《内裏》の正しい読み方
「内裏」の正しい読み方
「内裏」は、「天皇の御在所」および「雛人形」に関する文脈では「だいり」と読み、和装の用語または「内緒のこと」を指す意味では「うちうら」と読む語。「内裏」の意味解説
「内裏(だいり)」は古代の天皇の住居としての御殿である。古典などで天皇のことを指しても内裏という。また桃の節句で飾る雛人形の男雛(おびな)のことも指すが、こちらは現代では「お内裏さま」という呼び方が一般的である。「内」は範囲の中という意味で、古くは日本の中央である朝廷のことを「内」と言い、地方のことを「外」と言っていた。「裏」は場所を表す接尾語であるとともに、物の内側という意味も持つ漢字である。「内裏」は朝廷の内側という意味となる。
また「うちうら」と読んだ場合は着物の裏に付ける布のことを指し、そこから転じて外に漏らせない内情という意味も持つ。
なぜ「内裏」と読むのか・理由
「ダイ」「リ」はともに「内」「裏」の音読みである。「内」の音読みには「ダイ」の他に「ナイ」があり、やはり範囲の中という意味で使われるが、「内裏」の場合は「ダイ」と読む。「ダイ」と読む場合の中は、境界によって外界と区切られた内側であることが多い。古典などで使用される「内裏」は天皇の住む尊い場所で、一般の人間は入ってはならない場所である。他に「境内」も「ケイダイ」と読むが、こちらは神様の住む神域である。
「ナイ」とよむ場合は「内面」「内情」「内示」「内視」など、心の内側や組織・物質の内側であることが多い。このように読みによって意味が使い分けられているため、「内裏」は「ダイリ」と読む。
「内裏」の類語・用例・例文
類語御所、御殿、皇居、禁中、禁裏、大内、紫庭、宮城(きゅうじょう)
用例・例文
・内裏には天皇の私的な生活空間と、皇后や女御の住まいである後宮があった。
・平安京の内裏は西暦960年に火事で焼けてしまったが、翌年には建て直された。
・御所である内裏のなかでも天皇が主な生活をする所を大内裏という。
・ここは奈良田といって、奈良時代の内裏の跡が残っている場所だ。
・位の高い貴族は内裏に参上する権利があった。
・小さなころからお内裏さまの人形が大好きで、ひな祭が楽しみであった。
「内裏」の英語用例・例文
「内裏」は日本独自の文化的な言葉のため英語でも「Dairi」として良い。英語に置き換える場合は皇宮と直訳される「imperial palace」が最も意味が近い。雛人形の「お内裏さま」は一般に「emperor」と英訳されている。・The secretary proceeded to the Dairi.(大臣は内裏へ向かった)
・Jijuden is one of the royal halls in the imperial palace.(仁寿殿とは内裏にある殿舎のひとつである)
・Festival dolls representing the emperor and the empress.(雛人形というのはお内裏さまとお雛さまのことを指す)
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