《先達》の正しい読み方
「先達」の正しい読み方
読み方:せんだつ。「せんだち」とも読む。中世においては、「せんだつ」「せんだち」の両方の読みが使用されていたが、江戸時代以降、徐々に「せんだつ」が一般化していき、現代においても「せんだつ」と読まれることが多い。「先達」の意味解説
「先達」は、修験道において、山伏や一般の信者が修行のために山に入る際の指導者のことである。それが転じて、ある分野において他の人よりも先に進み、業績や経験を積んで他の人々を導くこと、およびその人、また、案内をすること、案内人、という意味も持つようになった。なぜ「先達」と読むのか・理由
「先達」は漢語であり、それぞれの文字を音読みし、「先」はセン、「達」はタツ(漢音)とダチ(呉音)の両方の字音があり、「センダツ」「センダチ」と読む。字音通りでは「センダツ」ではなく「センタツ」であるが、2語が結合し1語となる場合、後ろの語の語頭の清音は、発音しやすいように濁音となる(連濁)ため、「センダツ」となる。「先達」の類語・用例・例文
「先達」の類語は、「先駆者」「先覚者」「草分け」「開拓者」「先人」「先輩」「案内人」「案内役」などがある。「先達」は古語であるが、以下のように現代でも用いられる。
・友人は、学生時代の恩師を、人生の先達として卒業してからもずっと尊敬している。
・祖父は、日本におけるこの分野の先達であり、数々の業績を残すと共に、多くの若い研究者を育てた。
・先達に学ぶために、なるべくたくさんの本を読むように心がけている。
・この古代遺跡の謎は、あの偉大な先達でも解き明かすことができなかった。
・ただ最先端のことばかり学ぶのではなく、先達の教えに触れることも必要である。
・この山のトレッキング上級者コースに挑戦したいなら、経験豊富な先達に同行してもらった方が安心だ。
・幼い頃からこの巡礼路を歩き、道を熟知している彼は、先達を買って出た。
「先達」の英語用例・例文
「先達」の英語は、「pioneer(先駆者)」「master(達人)」「leader(指導者)」「guide(案内人)」などがある。以下、例文。・The researcher who is recognized as a pioneer of the study of medieval European history accomplished various feats.(中世ヨーロッパ史研究の先達として評価されているその研究者は、様々な偉業を成し遂げた。)
・In order to learn directly from a master, my brother decided to go to the U.S. (先達から直接学ぶため、私の兄はアメリカに行くことを決心した。)
・She is well known as a leader of the socialism movement in this country.(彼女はこの国における社会主義運動の先達として、よく知られている。)
・An official guide will accompany the group on the Shikoku pilgrimage tour.(四国のお遍路ツアーでは、公式の先達が同行してくれる。)
《先達》の正しい読み方
「先達」の正しい読み方
「先達」の読み方は「せんだつ」である。「先達」は「せんだち」とも読む(間違いではない)が、今日ではもっぱら「せんだつ」と読む言葉として定着しており、「せんだち」は誤読と見なされかねない。
「先達」の意味解説
「先達」は、学問、技芸などの特定の分野において、他人よりも先に進んで偉大な成果を残す人や、立派な仕事をして後輩を導く人のことを意味する。また、人だけではなく、経験や業績を積んで他を導く行為に対して使われることもあり、ビジネスシーンにおいて見聞きすることも多い。一方で、山での修行の際に道案内をしながら修行の手伝いをする人のことや、修行に関係なく道の案内をする案内人のことを指す言葉として使われることもある。なぜ「先達(せんだつ)」と読むのか・理由
「先達」を「せんたつ」ではなく「せんだつ」と読むのは、日本語の「連濁(れんだく)」とよばれる現象によると言われている。連濁とは、2つの語が結びついて1つの語となる際に発音がしやすいように、後にある語の語頭が濁音に変化する現象である。「先達」の場合には、「先(せん)+達(たつ)」で構成されていて、後の語である「たつ」の語頭が、連濁によって「だつ」と濁る音に変わったとされている。「先達」の類語・用例・例文
「先達」の類語には、先にものごとを成し遂げた人である「先輩」、道を案内する「案内人」「ガイド」がある。また、新しい分野を切り開く人という意味での「先駆者」や、あることを最初に始めた人を表す「創始者」「草分け」「開拓者」「パイオニア」なども、「先達」と共通点の多い類語としてあげられる。そのほかには、「先人」「先覚」「先覚者」なども、「先達」と意味が似かよっている類語と言える。- 《先達》の正しい読み方のページへのリンク