騎士道物語とは? わかりやすく解説

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きしどう‐ものがたり〔キシダウ‐〕【騎士道物語】

読み方:きしどうものがたり

1213世紀欧州発達した騎士道貴女崇拝主題とした物語文学総称韻文または散文作られ、主にフランス・ドイツ・イギリスで、吟遊詩人たちによって弾き語りされた。


騎士道物語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/26 04:03 UTC 版)

騎士道物語(きしどうものがたり、フランス語: Roman courtois, Roman de chevalerie; 英語: Romance, chivalric romance; スペイン語: Libros de caballerías, Romance)とは中世ヨーロッパに発展した文学のジャンルで、騎士道をテーマとする韻文および散文の物語。宮廷文学、ロマンス、騎士道ロマンス、騎士文学、騎士道小説ともいわれる。騎士の武勲や恋愛を取上げている。

11世紀頃からフランスを中心に発達し、吟遊詩人により歌われた武勲詩(シャンソン・ド・ジェスト)がさらに発展したものである。初期は韻文作品のみだが、後期には散文作品も作られた。それまでのラテン語ではなくフランス語スペイン語などのロマンス諸語で書かれたという点も重要である。つまり重々しさのない庶民の言葉で語られ、記述された。

本来は騎士の武者修業(Knight-errant)について書かれた物語であるが、典型的なストーリーは、騎士が見知らぬ土地を冒険し、美しい貴婦人の為に住民達を苦しめる強大な敵(しばしばドラゴン巨人といった想像上の怪物を含む)を倒し王に認められるというもので、ヒロイック・ファンタジーや恋愛小説の原型といえる。

騎士道物語は16世紀までに最盛となりその後下火となる。セルバンテスによる17世紀の大作『ドン・キホーテ』は、スペイン文学の画期となり古典となったが、それ以前に乱造された騎士道物語を風刺したパロディであった。なお作中でドン・キホーテが愛読する作品は『アマディス・デ・ガウラ』と『ティラン・ロ・ブラン』である。

「ロマンス」の語が後に恋愛小説を意味することになるのは、後期のフランス騎士物語が宮廷恋愛に重点を置くようになった事を発端とし、ホレス・ウォルポールによる『オトラント城奇譚』を経てアン・ラドクリフらの活躍以後、すなわち18世紀末以後の傾向である。

騎士道物語とよく似た主題あるいは筋書きは、近・現代のファンタジー文学の成立(ウィリアム・モリスロード・ダンセイニJ・R・R・トールキンら)を経由して、映画(『スターウォーズ』など)、漫画ロールプレイングゲーム(『ダンジョンズ&ドラゴンズ『ドラゴンクエスト』シリーズなど)に形を変え、現代まで展開されている。

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