法華寺のカラブロ 附 明和三年銘棟札、井戸とは? わかりやすく解説

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法華寺のカラブロ 附 明和三年銘棟札、井戸

名称: 法華寺のカラブロ 附 明和三年銘棟札、井戸
ふりがな ほっけじのからぶろ つけたり めいわさんねんめむなふだ、いど
種別 民俗知識に関して用いられるもの
員数 1棟 1枚 1基
指定年月日 2005.02.21(平成17.02.21)
所有者
所有者住所
管理団体名:
備考
解説文: わが国民間における入浴習俗古来から主として医療目的したもので、現在に残る入浴施設起源についても、特定の寺院個人と結びついて語られることが多い。奈良市法華寺通称カラブロ呼ばれる入浴施設もその一つである。
 この施設は、釜で沸かした熱湯蒸気密閉した木造風呂屋形の床下導き室内蒸気満たした中に入浴する蒸気導入方式施設で、これらを覆う建物含めてカラブロ呼んでいる。
 現在の施設は、桁行二間三・九メートル)、梁間三間(五・九四メートル)、切妻造、妻入、平屋建規模で、南面して建つ。内部西側二間通り東側一間通り板壁区切り西側二間通り浴室部とし、東側一間通り釜屋部とする。浴室部には板壁寄せて中央一間通り中央に、西側正面にして、間口一間半弱、奥行一間風呂屋形が造られ内部南北の二室に分け土間から壁を立ち上げて気密構造とし、内部簀の子状の床を張り土間との隙間から釜屋部の湯釜蒸気引き込んで蒸気を籠もらせる構造となっている。風呂屋形の床と浴室部床は磚【せん】敷き土間となっており、西側一間通り浴室部は中央仕切られ二間構造湯上がり空間となっている。
 法華寺カラブロは、光明皇后千人施浴せんにんせよく】伝説背景に、明治初年までは正月十三日正月節会六月七日光明皇后命日行われる会式の際に、施浴のためにカラブロ焚かれ一般に公開されていた。その後大正時代には光明会組織され、年一回風呂焚き続けられたが、近隣人びと要請により臨時風呂焚かれ公開されたこともあったようである。近隣人びと法華寺カラブロを「御殿さんのカラブロ」と呼んで親しんでおり、「お風呂入れてもらった元気になる」「御殿さんのカラブロ入れていただくとお腹治った」「神経痛治った」などといい、最近に至るまでその経験者残っており、入浴効用伝え伝承残されていた。
 入浴男女別々に浴衣などを着て入り、口には濡れ手拭い当てて何度も出入り繰り返しながら入った
 法華寺光明皇后皇后宮天平十七年(七四五)に宮寺となり、その後大和国尼寺充てられた門跡寺院である。
 光明皇后千人施浴発願ほつがん説話初見は『元亨釈書げんこうしゃくしょ】』(元亨二年<一三二二>)の記事とされているが、鎌倉時代年間行事書き留めた、『法華寺滅罪寺【ほっけめつざいのてら年中行事』の元亨二年当時記載から、すでに当時には施主伴った湯の施行施浴が行われていたことがうかがえるなど、鎌倉・室町期から中世期通じて湯施行施浴の形で盛んに風呂焚かれていたことが推測されるその後経過不明であるが、法華寺荒廃期を経て慶長年間一五九六一六一五)の伽藍復興伴って浴室現在地再建されたようであり、井戸もほぼこの時期掘られたと推測される
 現在の浴室は、明和三年一七六六)に再建されたもので、当時棟札残っている。その後明治初期ころに大がかり補修工事が行われ、煉瓦用いた竈【かまど】への改修土管用いた送水施設設置などが行われたが、第二次世界大戦中カラブロ釜が供出され残った部分昭和二十五年のジェーン台風埋没するなど、部分的な被害を受けながらも建物自体大きな損傷もなく残されてきた。しかし、経年による損傷進み平成十四十五年度に国庫補助事業により保存修理が行われた。
 この修理半解修理として行われたもので、組を含む軸部を残して解体し、各の根継を取り替え不陸傾斜修正したまた、釜屋部には発掘調査基づいて二基の竈を復しそれぞれ口径七〇センチメートルと、口径五〇センチメートル二つ釜を据え建物周囲には落溝を、井戸には井戸屋形設けて明治期カラブロの姿に再現したのである
 なお、附の棟札明和三年再建されときのもので、表面に「明和三年 戌六月吉日 奉上浴室棟梁名)」、裏面に「居前瓦ふき屋ねニ而御座候瓦ふきニ建直し仕候」などと記された、尖頭形、総高九七・二センチメートル材製のものであるまた、井戸上辺直径二・一メートル深さ四・九メートルのものである
重要有形民俗文化財のほかの用語一覧
民俗知識に関して用いられるもの:  尾崎の石風呂  山香の石風呂  岸見の石風呂  法華寺のカラブロ 附 明和三年銘棟札、井戸  渡辺学園裁縫雛形コレクション  湯ノ山明神旧湯治場
民俗芸能、娯楽、遊戯に用いられるもの:  上三原田の歌舞伎舞台

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