《入水》の正しい読み方
「入水」の正しい読み方
「入水」の正しい読み方は「じゅすい」または「にゅうすい」である。「じゅすい」はもっぱら身投げ(自殺)を指す意味で用いられる。単に「水中に入る」という意味の場合は「にゅうすい」と読まれることが多く、「じゅすい」とは読まない。なお身投げを指す「入水」を「にゅうすい」と読む場合はあり、「入水自殺」はまれに「にゅうすいじさつ」と読まれる。「入水」の意味解説
「入水」とはその文字通り、水の中に入るという意味の言葉である。海やプール、風呂など、水に入る場面であれば幅広く使用できる。そして、水の中に入って自らの命を絶つ、身投げの意味合いもある。厳密には「じゅすい」と「にゅうすい」のどちらの読み方をしても、ただ水の中に入るということを表現できる。しかし、現代では、身投げを意味する場合は「じゅすい」、水に入ることを表す際には「にゅうすい」と、読み方が分けられる傾向がある。なぜ「入水」をそう読むのか・理由
漢字は、言葉が大陸から日本に伝来した時期などに応じて、読み方(音読み)が異なる場合がある。「入」の場合、「じゅ」という読み方は「漢音(の慣用読み)」であり、「にゅう」は「呉音」である。たとえば「入内」は「じゅだい」と読む。同様に「入水」も古くは「じゅすい」と読んだわけである。
ただし近年ではもっぱら「入」は「にゅう」と読まれる。「入水」の読み方も「にゅうすい」の方が今や標準的といえる。
とはいえ「じゅすい」という読み方は、古くから身投げを連想させるものとして扱われてきた。現代の小説や映画などの作品でも、身投げを意味する「入水」は「じゅすい」と読ませる傾向が色濃い。そのような経緯もあり「じゅすい」と読む慣行は現代にも残っている。
「入水」の類語・用例・例文
ただ水に入ることを表現する「入水(にゅうすい)」の場合、例文は「入水前にはしっかりと準備運動をしなければならない」「このプールでは、安全のために入水時間が限定されている」のようになる。そして、身投げの意味で使用する「入水(じゅすい)」であれば、「この作家は入水によって命を絶ったということで有名だ」「若い男女が入水したというニュースが流れてきた」といった例文である。「入水(にゅうすい)」の類語としては、「入浴」が挙げられる。場所が風呂に限定されるが、浴槽の水に入るという意味合いで、「入水」と「入浴」のどちらを使用しても、文法的には間違いではない。「入水(じゅすい)」の類語には、「身投げ」「自殺」「自裁」などがある。いずれも自ら命を絶つという意味の言葉である。「自殺」や「自裁」には手段がいくつもあり、「身投げ」も高所からの投身や火口での自殺なども含まれる。そのため、入水に限定するのであれば、「海に身投げをした」「川に入って自殺をした」という風に、場所や手段を示す言葉を付け足す必要がある。
「入水」の英語用例・例文
水に入るという意味の「入水」は、英語で「entering water」となる。例文を作ると「Do some stretching before entering water(入水する前に柔軟体操をしなさい)」という形になる。そして、身投げの「入水」では、自ら溺れ死ぬという意味の「drown oneself」を使用する。例文は「He drowned himself(彼は入水した)」となる。また、「She drowned herself into the river(彼女は川で入水した)」という風に、場所を付け加えた表現も可能である。- 《入水》の正しい読み方のページへのリンク