトの子供たちが守護天使として描かれている。 ホントホルストの『キリスト降誕図』を見ると分かる通り、夜の光景の中にどの登場人物も入れて姿を変えてしまうのが彼の習いであった。マグダラのマリアの改心を描いたコレッジョの作品が根拠となっているが、コレッジョ作品全てが根拠となっているのではない。しかしこの気まぐれの作品は不運なことに、コレッジョとレンブラント作品においてマグダラのマリアをモデルとした絵が高尚とされたことから、ホントホルスト作品は彼の手による空想の産物になった。彼は、平凡な画風は庶民の表現力よりさらに能力がないとした。芸術は、これら珍奇な酔狂の写しからわずかに得られるとした。ドイツ人画家で芸術史家ヨアヒム・フォン・ザンドラルトは、この時期のホントホルストの人気ぶりの度合いを、「彼は一時期20人ほどの徒弟を抱え、その門下生はそれぞれ師匠に年100もの申込書の謝礼を支払っていた」と言及している。
※この「イングランドへ」の解説は、「ヘラルト・ファン・ホントホルスト」の解説の一部です。
「イングランドへ」を含む「ヘラルト・ファン・ホントホルスト」の記事については、「ヘラルト・ファン・ホントホルスト」の概要を参照ください。
- イングランドへのページへのリンク