《傘下》の正しい読み方
「傘下」の正しい読み方
「傘下」は「さんか」と読む。「傘」は音読みで「サン」と読む。「傘下」の他に「傘寿」や「落下傘」などの語でも「傘」は「サン」と読む。とはいえ「傘」を「かさ」と読む場合は多い。たとえば「日傘(ひがさ)」「和傘(わがさ)」「唐傘(からかさ)」「相合傘(あいあいがさ)」などは、いずれも訓読みで「かさ」と読まれる。「傘下」の意味解説
「傘下」とは、大きな権力や指導力を持つ人間、組織のもとに属している状態を指す。誰かが人や組織に支配される際には「傘下に入る」、すでに支配されているときには「傘下にいる」といった表現をする。「傘下」は企業のあり方について使われることが多い言葉だ。合併や買収の末、巨大企業に組織が取り込まれることを「傘下に入る」と表現する。なぜ「傘下」と読むのか・理由
「傘下」という字は「傘(かさ)の下(した)」に入っている状態を表現している。この場合、「傘」とは大きな権力の比喩である。2つの漢字を音読みでつなぎ、読みやすくした言葉が「傘下(さんか)」だ。「傘下」の類語・用例・例文
「傘下」の類語には「支配下」「統治下」がある。いずれも傘下と同じく、ある人や組織がより巨大な力のもとに属している状態を示す。ただし、「支配下」や「統治下」は一方的な力関係があるときに使われる言葉だ。多くの場合、支配者や統治者は絶対的な権力を持っている。その下にいる人、組織は抵抗を許されない。それに対し、「傘下」はあくまでも、上にいる者の決定権が強い状態である。下にいる者の発言権も認められており、上に意見をすることはできる状態だ。以下、「傘下」を使った例文を挙げていく。「今日からこの会社は業界最大手の傘下に入る。いろいろ変わることも多いが、みんな臨機応変に働いてほしい」
「このグループの傘下にある工場に入社して、5年が経った。私は実力を認められ、本社に栄転することが決まった」
「傘下の会社には、まったく決定権が与えられていない。これでは親会社による搾取だよ」
「あのメーカーは成長率が非常に高い。なんとしてでも傘下に入れて、わが社の海外進出の土台にしたい」
「傘下」の英語用例・例文
「傘下」という表現は日本語独自のものなので、英語には似た言い回しがない。近い意味の言葉には「under contorol(支配下)」「belong to~(~に属する)」がある。以下、「傘下」を使った英語の例文を挙げていく。The company is under our control. No matter what the other company says, it won't listen to your request.(その会社はわが社の傘下にある。よその企業が何を言っても、頼みを聞き入れてはくれないだろう)
The management of securities companies belonging to major banks is stable. Instead, we must obey bank orders.(大手銀行の傘下にある証券会社は、経営が安定している。そのかわり、我々は銀行の命令には絶対に従わなければならない)
They were pushing the hassle into the company under their control. But now they are being revenge by angry people.(彼らは面倒なことを傘下の会社に押し付けていた。しかし今、彼らは怒った人々によって復讐をされている)
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