海賊と女王
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/15 08:52 UTC 版)
「スカーレット・ウィザード」の記事における「海賊と女王」の解説
ケリー・クーア 声 - 藤原啓治 → 櫻井孝宏(「幻の邂逅」) 「海賊王(キング・オブ・パイレーツ)」の異名を持つ宇宙一の船乗り。通称キング・ケリー。王と呼ばれるにも関わらず配下を持たない一匹狼であることでも有名。紫を帯びた黒髪に琥珀色の瞳を持ち、196cmの長身に、無駄のない引き締まった肉体の、絶世の美男子である。年齢は30歳前後。右目は義眼で、相棒のダイアナが開発したスパイ・アイになっていて、常にダイアナとリンクしている(操船時にダイアナと同調するためのツールでもある)。 10時間に及ぶ追い駆けっこの末にジャスミンに追いつかれ、婚姻届にサインすることになりケリー・クーアと名乗ることに。その時設定した表向きの元職業はゲートハンターで、名は「ケリー・フライト」。結婚時に顔を整形しており、絶世の美男子から愛嬌のある美男子となっている。 ジャスミンが追いかけっこの最中に見せた体当たりで、ジャスミン死亡から約7年前、中古の代替船に乗っていた際追いかけてきた連邦軍の戦闘機の乗り手であることに気づいて興味を持ったため、結婚に承諾したらしい。 5万トン級の外洋型宇宙船の船長にして唯一の乗務員。「ケリーは私の一部よ」と、その感応頭脳であるダイアナに言わせるほど、ダイアナとの相性は最高。 未発見の貴重な門(ゲート)を数多く知っている人物であり、その中には、超稀少ともいえる鉱石が大量に採れる場所に通じる門も含まれている為、連邦、海賊問わず多くの組織から狙われたり、勧誘を受けたりする。もっとも、民間を含めた共和宇宙で活動する宇宙船乗りの中でかなり伝説めいた噂話が広まっていることもあって、その双方に彼のファンが数多く存在するが。 出自に秘密があり、本当の名前はケリー・エヴァンスなのだが、彼自身はその名前を使うことはせず、彼の過去を知る者、知ろうとする者は例外なく消されて来た。 作中で、ガイアの好意で「幽霊星」と名高い惑星ボンジュイの地表に降り立ち、花を持ち帰った。また、ラー一族の心理操作を受けない魂を持つ人間であることが判明。 ジャスミンとは、強力な総帥の存在がなくとも財閥がうまく機能するようになり、総帥の座を息子に渡してから、クインビーを乗せて海賊業に戻る約束をしていたが、彼女が冷凍睡眠状態になったため「死亡」と発表せざるを得なくなってしまい、以降ダニエルが総帥を継げるようになるまで財閥の3代目総帥としてその権力を行使する道を選ぶ。 ジャスミン曰く、「殺しても死なない男」「本当だったら5回は死んでいるはずの男」。相棒であるダイアナにすら「ケリーに常識を求めるだけ無駄」「門絡みだけで10回は死んでなきゃおかしい人」と言われている。その技量は、通常は安定度90以上ないと跳べない門を、かなり低い安定度でも跳んでしまう。海賊船でも85以下は自殺行為といわれるが、ケリーは100万トン級のクーア・キングダムで安定度47の門を跳んだ(これを知ったジャスミンは「そこまでの変態とは思わなかった」と言い切った)。本人は、経験と勘を頼りに、乱れている安定度の数値が安全域に達したほんの一瞬を狙って跳んでいる模様。 ジャスミン・ミリディアナ・ジェム・クーア 声 - 皆川純子 → 日笠陽子(「幻の邂逅」) 宇宙最大の企業・クーア財閥の「女王」にして、無敵の戦闘機乗り。威風堂々・迫力満点、191cmの長身を誇り、同じく長身のケリーと並ぶと目立つことこの上ない。しかし、鍛えられた身体はスタイルもよく、無駄なく引き締まっているため、「比較対象がなければ175cmくらいにしか見えない」と評されたこともある。その特徴は鮮やかな赤い髪で、ダニエル出産後から伸ばし始める。 自分が存在した証として子供を作ろうと、25歳から本格的に、本人言うところの「種馬」を探し始めた。その相談を受けた父の遺言によって、30歳までに結婚を余儀なくされるが、彼女が選んだのは裏社会で最も名高い海賊王であった。なお、ケリーを見つけ出して強引に口説いたのは28歳の終わりというより、29歳になる数日前である。 愛機は「この時代において」果てしなく常識を逸脱した高性能と非安全性を持つ小型外洋宇宙船「クインビー」。 14歳の時に「どうせ30歳で死ぬのなら、やりたいことをやる」と、身体を鍛えはじめ、その後、連邦軍に一兵卒のジェム・クーアとして入隊する。ただし、入隊までの間、表向きには名門女学校の「エクセルシオール」へ入学したことになっていた(在籍中は家庭教師に教わりながら、どうしても欠席できない行事のみ参加して、在学していたことにしたらしい)。 一軍入隊後、扱いに困った上層部によって四軍や七軍、十二軍と軍自体をたらい回しにされ、さらにその中でも飛行中隊や機甲兵部隊、対テロ特殊部隊といった実戦部隊や完全に後方支援の広報部と様々な部署を転々とする。実戦での行動から勲章を授かったり、はたまた軍法会議にかけられたことも4回あるが、軍を退くまでの12年間に大尉まで昇進した。そのためか、一部の上級将校にとって彼女の名前を口にするのは禁忌である。 セントラルの全てを統括する感応頭脳『ゼウス』とは連邦軍時代から友人のような関係であるため、情報収集や情報操作といった端末類の扱いにも強く、戦闘機をはじめとする小型機操縦の腕は随一で、連邦軍の元同僚(特に戦闘機乗り)からは尊敬を込めて魔法使い(ウィズ)と呼ばれる。戦闘機による体当たりを得意技とするのは、ミサイルや機銃の弾の消費を抑えるためだったらしい。 世間で言われるような女らしさとは無縁だが、生まれた時から病弱かつ遺伝子異常の病気を持っていて、小さな頃からその遺伝子異常に対するさまざまな治療法を試していた。その一環として3歳で受けた遺伝子治療が原因で、30歳になる頃に死ぬという遺伝子が形成されてしまった。病弱で治療ばかりの日々だったためクーア財閥関係者として表舞台に出ることはあまりなく、次期総帥として初めてパーティに参加した際は呼ばれていた上級将校が3人も卒倒し医務室送りになったり、それ以外にも手元が狂う軍人が続出したらしい。また、記者会見など人前で猫を被っている場面しか知らない人間だけでなく、父親の頃から屋敷に出入りしているような、古株の財閥幹部の中にも現在の彼女を「深窓の令嬢」と勘違いしている人間は多い。 ある事情により、34歳で死ぬ間際、執事や主治医の手で冷凍睡眠装置のついた棺に入れられる。
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