義とは? わかりやすく解説

ぎ【義】

読み方:ぎ

[音](呉)(漢)

学習漢字5年

人のふみ行うべき正し筋道。「義務義理恩義信義仁義正義大義忠義道義徳義不義

私欲捨て公共ためにすること。「義塾義倉義捐金(ぎえんきん)」

意味。主旨。「意義奥義疑義教義原義語義広義講義字義多義・定義・本義・名義

血縁でなく約束つながった関係。「義姉義父義兄弟

実物のかわり。仮の。「義眼義歯義足

名のり]あき・いさ・しげ・たけ・ただし・ちか・つとむ・とも・のり・みち・よし・より


ぎ【義】

読み方:ぎ

儒教における五常の一。人として守るべき正し道。道義。「仁・—・礼・智・信」

道理条理

意味。意義。「読書百遍(ひゃっぺん)—自(おのずか)ら見(あらわ)る」

教え教義

血縁上のものでない義理の関係。「—を結ぶ」


ぎ 【義】

中国では「義は宜(よろし)なり」(『中庸』その他)として、ことがら妥当性をいう。即ち正し筋道のことであって儒教では五常仁義礼智信)の一つとして重視する筋道立てる心を忠義とか正義とか義理といい、正義のための行動義援(捐)・義侠などという。ものごと内容をもいう(意義字義教義など)。また仮にそのものにすることにもいう(義兄弟義足)。キリスト教では、神と人間それぞれの特性正しさを義という。

義(ぎ)

作者綱淵謙錠

収載図書
出版社中央公論社
刊行年月1988.3

収載図書代表作時代小説 31(昭和60年度) 〔普及版
出版社光風出版
刊行年月1990.6

収載図書
出版社中央公論社
刊行年月1995.1
シリーズ名中公文庫


作者綱淵謙錠

収載図書
出版社中央公論新社
刊行年月2001.9
シリーズ名Chuko on demand books

収載図書時代小説人物日本の歴史 戦国
出版社小学館
刊行年月2004.3
シリーズ名小学館文庫


出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/08 08:12 UTC 版)

(ぎ)は、人間行動・思想・道徳で、「よい」「ただしい」とされる概念である[要出典]義人とは「堅く正義を守る人。わが身の利害をかえりみずに他人のために尽くす人」(広辞苑第6版)。 対義語で、行動・志操・道徳が「わるい」「よこしま」を意味する概念は「」(かん)という[要出典]

漢字における「義」には、本来「外から来て固有ではないもの」という意味があり、義手・義足や義父母・義兄弟などの語にはこうした意味があるが、後には血縁関係にない仲間同士を結び付ける倫理を意味するようになった。更に時代が下って後漢末期に入ると「他者と共同で行う第三者のための事業」という意味も発生し、義舎・義学・義田などの無償の施設などを指す言葉としても用いられた[1]

儒教における「義」

儒教におけるは、儒教の主要な思想であり、五常(仁・義・礼・智・信)のひとつである。正しい行いを守ることであり、人間の欲望を追求する「利」と対立する概念として考えられた(義利の辨)。孟子は羞悪の心が義の端であると説いた。羞悪の心とは、すなわちわるく・劣り・欠け、あるいはほしいままに振舞う心性を羞(は)じる心のこと。

仏教における「義」

仏教におけるは、仏教そのものの思想ではなく、中国における義の観念と結びついた事業を指す語として用いられた。後漢末期から南北朝時代にかけての中国では戦乱によって多くの人々が故郷を離れて流浪し、それまでの血縁・地縁による結合が解体した。折しも仏教の中国伝来と重なる時代であり、大乗仏教が持つ利他思想と他者と結びつく・救済するという中国の義の観念が融合して、同じ仏教徒の間で血縁や地縁を越えて共同して造寺・造仏・慈善事業が行われた。中国ではこうした集団を「法義」や「邑義」と称し、朝鮮半島や日本では「知識」と称された[1]

キリスト教における「義」

キリスト教におけるという訳語は、ギリシア語でΔικαιοσυνη dikaiosynee ディカイオシュネーと呼ばれるもので、の対立概念とされる。これは他者に対して義(ただ)しい、誠実な、偽りのない態度で臨むこと、またそのような態度が可能であるの状態をいう。義しい人を義人と呼ぶ。

福音書パウロ書簡などで主題化される。

によって「義とされる」(義とする:ディカイオオー)ことも同じ問題圏に属する。

真に義であるのは神のみである(「義人はいない」)が、人間は神を信じることにおいて義さに近づくことができる。信じないことは不義と同義であるとされる。『ヤコブの手紙』によれば義しさは、神への信仰を表明することのみならず、他の人間に対する行為において現れる。

ルターは人が行動において義とされること(行為義認)を否定し、信仰によってのみ人が義とされる(信仰義認)と考え、それまでのキリスト教で行われていた苦行断食などを否定した。

諱における「義」

(よし)は、清和源氏足利将軍家武将・当主の諱において代々用いられた通字である。足利将軍家では、二代将軍・足利義詮以来、将軍は義の字を上にして、義満義持などと名乗った。

当時、武士社会では主君より諱の一字を受けることが家臣の栄誉と考えられており、将軍の諱も臣下たる守護大名戦国大名に尊重された。故に各地の大名は幕府に寄進し、義の字ないし将軍の諱のうちの一字を賜った。これを一字拝領、一字書き出し、偏諱などともいった。足利義晴の時代にも、義の字を受けた武将として、大内義隆、晴の字を受けた武将に武田晴信 伊達晴宗 長尾晴景などがいる。義の字を受けようとする者は、幕府に500貫以上の献金を要し、諱の下の文字は300貫とされた。

今日でも人名において広く用いられている。

日本語における「義」

(ぎ)は日本語漢字を用いる際の「意味」を表す。漢字の三要素は字形、音、字義とされている。用語を判断する基準となる。

脚注

  1. ^ a b 竹内亮「知識結集の源流」『日本古代の寺院と社会』(塙書房、2016年) ISBN 978-4-8273-1280-5

関連項目

外部リンク


出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/19 02:50 UTC 版)

嘸蝦米輸入法」の記事における「義」の解説

字根の意味からアルファベット連想するもの。

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「義」を含む「嘸蝦米輸入法」の記事については、「嘸蝦米輸入法」の概要を参照ください。

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出典:『Wiktionary』 (2020/02/29 23:25 UTC 版)

発音(?)

名詞

  1. 儒教徳目のひとつ。孔子重視した」に次ぐものとして孟子により強調される。仁が社会一般における普遍的な道徳観であるのに対して、義は個別具体的な行為に対して正しくむくいること(恩義:対し正しく報いること、義務 等)を重視する
  2. キリスト教概念で、「」に対立する概念ギリシア語ディカイオシュネー(Δικαιοσυνη)、ラテン語ユスティティア(justitia(iustitia))の訳。
  3. 道義
  4. 道理条理
  5. 意味
  6. 血縁によらない関係

熟語


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